20-1b しそ目(ひるがお科・はなしのぶ科・はぜりそう科・むらさき科・くまつづら科・しそ
   科・なす科・ごまのはぐさ科・ぐろぶらりあ科・のうぜんかずら科・ごま科・いわたば
   こ科・きつねのまご科)植物
 
〈くまつづら科〉
 
コムラサキ(小紫,小式部コシキブとも,ムラサキシキブ属)
 わが国や中国の中・南部の山地や原野の湿地に自生する落葉低木で,ムラサキシキブに
 比べ全体的に小さく,庭木,鉢植え,切花用。高さ100〜150p,花は淡紫色で小さく,
 集散花序に密に付きます。花期は初夏。果実は密に集まり,秋に鮮やかな紫色に熟し
 ます。
 
ゲンペイクサギ(源平臭木,ゲンペイカズラ,ハリガネカズラとも,クサギ属)
 西アフリカ原産の半蔓性常緑低木で,明治中期に渡来。蔓を切り込んで鉢植えにして
 温室栽培。高さ4m,花は袋状の白い萼の中に緋紅色の筒状花冠があり,集散花序に付
 きます。花期は6〜7月。
 
ランタナ(七変化シチヘンゲ,コウオウカ,セイヨウサンダンカとも,ランタナ属)
 熱帯アメリカ原産の常緑小低木で,慶応3年(1867)と明治初年に渡来。花壇や鉢植
 え用。高さ30〜100p,花は中心から咲き,初めは黄色又は橙色,後に赤色か緋紅色に
 変わります。ほかに矮性種(高さ20p程)や,花が桃紫色のムラサキランタナもあり
 ます。
 
スパークル(バーベナ)(バーベナ属)
 南米原産のバーベナ5〜6種類の原種が交雑され,育成されてきた園芸品種(原種の
 多くは多年草ですが,栽培上は一年草扱い),花壇用。草丈20〜25pの匍匐性矮性種,
 花は輝紅色に中心に大きな鮮やかな白目の入る,対照的に美しい花が咲きます。花期
 は5月末〜降霜期まで。同じスパークル・タイプの品種には,濃赤紫に白目の入るスプ
 レンダー,また白目の入る各色の混合としてスパークル・ミックスがあります。
 
アプライト・レインボー(バーベナ)(バーベナ属)
 南米原産のバーベナ5〜6種類の原種が交雑され,育成されてきた園芸品種(原種の
 多くは多年草ですが,栽培上は一年草扱い)。草性,花形,花色など変化が多い。花
 期は春から晩秋まで。本種は矮性種で高さ20p内外,花は上部で咲き揃って,桃,赤,
 紫の美しい混合種で,草全体がよく整います。
 
アメジスト(バーベナ)(バーベナ属)
 南米原産のバーベナ5〜6種類の原種が交雑され,育成されてきた園芸品種(原種の
 多くは多年草ですが,栽培上は一年草扱い)。本種は1966年の作出で,高さ15〜25p
 の矮性種で,花が上部でよく揃うアプライト形,花は青色で宝石のアメジストを想わ
 せる美しい花です。
 
ブレーズ(バーベナ)(バーベナ属)
 今日のバーベナの園芸種は南米南部に原産する原種ペルビアナ,フロギフロラ,プラ
 テンシス,インキサなどが交配されて生まれたものとされています。園芸種ヒブリダ
 は全株に灰色の毛のある半耐寒性多年草ですが,園芸上は春又は秋蒔きの一年草とし
 て栽培されます。草丈30〜60p,花穂は春から秋にかけてでき,平たい散房花序に20
 〜30花を付けます。花色は赤,紫,白,帯黄など豊富です。本種は緋赤色の花を大き
 い花房に付ける早生種です。
 
ヒメビジョザクラ(姫美女桜,バーベナ・テネラ,ネバリビジョザクラとも,バーベナ
         属)
 南ブラジル,アルゼンチン原産の半耐寒性多年草で,明治26年に渡来。観賞用に花壇
 や鉢植え,グランドカバー用。高さ15〜30p,花径約8o,漏斗形の花が茎頂に散形
 花序をなして付き,後伸長して穂状となります。花色は紅紫,白,桃色など。花期は
 春〜秋。
 
〈しそ科〉
 
アジュガ・レプタンス(キランソウ属)
 欧州原産の多年草,グランドカバーや花壇の縁取り,ロックガーデン,鉢植え用。高
 さ20p程,花は普通暗紫色,淡紅色や白色もあり,穂状に咲きます。花期は春。品種
 には葉に白又は紅色斑入りバリエガタ,赤紫蘇のような葉のアトロプルプレア,緑,
 黄,紅色の3色の斑入りマルチカラーなどがあります。
 
レインボー・パゴダ(コリウス)(コリウス属)
 ジャワ島原産であった一年草で,1866年英国で育成され多数の園芸品種が生まれ,わ
 が国には明治中頃に渡来。観葉植物として花壇,吊鉢,プランター,また生花材料な
 ど。草丈40〜60p,花色は白又は紫紅色ですが,観葉のため摘み取ります。葉色は赤
 で後黄緑色となり,緑又は黄色の縁取りがあります。
 
フリンジ・ミックス(コリウス)(コリウス属)
 熱帯・亜熱帯アジア,オーストラリア,南太平洋原産の一年草で,フリンジ系は葉縁
 が波状の切れ込みになります。本種の葉色は赤,橙,桃の混合色。
 
ケアフリー・ゴールデン(コリウス)(コリウス属)
 C.blumeiの交配種で昭和55年に導入され,一年草として栽培。矮性で,葉はキクのよ
 うに葉縁が円味を帯びた鋸歯状になります。葉色は黄金色で緑色の縁取り。他の品種
 に葉色が赤銅で緑の縁取りのブロンズがあります。
 
セーバー・ローズ(コリウス)(コリウス属)
 C.b.var.salicifoliusの交配種で一年草タイプの固定種,昭和55年に導入。矮性で葉
 縁に切れ込みのある細長い葉が特徴です。本種は濃桃色に緑絞りがあります。他の品
 種に葉色が輝赤で暗赤緑のベルベット,葉の中心が明るい朱赤で全体が黄緑のパイナ
 ップルがあります。
 
フブキバナ(吹雪花,フブキバナ(イボーザ)属)
 南アフリカ・ケープタウン地方原産の低木状多年草で,明治末に渡来。温室内での鉢栽
 培。高さ100〜150p,葉には一種の臭気があり,花は小さく帯クリーム色の白色で,
 長さ30p程の円錐花序に付き,芳香性。花期(温室)は1〜4月。
 
バリエガタム(ラミアストラム)(ラミアストラム属)
 西欧〜イラン原産の直立性多年草で,本種はその斑入り園芸品種。観葉植物として鉢
 植え栽培。高さ60p位,茎は有毛,葉は長さ3〜7p,鈍鋸歯で銀色の斑入り。花は
 黄色で腋生。
 
ラベンダー(ヒロハラワンデルとも,ラバンジュラ属)
 地中海沿岸地方原産の常緑半低木で,文化年間(19世紀初め)頃には渡来していたと
 云われ,香水などの原料,また花壇の縁取りや鉢植えなど。高さ60p(葉長さ4p位
 ),花は淡紫色で穂状花序に輪生,芳香性。花期は5〜6月。白花種var.albahortも
 あります。
 
モルセラ・レービス(カイガラサルビアとも,カイガラサルビア(モルセラ)属)
 西アジアのシリア原産の一年草で,欧州には1570年に紹介,わが国には昭和初年に渡
 来。花壇や切花用,またドライフラワーや生花材料。高さ40〜80p,花色は白色で先
 端が桃色を帯びて小さく,芳香性。花は貝殻状に径3〜5pの緑色萼の中に咲き,各
 葉腋に密生します。花期は7〜9月。
 
タイマツバナ(松明花,モナルダ(ヤグルマハッカ)属)
 北米原産(ケベックからミシガン,南はジョージアまで分布)の多年草で,かなり古
 くに渡来。花壇や切花用。高さ50〜150p,花は緋赤色で茎頂に松明のような形に咲き
 ます。花期は6〜9月。本種の品種名はケンブリッジ・スカーレットです。
 
ネペタ・ムッシニー(イヌハッカ(ネペタ)属)
 コーカサス,イラン原産の多年草,花壇,ロックガーデン用。高さ30p,花は鮮青色
 に濃青の斑点が入ります。花期は夏。同属にわが国自生のミソガワソウや,調味料に
 用いるイヌハッカがあります。
[次へ進んで下さい]