03b 文言一覧1
 
[カ]
可与立 未可与権       与トモに立つべくも、いまだ権ケンを与トモにすべからず
 (論語)
 
可与言而不与之言 失人    与トモに言うべくしてこれを言わざれば、人を失う(論
 語)
 
可以託六尺之孤        もって六尺ロクシャクの孤コを託タクすべし(論語)
 
化被草木 クワヒサウモク  くわは くさきにおよぼし
     かくも世はよく治まりて、王化が人類に及ぶのみならず、非情の草木までも
     及び被むることをいふ(千字文)
 
過猶不及也          過スぎたるはなお及ばざるがごとし(論語)
 
過則勿憚改          過アヤマてばすなわち改アラタむるに憚ハバカることなかれ
 (論語)
 
過而不改 是謂過矣      過アヤまちて改めざる、これを過アヤマちと謂イう(論語)
 
禍因惡積 クワインアクセキ  わざわひ あくのつもるにより
     人の禍害を被ることは、己れが惡行の積もりし結果なれば、常に惡行なきや
     う愼まざるべからず(千字文)
 
我非生而知之者        われは生まれながらにしてこれを知る者にあらず(論
 語)
 
回也非助我者也 於吾言無所不説 回カイや、われを助タスくる者にあらざるなり。わが言
               ゲンにおいて説ヨロコばざるところなし(論語)
 
解組誰逼 カイソスヰヒョク  そをとくは たりかせまらん
     去るべき機を見て病と稱し冠の組紐を解きて去れり、こり誰に逼られしにも
     あらず、自らせしなり(千字文)
 
晦魄環照 クワイハククワンセウ  くわいはく めぐりてらす
     晦は、つごもりのこと。魄は月の體にて、日月が常に運行循環して、天地間
     を照らすなり(千字文)
 
蓋有不知而作之者 我無是也  けだし知らずしてこれを作る者あらん。われはこれな
               きなり(論語)
 
蓋此身髮 ガイシシンハツ  けだし このしんはつ
     蓋し思ふに、此我が身體髮膚は、我が父母より受けたる大切のものなればと
     いふことなり(千字文)
 
豈敢毀傷 ガイカンキシャウ  あに あへてきずつけやぶらん
     何とかして、むざと我が身體を、きづつけそこなふことがなるものぞと、孝
     行の道を教へしなり(千字文)
 
外受傳訓 グワイジュフクン  そとに かしづきのをしへをうけ
     外に出でゝは家庭教師の如き守り役の訓へを受けてよく之れを守ることを云
     ふ。外とは家の外部也(千字文)
 
骸垢想浴 ガイコウサウヨク  かばね あかつけばゆあみをおもふ
     骸はからだのこと。からだに垢つけば入浴して垢をおとし、さっぱりと洗は
     んと想ふべきをいふ(千字文)
 
学而時習之 不亦説乎  学びて時にこれを習う、また説ヨロコばしからずや(論語)
 
学而不思則罔 思而不学則殆  学びて思わざれば罔クラく、思いて学ばざれば殆アヤウし
 (論語)
 
学如不及 猶恐失之      学ガクは及オヨばざるがごとくするも、なおこれを失わん
               ことを恐れよ(論語)
 
學優登仕 ガクイウトシ  がくまさり つかへにのぼり
     學問が衆人にすぐれたる人は、仕官して立身することが容易にてあるとのこ
     となり。勉學すべし(千字文)
 
楽而不淫 哀而不傷      楽しみて淫インせず、哀カナしみて傷ヤブらず(論語)
 
樂殊貴賎 ガクシュキセン  がくは たっときといやしきをことにし
     中国の昔、音樂は天子、諸侯、士大夫、庶民と種々の區別あり。各々分によ
     りて樂みたること(千字文)
 
割鶏焉用牛刀         鶏ニワトリを割サくに焉イズクんぞ牛刀ギュウトウを用モチいん(論
 語)
 
寛則得衆 信則民任焉 敏則有 寛カンなれば衆シュウを得エ、信シンなれば民タミ任ニンじ、敏ビン
 功 公則民説        なれば功コウあり、公コウなれば民説ヨロコぶ(論語)
 
寒來暑往 カンライショワウ  さむさきたり あつさゆき
     寒さ來たれば暑き往き、春夏秋冬の常に循環していつまでも限りなく變るこ
     とにて、四時の變移なり(千字文)
 
鑑貌辨色 カンホウベンショク  かたちをかんがみて いろをわきまふ
     又、其の容貌を見て、喜怒哀樂の情を辨別せよとの義にて、これ亦何事にも
     注意せよとの意なり(千字文)
 
願無伐善 無施労       願わくは善に伐ホコることなく、労ロウを施すことなから
               ん(論語)
 
願車馬衣裘 与朋友共 敝之而 願わくは車馬衣裘イキュウ、朋友ホウユウと共にし、これを敝
 無憾            ヤブるとも憾ウラみなからん(論語)
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