YU10009 木像千手十一面観音菩薩像 1躯
 
鹿角市指定有形文化財(彫刻)
昭和49年6月5日指定
所在地 鹿角市十和田毛馬内字城の下69
所有者 誓願寺
 
 白根金山の金場カナバ(選鉱場)の水仕女(選鉱婦)であった勝女カツジョは、仏道の信仰 篤く、心を同じくする人たちと千手センジュ観音を勧請カンジョウした。信徒は一宇建立イチウ コンリュウを志し、誓願寺住職がその願をいれ、山内に建立安置した。その後、勝女はますま す信心を強め、お勝菩薩と尊崇されるようになった。
 その後の享保キョウホウ10年(1725)誓願寺は観音堂とともに毛馬内に移転した。明治26年 の勧進カンジンによる観音堂修繕の趣意書に「そもそも白根山千手観世音菩薩一体、御オンた け六尺、勝女の勧請云々……」とある。
 寄木造、漆、金箔の金色の荘厳ソウゴンに輝くこの菩薩像は、合掌手を除いたそれぞれの 手には持物があり、光背は環状である。その温容慈悲の姿は、金色の輝きの中に、江戸 時代初期の像容を表し、都の仏師の入念な作風は香り高いものを漂わせている。誓願寺 の秘仏ヒブツとして山内の観音堂に安置され、5月17日に開帳される。(像高106p、台座 高54p)

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