か1 観音社
 
〈かんぜおん〉
 観世音(観音とも)                      出典「広辞苑」
 観世音とは、「妙法蓮華経」普門品(観音経)などに説かれる菩薩のことで、大慈大
悲で衆生を済度することを本願とし、勢至菩薩と共に阿弥陀如来の脇侍する。衆生の求
めに応じて種々に姿を変えるとされ、三十三身が最も有名、また、六観音・三十三観音な
ど、多くの変化観音が現れた。その住所は南海の補陀洛山フダラクサン山とされ、中国では普
陀山、日本では那智山を当てる。
 
△六(七)観音とは
 六道の世界に輪廻する衆生を済度する六種の観世音菩薩のことである。台密(天台密
教)では聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・不空羂索フクウケンジャク観音・如意輪観音の
諸菩薩を云う。東密(真言密教)では不空羂索の代わりに准胝ジュンデイを挙げる。
@聖観音ショウカンノン(正観音とも)
 六観音・七観音の一。変化観音の基本としての、一面二臂の通形の観音である。
 宝冠中に阿弥陀の化仏をつけ、蓮華を持つ。聖観世音・聖観自在菩薩とも。
A千手観音センジュカンノン
 六観音・七観音の一。千の慈手・慈眼をそなえて、あまねく衆生を済度サイドするという
 変化観音である。普通は、合掌手を除き四十手、掌中に各一眼を持ち、一手ごとに二
 十五有を救うといい、頭上に二十七面または十一面がある。千手千眼観自在菩薩・千眼
 千臂観世音菩薩・大悲観音とも。
B馬頭観音バトウカンノン
 頭上に馬頭をいただいて忿怒の相をなした変化観音で、馬頭を直接頭にするものもあ
 る。六観音・七観音の一。
 普通は三面で、二臂ニヒ・八臂ハッピ像などがある。馬頭明王ともいい、八大明王の一であ
 る。
 馬の保護神として、特に江戸時代に広く信仰された。
C十一面ジュウイチメン観世音
 十一の顔を持つ者の意で六観音・七観音の一。救済者としての観世音菩薩の種々の能力
 を十一の顔で表したもの。普通、前三面を慈悲面、左三面を瞋怒シンフ面、右三面を狗牙
 上出面、後の一面を暴悪大笑面、頂上を仏面とする。本面を加えて十一面とするもの、
 本面以外に十一面あるものがあり、その表現や位置には種々の変化がある。いずれも
 その冠の中に阿弥陀の化仏がある。十一面観音とも。
D不空羂索観音フクウケンジャクカンノン
 六観音・七観音の一。大慈大悲の羂索を以て生死の苦海に浮沈する一切の衆生を済度す
 ることを本願とする変化観音である。
 形像は一面あるいは三面で、四臂・六臂・八臂などもあるが、多くは一面三目八臂に表
 され、手に羂索などを持ち、肩には鹿皮を着ける。鹿皮観音とも。
E如意輪観音ニョイリンカンノン
 六観音・七観音の一。如意宝珠と輪宝を持って一切衆生の願望を満たし、苦を救うとい
 う変化観音である。
 多くは六臂像に表される。如意輪菩薩とも。
F准胝観音ジュンデイカンノン
 六観音・七観音の一。
 像容は三目十八臂が多い。密教の女性尊で、七倶胝仏母・准胝仏母ともいう。
[詳細探訪]
 
別掲参照  [25]諸神の習合・修行考 [26]諸教における習合
関連リンク [鹿角の郷の「碑文(由緒)」ウォッチング(神社の碑文「観音社」)]
関連リンク [鹿角の郷の「碑文(由緒)」ウォッチング(その他神社の碑文「観音堂」)]
関連リンク [八幡平地区の神様を訪ねて「21 松館老人クラブ区域内の神様(観音様)」]
関連リンク [年中行事「12 十二月の行事(年越し)」]
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