三十一日 「大祓式・お日待ち」 於本殿・拝殿
日中のうちに子供会は参道の除雪、敬神婦人会は社殿内の清掃やお籠もりの準備、消
防団は社殿や参道の照明点灯のため自家発電機への給油などをそれぞれ担当します。
お日待ちの方々は各自夕食を済ませてから社殿に参集します。
夜、社殿内において「大祓式」を執り行います。即ち、「人形」を案上に置き、大祓
詞を唱え、祓串でお祓いします。
そして、大燭台に三十三本の蝋燭を明々と灯して、初詣に備えます。
〈伝統行事 − 大祓え〉
大晦日のこの日、各神社では大祓えを執り行います。即ち一年の穢を人形ヒトガタ(半紙
を人の形に切ったもの、形代カタシロとも)に大きく吹き掛けたり、身体の不具合な部位を
撫でたりして、大祓詞オオハラエノコトバを唱え、終わって大川に流したりします。
[年越] 於宮司宅
年越の食事に当たり、料理はお膳に盛り付け、天照大御神・産土神、氏神、祖霊神、
竈神、井戸の神、それに福の神(戸口の神)などの分のお膳を拵えてそれぞれの神前に
供え、各自順次に拝礼します。一同揃ったところで、お膳を神前から貰い下げ、お神酒
を戴きながら一年の無事を感謝します。主人は天照大御神・産土神のお膳、他の家族の
お膳は家内における役目の軽重、又は希望に沿ってそれぞれ配られます。
〈郷内行事 − 年とり〉
神前仏前には、重ね丸餅とお神酒を供えて拝礼します。握り飯に箸を立て、メェダマ
のマンマと云って、神様に供える処もあります。握り飯は十二個(閏年のときは十三個
)供えます。
神前に供えるお膳にはデンブ・ナマス・黒豆・ニシメ・頭付の鰰ハタハタ・吸物(カスベ
かタラかサメ)、それにタコとイカの一皿が付き、神前を拝礼してから戴きます。
大欠では年越しの夜はいつもより早く夕食を済ませ、水甕に蓋をし、手桶と柄杓の水
を切って伏せ、箆ヘラや鍋釜も道具休めと云って、使いません。囲炉裏の火箸も休ませ、
代わりに柳の枝の火箸を使います。
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