23b たこのき目(たこのき科)・沼生目[いばらも目](おもだか科・はない科)・穎花
  目[いね目](いね科・かやつりぐさ科)・やし目(やし科・ぱなまそう科)植物
 
〈かやつりぐさ科〉
 
シュロガヤツリ(棕櫚蚊帳釣,シペラス(カヤツリグサ属))
 マダガスカル原産の多年草で,明治25年に渡来。観葉植物として鉢植えにして水辺や
 水盤に置きます。高さ1m程(鉢植えでは40〜60p),葉の長さ40〜60p。花期は6〜
 7月。変種に小形のコシュロガヤツリ,白斑の入るフイリシュロガヤツリがあります。
 
〈やし目(やし科)〉
 
クロッグ(ツグ,アマニ,ヤマシュロとも,クロッグ属)
 沖縄,台湾原産の耐冬性常緑低木,観葉植物として幼樹を鉢植え,温室又は庭園に栽
 培。葉は根出葉で長さ150〜300p,小葉は30〜40p,雌雄同株で単性花,肉穂花序は
 橙黄色,花後に親指の頭大で楕円形の橙黄色の核果を生じます。
 
ヤタイヤシ(ココスヤシとも,ブティア属)
 ウルグアイ,アルゼンチン原産の常緑高木,暖地では庭園樹,また幼樹を大形の観葉
 植物として鉢植え。高さ8〜10m,葉は長い羽状複葉,雌雄同株,花は単性花で葉腋か
 ら肉穂花序を出し,枝の上部に雄花(雄蘂6),基部に雌花(雌蘂1,柱頭3)を付
 けます。果実は核果で,甘く芳香があって美味,ゼリー用。
 
ココヤシ(ココス属)
 世界(アメリカ大陸を除く)の熱帯海岸原産の常緑高木で,江戸時代に渡来。果実を
 食用,また加工される有用樹。単幹で高さ20〜30m,果実は先端3稜角の楕円形,長さ
 20〜30p。
 
コモチクジャクヤシ(子持孔雀椰子,カルヨタ属)
 熱帯アジア,マレー半島,ビルマ原産の常緑小高木で,明治中期に渡来。観葉植物と
 して鉢植え。高さ約8m,花は帯桃赤色,下垂する肉穂花序に付きます。花期は夏。近
 似種に大形のクジャクヤシがあります。
 
チャマエドレア・テネラ(ヒメテーブルヤシとも,テーブルヤシ属)
 メキシコ原産の最小形ヤシで低木,第二次大戦後に渡来。観葉ヤシとして鉢植え。高
 さ100〜150p,雌雄異株,花は小さく鮮黄色。
 
アレカヤシ(コガネタケヤシとも,クリサリドカルパス属)
 マダガスカル島原産の常緑小高木で,明治末に渡来。観賞用として温室内鉢植え。高
 さ3〜8m,花は白色,果実は卵形。
 
コリニア・エレガンス(コリニア属)
 メキシコ原産の常緑低木,鉢植えにして室内装飾。高さ2m位,高節の環状紋を残し,
 花は黄色,果実は白色で小粒。変種に小葉が狭葉のvar.angustifoliaがあります。
 
ケンチャヤシ(ホウエィア属)
 オーストラリア東岸のロードハウ島原産の常緑高木,観賞用として鉢植え。高さ10m,
 幹の環状節部に肉穂花序を条列状に数本密接して着生,湾曲垂下し,果実は長楕円体
 で柱頭痕があります。近似種にベルモアホウエィアがあります。
 
トックリヤシ(徳利椰子,マスカレナ属)
 マスカリン諸島原産の常緑高木,観賞用として栽培。単幹で高さ15〜18m,高さ2m位
 まで幹が徳利状に膨らみます。花はクリーム色,長さ60〜75pの肉穂花序に付きます。
 
ナツメヤシ(棗椰子,ナツメヤシ(フェニックス)属)
 ペルシャ湾沿岸原産,果実を食用。高さ25〜30m,幹径50〜80p,果実は赤褐色又は紫
 黒色,長さ4〜7p,径2〜3pの楕円体。果肉は糖分を多量に含有,昔からアラブ
 人の主食とされました。雌雄異株。
 
カナリーヤシ(ナツメヤシ(フェニックス)属)
 カナリー諸島原産の常緑低木,室内装飾として幼植物を鉢栽培。単幹で高さ20m,径80
 〜100p,花梗は黄色で長さ100〜150p,葉間の肉穂花序に付けます。
 
フェニックス・ロウレイリィ(シンノウヤシとも,ナツメヤシ(フェニックス)属)
 東南アジア,インド・アッサム地方原産の常緑高木,室内装飾用鉢植え。単幹で高さ2
 〜3m,長さ30pの肉穂花序。
 
コモチケンチャヤシ(シロチクヤシとも,ヤハズヤシ属)
 ニューギニア原産の常緑低木,観葉植物として鉢植え。幹は叢生して高さ7〜8m,雌
 雄同株で単性花,花は黄緑色,肉穂花序は青白黄色で長さ6〜7p,果実は赤色。
 
ヒメアメリカチャボヤシ(窓椰子マドヤシとも,レインハルティア属)
 メキシコ南東部,英領ホンジュラスの湿潤な森林原産の常緑低木,室内観葉植物とし
 て鉢植え。幹は分蘖ブンケツ叢生し高さ1m,葉の脈間に細長い窓が開き,花梗は単一の
 鞭状をなし,雄花雌花が1組の集花となって花梗上に螺旋状に付きます。
 
カンノンチク(観音竹,カンノンチク属)
 中国南部,沖縄原産の常緑低木で,江戸時代に既にシュロチクと共に栽培された古典
 園芸植物。鉢植え栽培向き。幹の長さ1〜3m。変種に淡黄色縞模様のvar.variegata
 hort.,小形で淡緑色系白黄色の縦縞のvar.zuikonisiki hort.,園芸品種は105品種が
 知られます。
 
シュロチク(棕櫚竹,カンノンチク属)
 中国南部原産の常緑低木で,江戸時代より栽培。鉢植え。幹は分蘖ブンケツ叢生し高さ4
 〜5m。並葉種と細葉種があります。変種に小葉,葉柄,幹に不鮮明な淡黄緑色の縞模
 様のあるvar.variegata hort.があり,縞模様が白色に近いものは稀少価値がありま
 す。
 
ブラジルヒメヤシ(姫椰子ヒメヤシとも,シアグラス(ヒメヤシ)属)
 ブラジル南部原産の常緑低木,明治末に渡来。観葉植物として温室で鉢植え。高さ1
 〜2m,雌雄同株(単性花),花は黄白色で芳香を放ちます。
 
トウジュロ(唐棕櫚,シュロ属)
 中国原産,古く中国より渡来。庭園樹。単幹で高さ8〜10m,雌雄異株,花は淡黄色の
 小花で,葉間から大きな包に包まれた肉穂花序を出し多数付けます。花期は5〜6月。
 果実は初め緑色,後青黒色,径6〜10o。
 
ワシントンヤシモドキ(セダカワシントン,翁椰子擬オキナヤシモドキとも,ワシントニア属)
 北米,メキシコの乾燥地域原産,世界中(温帯,亜熱帯)の街路樹として栽植。高さ
 20〜27m。近似種にワシントンヤシがあります。
 
〈ぱなまそう科〉
 
パナマソウ(パナマハットソウとも,パナマソウ属)
 ペルー,エクアドル,コロンビア原産の多年草,明治中期に渡来。パナマ帽の材料,
 観葉植物として鉢植え。花は単生で雌雄両花は同一の肉穂花序に生じ,4片からなる
 仏炎包に囲まれます。

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