27-2 らん目(らん科)植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈らん目(らん科)〉 続き
 
セッコク(デンドロビウム)(石斛セッコク・セキコク,デンドロビウム属)
 本州中南部,四国,九州,沖縄,台湾,朝鮮半島に分布する多年草で,老木の枝や岩
 上に着生,鉢植え。高さ20p,花は径3pで普通白色やまた淡紅色,1茎に1〜4輪
 開き,芳香性。花期は初夏。近似種にキバナセッコクがあります。
 
デンドロビウム・フィンブリアツム・オクラツム(デンドロビウム属)
 ビルマ,タイ原産の多年草でデンドロビウムの原種フィンブリアツムの変種(長茎種
 )。茎は高さ50〜70pで各節に革質の披針形葉を付け,花は径5〜7p,花色は橙黄
 色で唇弁の基部は濃い栗色入り,縁は細裂する花を総状花序に10〜15輪を下垂します。
 
デンドロビウム・ノビル(デンドロビウム属)
 インド,中国原産の多年草デンドロビウムの代表的原種で,重要な交配親として知ら
 れます。茎は太く高さ30〜50p,花は径7〜8pの白色で花弁先端は桃紫色を帯び,
 唇弁基部に黒紅色斑入りの花を,総状花序の茎の節に咲かせます。花期は冬から春。
 
デンドロビウム・プリムリヌム(デンドロビウム属)
 ヒマラヤからインドシナ半島にかけて広く分布する多年草で,デンドロビウムの原種
 の一つ。茎は太く長さ50〜60pで垂れ下がり,落葉性,花は淡紫紅色で唇弁が乳白色
 の花を,各節に1輪ずつ咲かせます。花期は春。
 
スノー・フレーク(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 東インド,ビルマ原産の多年草でノビル系の交配種,室内装飾用。矮性で花は中小輪
 花,花色は白色系が多く(再交配のものはピンク系が多い),前年の茎に総状花序を
 なして2〜3輪開きます。花期は秋〜冬。
 
ユキダルマ(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 インド,ヒマラヤなどに自生する幾つかの種を中心に改良されたノビル系の品種,鉢
 物用。花弁,萼弁は唇弁も白色,中央が丸い濃紫紺色の目となります。本種はこの色
 彩の代表的品種。花期は冬。
 
プリマ・ドンナ(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 インド〜中国原産のノビルを中心に改良されたノビル系デンドロビウムの一品種,鉢
 物として室内観賞。花期は冬から早春。
 
オリトピア'サンヨー'(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 インド〜中国原産のノビルを中心に改良されたノビル系デンドロビウムの一品種,鉢
 物として室内観賞。花は大輪で極めて濃い紅紫色の肉厚丸弁,唇弁には濃黄色が入り,
 更に中心は赤褐色を呈します。花期は冬から早春。近似種にはマロネス,ユートピア
 があります。
 
ゴールデンブロッサム'ビーナス'(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 インド〜中国原産のノビルを中心に改良されたノビル系デンドロビウムの一品種,鉢
 物として室内観賞。花は光沢のある美しい黄色,唇弁は更に濃い黄色で,総状花序に
 花付きよく多くの花が密に咲きます。花期は冬。近似種にハンビューレン・ゴールドな
 どがあります。
 
アサヒ(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 ニューギニアなどに自生するファレノプシス種を中心として改良されたファレノプシ
 ス・タイプの一品種,鉢物,切花用。花は非常に濃い紅紫色の丸弁。花期は9〜11月。
 近似種にヒッカム'デブ'などがあります。
 
リトル・ライラック(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 オーストラリア原産のヴィギバム変種コンパクツムと,ソロモン諸島原産のゴウルデ
 ィとの交配種。温室鉢植え。ケイン・タイプ或いはファレノプシス・タイプと呼ばれる
 もの。花はライラック色。近似種にマダム・ポンパドール,レディ・ハミルトンなどが
 著名。
 
ニュー・ホリゾン(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 中南米原産の多年草(交配種),鉢植えとして室内観賞。花茎は30〜40p,花はキャ
 ナリクラツムに似て基部白色,弁先黄色の大形の花を総状花序をなして開きます。花
 期は冬〜春。ほかにパープル・ミニッチン,ロージイ・チップスなどがあります。
 
フォーミーディブル(デンドロビウム)(デンドロビウム属)
 ビルマ原産の多年草(交配種),切花,フラワーデザインの材料。花は雪白色で唇弁
 の奥に黄色斑点,花は2〜4輪ずつ房状に咲き,20輪位付きます。花期は5〜7月。
 
デンドロキラム・フィリフォルム(デンドロキラム属)
 フィリピン原産の気生ラン(多年草)で,大正初年に渡来。室内観賞用として鉢植え。
 花茎が長く下垂し,小さな淡黄色の花を2列にびっしりと付けます。花期は初夏。近
 似種にD.cobbianumがあります。
 
ディーサ・ウニフローラ(ディーサ属)
 南アフリカ南部原産の地生ラン(多年草)で,昭和初年に渡来。鉢植えにして室内観
 賞。本種は世界で最も美しい花の一つと云われます。高さ50p以上,花は径10p,真
 紅の側萼片と紅絞りの背萼片が大きな三角形に展開,蕊柱の元に細い唇弁が付きます。
 花期は7〜8月。
 
ドリテノプシス'キョート'(ドリテノプシス属)
 東南アジア原産の多年草(属間交配種),鉢物,切花用。単茎種で葉は15〜30p,花
 弁は幅広く丸味があり,濃紫桃色の中輪の花を総状花序に開きます。花期は冬〜春。
 
サワラン(沢蘭,アサヒランとも,サワラン属)
 本州中部地方以北,北海道及び南千島に分布し,山中の湿地に生える多年草,山草と
 して鉢仕立て。高さ約12p,花は紅紫色。花期は夏。シロバナサワランもあります。
 
エンシクリア・マリエ(エンシクリア属)
 メキシコ原産の多年草,エンシクリア属の代表的原種,鉢植え。葉は長さ15〜20p,
 花は径7〜8pの大輪,花色は鮮緑色,唇弁は白色で開口部先端が2裂,高さ10〜20
 pの花茎に2〜4輪咲かせます。花期は5〜6月。
 
エピデンドラム・エンドレシー(エピデンドラム属)
 コスタリカ,パナマ原産の多年草,温室鉢植え。花は径2p程度で淡紫桃色,高さ20
 p位の花茎に10p程の総状花序に4〜10輪開きます。花期は冬。近似種にイバグエン
 セ,シューマニアナムなどがあります。
 
カキラン(柿蘭,スズランとも,カキラン属)
 わが国各地及び朝鮮半島,中国東北部,ウスリーの温帯から暖帯に分布し,山野や谷
 筋の湿地に生える多年草,山草として鉢仕立て。高さ25〜50p,花は柿色,舌弁は淡
 紫色。花期は夏。近似種にキンラン,ギンランがあります。
 
ゴンゴラ・ガレアータ(ゴンゴラ属)
 メキシコ原産の多年草(着生ラン)で,昭和初年に渡来。総状花序が下垂して花を咲
 かせるのが珍しいため,温室内吊鉢。花は径3.5pで灰褐黄色,花序に4〜12花付けま
 す。花期は不定。
[次へ進んで下さい]