22 神職に関する和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△禰宜ネギ
わが恋をいのると人のきゝやせむ さゝやき声にのと申さん(七十一番歌合 下 ねぎ)
 
△祝ハフリ(神官)
味酒ウマサケを三輪ミワの祝ハフリがいはふ杉 手触れし罪か君にあひがたき(萬葉集 四)
 
さりともとたのみぞかくるゆふだすき わが片岡の神とおもへば
                       (千載和歌集 二十神祇 賀茂政平)
 
けさみればきそぢの桜咲きにけり 風のはふりにすきまあらすな(散木葉歌集 一春)
 
しなのぢや風のはふりこ心せよ しらゆふ花のにほふ神がき
                         (夫木和歌抄 四春 家長朝臣)
 
しなのなるきそぢのさくらさきにけり かぜのはふりにすきまあらすな(袋草紙 三)
 
△巫女ミコ・カンナギ
神うたや鈴ふりたつるこゑまでも 月すみわたるさとかぐらかな(七十一番歌合 下)
 
△幾禰キネ
しもやたびおけどかれせぬ さかきばの たちさかゆべきかみのきねかも
                           (古今和歌集 二十大歌所)
 
神まつるう月にさける卯の花は しろくもきねがしらげたるかな(拾遺和歌集 二夏)
 
足曳の山のさか木葉ときはなる かげにさかゆる神のきねかな
                           (同 十神楽歌 つらゆき)
 
きねがとるそのくましねに思事 みつてふかずをたのむばかりぞ(権中納言俊忠卿集)
 
△棚守
遠島の下津岩根の宮ばしら 波の上より立かとぞみる(九州道の記 玄旨法印)
 
△自薦
いづくより人は入けんまくず原 秋かぜ吹し道よりぞこし(十訓抄 十)
 
禰宜ネギといふ名をだにしらでちはやぶる かみにはいかでつかへまつらむ
                             (神職考 鴨長明の歌)
 
△世襲
さかづきにさやけき影のみえぬれば ちりのおそりはあらじとをしれ
                           (後拾遺和歌集 二十神祇)
 
おほぢちゝむまごすけちかみよまでに いたゞきまつるすべらおほんがみ
                            (同 祭主輔親大中臣氏)
 
桜花ちりなむ後のかたみには 松にかゝれる藤をたのまむ(玉葉和歌集 二十神祇)
 
△位階
位山こえてもさらに思ひしれ 神も光をそふる世ぞとは
                      (新葉和歌集 九神祇 後村上院御製)
 
△雑載
薄墨にかく玉章の心地して 雁鳴わたる夕闇のそら(住吉名勝図会 三)
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