12a 玉内老人クラブ区域内の神様
 
名  称    所在地    故事来歴
 
「トッコ」
 八幡平地区内には、各部落毎に「トッコ(当講)」なる行事が今でも行われているが、
玉内部落に伝わる「トッコ」行事は聊か特殊である。
 部落全戸が参加しているのではなく、主に旧家である二十二戸が廻り宿となって行っ
ている。
 この廻り宿にはトッコの当番と共に、産土神ウブシナサンと呼ばれる、拝堂に入った高さ約
六十pの仏像が回って来る。仏像は宿の奥の間に飾られて崇拝される。
 この仏像の由来はその昔、ロクボーさんと云う者(僧か坊主か?)が仏像を背負って
部落に立ち寄り、「この仏像は玉内の人達の守り神なので、各家庭を回り末永く大切に
拝みなさい」と話され、当時の部落総代の家に置いて立ち去ったとのこと。
 それがトッコの始まりで、以来各家庭にて拝まれている。
 
 疫病払い、悪魔払いにも仏像は御利益あり、他部落で大病が流行していても、玉内に
は伝染して来なかったと云う伝えもあって、随分と親しまれて来ている。
 以前はこの仏像と一緒にお膳と鉄鉢椀が人数分宿回りしていたが、どこの家にも今は
用意されているので、持ち回りしておらず、お膳だけが一緒に回っている。
 また以前は十五銭と米五合の持参であったが、今はトッコは百円と米一升盛り上げて
持参することになっており、部落の行事として伝承されている。
 
 このほかに八幡平地区内の部落には「稲荷トッコ」「天神トッコ」「毘沙門トッコ」
「庚申トッコ」「八幡トッコ」「琴平トッコ」など様々なトッコが行われている。
 「画像表示」
 
黒沢神社    上玉内    祭神 保食命
               社殿 二間四面、石段なし、鳥居一門
               神社の創立不詳、安永年間に再建、明治六年無格社。
               往古より農耕並びに牛馬の守護神様として住民達も信
               仰厚く、遠近農民及び牛馬上人達の御参拝で盛会のよ
               うでしたが、終戦後は牛馬の減少となり、今は途絶え
               ている。
               五月五日節句祭神には数人だけ参拝している。
               昭和四十二年山火事で延焼、同年再建。
 
               [むらのいぶき]
               祭神 保食命
               往古より農耕並びに牛馬の守護神として住民の信仰厚
               く、安永年間再建。
               五月五日(端午の節句)には部落民が集まり、神官か
               ら祈祷して貰い、御神酒をご馳走になっている。
 
山の神神社   愛宕神社境内 創立月日不詳。玉内館にありました社を昭和五十四年
竜神社            十月愛宕神社境内に移転再建(一間×二間の長屋造)
稲荷神社           崇拝。
               村の婆さま達は今でも参拝している。
 
八幡神社    館      創立月日不詳。
               個人で崇拝していたが、戦時中は武運長久祈願する人
               達は、花輪方面からも御参りに来たようです。
               現在四月十五日の祭日には、部落のお婆様達は参拝し
               ている。
 
浦志内神社   浦志内    創立年月日、祭神とも不詳です。
               滝の左側の台地に一尺五寸位四方の石造りの堂がある。
               古くから、山仕事に従事する人達により、山の安全と
               働く者の安全を願い建設されたと思います。
               農作業の合間に営林署より特売契約で薪炭材の払下げ
               を受けて山に入り、樵り達は薪、炭焼き材に分け、薪
               は春の雪水を利用して土場まで運搬するために、浦志
               内川の上流に堰堤を造り、薪を投げ入れて春雪水で木
               流し作業をした。一の滝の流れは実に壮観であったよ
               うです。当時は浦志内神社に無事を祈り又、仕事の無
               事終了を感謝しお詣りをしたようです。
 
疱瘡神社    玉内     祭神 疱瘡神様
               玉内工藤幸作氏所有畑の一角に、三尺四面位のお堂が
               建立されているが、創立年月日は不詳である。
               古くから、ハシカ、疱瘡を送るには赤飯をたいて桟俵
               に上げてお詣りしましたが、今ではほとんどない。

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