30 きくらげ目(きくらげ科)・まつたけ目(はらたけ科・きしめじ科・もえぎたけ科
  ・べにたけ科・てんぐたけ科・あみたけ科)・ひだなしたけ目(さるのこしかけ科)
  植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈きくらげ目(きくらげ科)〉
 
キクラゲ(木水母キクラゲ,ミミタケとも,キクラゲ属)
 わが国,中国原産の食用キノコで,夏から秋にかけて雑木林の枯枝に自生。径は3~
 12㎝,全体に膠質,内面は褐色で脈状に不規則な凹凸があり,外面は赤褐色で軟らか
 く細かい毛が密生。
 
〈まつたけ目(はらたけ科)〉
 
マッシュルーム(作り茸ツクリタケ,西洋松茸セイヨウマツタケとも,ハラタケ属)
 欧州原産の食用キノコで,明治初年に渡来。広く世界で栽培され,変種,品種が多い。
 傘は白色から淡褐色又は淡黄褐色,肉厚く襞ヒダは白色~淡褐色~黒褐色。胞子は黒褐
 色,柄に鍔ツバあり。近似種に野原や畑に生えるハラタケがあります。
 
〈きしめじ科〉
 
エノキタケ(榎茸,ナメタケ,ナメススキ,ナメコ,ユキノシタとも,エノキタケ属)
 わが国原産の食用キノコで,晩秋から春にかけて林内の腐りかけた木やエノキ(榎),
 ニレ(楡),ハンノキ,ポプラ,ブナなどの広葉樹の生木に自生,味もよく昔から食
 用に栽培。傘の径2~10㎝で初め小球形,後に開いて丸山形,色は黄褐色で周辺はや
 や淡色,粘りは強く肉は白色,鍔も壺もない。
 
シイタケ(椎茸,マツオウジ属)
 わが国原産の代表的な食用キノコで,春と秋にシイ,ナラ,クリ,クヌギなどの広葉
 樹の切株や枯幹に自生。傘は初め丸山形,後に開いて平らになりときに中央が僅かに
 窪み,径4~10㎝,色は茶褐色から黒褐色で同じ色の鱗被を被ります。
 
ホンシメジ(本占地,シメジ,カブシメジ,センボンシメジ,ダイコクシメジとも,シ
      メジ属)
 わが国原産の代表的食用キノコで,秋にアカマツを混じえた雑木林などの乾燥した土
 地の多数くっつき合って生え,傘は径4~10㎝,始め球形から後に丸山形,襞ヒダは密
 に並び初めは白色,後に帯黄色味。毒茸のイッポンシメジは襞が淡紅色となるので区
 別できます。
 
ヒラタケ(平茸,アワビタケとも,ヒラタケ属)
 わが国原産の食用キノコ。夏から秋にかけ全国の広葉樹の切株,枯木,倒木に群生。
 傘は貝殻状,径5~15㎝,色は普通灰色でやや青味を帯び,ときに淡黄褐色,短い柄
 が傘の側方に付き長さ1~4㎝,傘裏の襞はやや密で白い。毒茸のツキヨタケと似て
 いるので要注意,ツキヨタケは柄に鍔があるので区別できます。
 
マツタケ(松茸,キシメジ属)
 わが国原産の野生食用キノコ。秋にアカマツ林に生え,ツガ,エゾマツ,トドマツ,
 ハイマツときにはミズナラ,クロマツなどの林にも出ます。傘は初め球形か半球形,
 後には開いて丸山形から殆ど平らになり,径8~20㎝,表面は肉桂色~栗褐色,繊維
 質の鱗片で覆われます。周縁は色が淡く,色は白い。柄は長さ10~20㎝で円柱状,根
 本はやや膨れ,上の方に鍔がありその上は白色,下は褐色の鱗片を付け,襞は密に並
 び,初め白く後に黄色味を帯び,胞子紋は白色。
 
〈もえぎたけ科〉
 
ナメコ(ナメスギタケとも,スギタケ属)
 わが国原産の食用キノコ。秋にブナ林内の倒木や枯幹に群生。傘は初め半球形,開い
 てから丸山形,ほぼ平らになり径3~10㎝,色は中央が赤褐色,周縁が黄褐色,古く
 なると淡色,表面は厚いぬるぬるした粘液層を被っているのが特徴。柄は長さ2~8
 ㎝,円柱状で中央より上に鍔があり,鍔より下は厚い粘液層に覆われ,壺はなく,襞
 は密に並びます。
 
〈べにたけ科〉
 
ハツタケ(初茸,藍茸アイタケとも,チチタケ属)
 わが国原産の野生食用キノコ。初秋にアカマツ林地内に群生又は単生。全体に淡赤褐
 色で脆モロく,傷を付けるとその部分が暗紅色ないし血赤色の乳液を分泌し,その液は
 直ぐに青藍色に変わり,傷付いた表面は緑青色の染みとなるのが特徴。傘は径5~10
 ㎝,初め中央が凹んだ丸山形,後に扁平又は漏斗状,表面は少し粘性があり,淡赤褐
 色で同心環紋があります。肉は白色,柄は長さ2~5㎝,上下同大か中央部が太く,
 傘と同色,襞は密で傘と同色か淡く,胞子紋は帯黄色。
 
〈てんぐたけ科〉
 
タマゴタケ(玉子茸,ダシキノコ,アカダシとも,テングタケ属)
 わが国全土に分布する食用キノコ。夏から秋にかけて林中の地上に群生又は点々と生
 えます。傘の色は橙黄色,柄は黄色,深いコップ状の壺を付けた見事な大形キノコ。
 傘の径は6~20㎝,柄の長さは10~17㎝,径6~20㎜の円柱状で上部に鍔,根本には
 大形の壺があります。同属の猛毒ベニテングタケと見誤ることがあるので要注意。
 
〈あみたけ科〉
 
アミタケ(網茸,シバタケ,スドオシ,ヌノメとも,ヌメリイグチ属)
 わが国全土に分布する食用キノコ。夏の終わりから秋にかけ,針葉樹の林内の地上に
 群生。傘は初め丸山形から饅頭マンジュウ形,平形に変わり,径5~11㎝,色は淡黄褐色
 から褐色,表面は滑らか,湿ると粘りがあります。肉は白色~淡い肌色,柄の太さは
 1㎝位,長さ5~10㎝で円柱状,鍔も壺もなく,胞子は傘の裏面にある網状の襞に付
 き,長楕円形。
 
〈ひだなしたけ目(さるのこしかけ科)〉
 
マイタケ(舞茸,マイタケ属)
 わが国原産の食用キノコ。秋にクリ,ナラ,ブナなどの朽木や切株の根際に群生。柄
 は可成り太く,頻繁に枝分かれし末端は扁平となって傘になり,分岐した多数の扁平
 な傘が折り重なって沢山付き,全体の径40㎝以上にもなります。傘の表面は灰白色又
 は暗褐色,裏面には白色で浅い管孔を密生し,胞子は管孔の内面に形成。肉は白色。
 類似種に白っぽいシロマイタケ,傘の色が黄褐色で表面がビロード状のミヤマトンビ
 マイタケがあり,共に食べられます。

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