04 釜湯立のこと
 
〈釜湯立のこと〉参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 「神道名目類聚抄 五祭祀」に拠ると、湯立は、天鈿女命、天石窟の前にての俳優の
余風にて、神慮をよろこばしむるの神事なり。竹の葉を取持を手草タグサと云、旧事紀に
所謂竹の葉飫憩の木の葉を以手草としとある是なり。足拍子を踏は、火処焼ホドコロヤキ覆槽
置ウケトドロカスの義なり。熱湯に浴するは、誠心を尽の誓なり。古語拾遺に、覆誓槽、注に
誓約之意と見たり。
 「日本国風 一」に拠ると、諸社に湯立有、これも神楽より出たり。貞観儀式園韓神
祭に、「御神子先廻庭火供湯立舞」と云。日本紀問答に、鈿女神は篠の葉を持て、手を
のべ足をのべ舞躍給ひて、日神の御心をすかし給ふ。今巫女の湯立をするは是より始る
と云。

〈湯立のこと〉参考:「広辞苑第五版」
 湯立ユダテとは、神事の一。神前で湯を沸かし、巫女ミコ・神職などがその熱湯に笹の葉
を浸して自分の身や参詣人にふりかけるもの。もと禊ミソギの一種で、のちには誓ウケイとも
なり、湯の音で占いもする。古代の探湯クカタチと関係があろう。現在では無病息災を祈る
行事。問い湯。湯の花。ゆだち。
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