27b らん目(らん科)植物
 
セロジネ・クリスタータ(セロジネ属)
 ヒマラヤの高所に自生する多年草で,明治中期に渡来。室内観賞用。花は径7〜8p,
 純白の美しい花で,花被片は波状で唇弁の隆起は鮮黄色,弓形に伸びた花柄に5〜7
 輪付け,芳香性。花期は1〜4月。
 
スルガラン(駿河蘭,地蘭ヂラン,雄蘭オラン,ケイランとも,シンビジウム属)
 東洋(中国)ランの一種で中国福建省原産の地生ラン(多年草),花葉を観賞用とし
 て鉢栽培。高さ50〜60p,葉は雄大で長線形の長さ30〜60p,立葉性で地際から叢生,
 花弁,萼片は長楕円形,花径5〜7pで黄緑色ないし淡黄褐色,唇弁は卵状長楕円形
 で前裂部は反巻し,黄緑色地に紫褐色の斑入り,総状花序に6〜12花を開き,高芳香
 性。花期は夏から秋。
 
シンビジウム・インシグネ(シンビジウム属)
 ベトナム高原原産の多年草で,明治末期に渡来。シンビジウムの代表的原種で重要な
 交配親として知られます。茎高5〜8p,花は径10p程で淡桃色,高さ100pの花茎が
 アーチ形に伸びて総状花序をなし,10〜15輪咲かせます。花期は3〜5月。
 
ソウバイ(宋梅,宋錦施梅ソウキンシバイとも,シンビジウム属)
 中国原産の多年草,園芸上東洋ランと称される中国春蘭の代表品種で,清の乾隆時代
 に宋家から出たのでこの名があります。鉢植え。花弁が非常に丸く厚肉,棒芯も丸く
 て固く,花色は淡緑色,棒芯は白く軟らかく,舌は厚肉で短く,濃紫色の1点があり
 ます。花期は1〜4月。
 
ダイフウキ(シナシュンラン)(大富貴,シンビジウム属)
 中国原産の多年草で,明治42年に渡来。鉢物,地植え。葉は濃緑で異常な光沢があり
 大形の半垂れ,花は主副3弁が広く大きく緑色が深く,包衣は全面紅紫色,舌は大き
 く,紅点を2〜3個付け,花茎はあまり伸びません。花期は1〜4月。
 
ロウブンダンソ(シナシュンラン)(老文団素,シンビジウム属)
 中国原産の多年草で,江戸時代末期蘇州の周文段氏によって発見された東洋(中国)
 ラン,素芯(白花)の代表的名花。鉢植え。葉は紺地光沢,中広の環垂れ葉で優美な
 曲線美,花は径6p前後で淡緑色の大花,淡色の隠筋を通し,舌は純白でキリッと巻
 きます。花期は1〜4月。
 
シキチョウ(シナシュンラン)(四喜蝶,シンビジウム属)
 中国原産の多年草で東洋(中国)ランの奇種,鉢物。葉はやや緑薄く中細の素直な半
 垂れ性,外弁4枚と内弁4枚が行儀よく交叉する整形の花で,外弁は緑色,内弁の左
 右両弁は上半分淡い緑,下半分白色厚肉に弁化して紅紫色の点を散らし,上下の両弁
 は完全な舌でこれにも紅紫点。花期は1〜4月。
 
マンジュ(シュンラン)(万寿,シンビジウム属)
 わが国原産の多年草,鉢物,地植え。葉は中垂れ性,花茎の濁り少なく長茎,花はや
 や長円形で橙赤色平肩の大花の5弁,棒芯の抱えよく舌は白地に淡紅点。花期は春。
 
テンシコウ(シュンラン)(天紫晃,シンビジウム属)
 昭和12年頃長野県飯山にて発見された多年草,鉢物。葉は中垂れ性で光沢,花は5弁
 で先が丸く,赤紫色の大花。花茎,包衣共に紫色で12p位,花の終わりにも殆ど花色
 の変わらない名花です。花期は春。
 
ギンレイ(カンラン)(銀鈴,シンビジウム属)
 高知県佐川町産で昭和9年11月に命名,鉢物。葉は半垂れ性で露受葉を交えて光沢,
 花は3弁共に淡緑白色の平肩棒芯,やや淡く1本の紅筋をかけ,総状花序に開きます。
 舌には薄い弁点, 花色は半透明に近い冴えを持ち古くからの名花。花期は秋〜冬。
 
タンカク(カンラン)(丹鶴,シンビジウム属)
 三重県紀和町産,鉢物。葉は肉厚の大葉性立ち葉,花茎は高く直立し緑褐赤色,花は
 濃赤色の三角咲きで四方に整然と付き,舌は白地に淡黄緑味がかり,紅点を散らしま
 す。花期は秋〜冬。
 
ズイコウ(ケイラン)(瑞晃,シンビジウム属)
 台湾産の多年草ホウサイランより作られた一園芸品種で,一般にケイランと呼ばれる
 グループに属します。鉢植えにして葉を観賞。葉の中央の広い斑が特徴。
 
トウアニシキ(キンリョウヘン)(東亜錦,シンビジウム属)
 キンリョウヘンは台湾,中国南部原産の多年草で,江戸時代には渡来,又は自生して
 いる可能性もあります。鉢植え。本種は昭和13年に若松の変わりものとして発見され
 ました。葉には照りがあり黄色の大深覆輪でその縁は帯白味,花弁,萼片は帯紅紫色,
 芯弁は白地に紅点,総状花序に20〜30輪開きます。花期は5〜6月。
 
ニッコウデン(シュンラン)(日光殿,シンビジウム属)
 明治23年に福井県勝山市で発見された多年草,柄物古典として鉢植え。葉は立ち性で
 紺地に白覆輪,花は白覆輪の平肩咲き。花期は3〜4月。
 
ゲッコウ(シュンラン)(月光,シンビジウム属)
 昭和45年頃茨城県筑波山付近産の多年草(黄花シュンラン),鉢植え。葉は樋のある
 葉筋で強い中葉の半立ち性,花は平肩咲き,弁厚く調和が執れ,早く蕾を付けると花
 弁に青が残ります。花期は3月。近似種に中葉性淡緑色の黄冠,細葉性の光寿などが
 あります。
 
テンシン(シュンラン)(天心,シンビジウム属)
 昭和43年頃茨城県で発見された多年草(赤花品種),鉢植え。葉は淡緑色で巻き葉の
 垂れ性,花は荷花弁で弁肉があり,濃紅色の花色が素晴らしい。花期は3〜4月。
 
モモヤマニシキ(シュンラン)(桃山錦,シンビジウム属)
 昭和48年に茨城県で発見された多年草(赤縞物と呼ばれている代表種),鉢植え。葉
 は散り斑入り,花には赤色,黄橙色,緑色の色彩を鮮明に表す散り斑を含む縞があり
 ます。本種の兄弟実生から選別された紅姫は葉の縞が鮮明で美しい。花期は3〜4月。
 
ワナミノハナ(シュンラン)(輪波の花,シンビジウム属)
 昭和6年秋に福島県の山中にて採取された虎斑柄物(多年草),鉢植えにして葉を観
 賞。葉は大葉性肉厚幅広の中垂れ葉に,極黄の切り斑を現し,中に緑点を彩る姿勢堂
 々たる名品。
 
シンビジウム・ロヴィアナム(シンビジウム属)
 ビルマ原産の半地生ラン(多年草)で,明治中頃に渡来。鉢植え。葉は線形,花茎は
 アーチ型で1m位,花は緑色で総状花序に10〜20輪開きます。花期は3〜4月。
 
サザナミ(シンビジウム)(細波,シンビジウム属)
 中国原産の多年草(交配種),室内装飾用。花茎は20〜30p,花は淡桃色〜濃赤紫色,
 唇弁は通常白地に濃紅色の斑点があり,総状花序に15〜20輪開きます。花期は12〜3
 月。
 
ショーガール'マリブ'(シンビジウム)(シンビジウム属)
 ヒマラヤ,ベトナム原産の多年草シンビジウムの交配種,切花,鉢物用。花は大輪で
 白い唇弁に僅かに赤点,花色には白,淡ピンク,クリーム色など,1茎に5〜20花を
 総状花序をなして付けます。
 
サガミ'ゴールデン・ゲート'(シンビジウム)(シンビジウム属)
 洋ランとして扱われるシンビジウムの交配種は3000種以上と云われ,ヒマラヤ,ビル
 マなどの原種を親として作出。本種やサンフランシスコ,エル・キャピタンは共に大形
 種で,花は径7〜10pの大輪,花色は黄色,白色,ピンクなど色彩に富み,切花用,
 鉢植え用。花期は早咲きで12〜4月。
 
マリリン・モンロー(シンビジウム)(シンビジウム属)
 シンビジウムの一園芸品種,鉢物向き。花は径10p位の大輪花,花色は淡いピンク,
 唇弁は白地に赤点入り,総状花序に10〜12輪開きます。花期は11〜3月。グレートワ
 ルツ'マイフェアレディ'は近い系統のものです。
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