20-2a しそ目(ひるがお科・はなしのぶ科・はぜりそう科・むらさき科・くまつづら科・しそ
   科・なす科・ごまのはぐさ科・ぐろぶらりあ科・のうぜんかずら科・ごま科・いわたば
   こ科・きつねのまご科)植物
 
ホオズキ(酸漿,カガチとも,ホオズキ(フィサリス)属)
 東アジアの温帯から暖帯に自生する多年草(栽培上は一年草),庭植えや鉢物,また
 果実は玩具,また根は漢方で鎮咳・利尿用。高さ60〜90p,花径1.5p,花は淡黄白色
 で中心が帯緑色,葉腋に咲きます。萼は短い筒状で浅く5裂し,花後は著しく大きく
 なり果実を包み,熟すと赤色になります。花期は6〜8月。
 
サルメンバナ(猿面花,朝顔煙草アサガオタバコとも,サルメンバナ(サルピグロッシス)属)
 チリ,ペルー原産の一年草で,明治12年に渡来。花壇,鉢植え用。高さ30〜60p,花
 径5〜6pで白,黄,紫,紅,赤褐色などの地色に,黄,青,紅,褐色を帯びた羽状
 や脈状の模様が入り,花弁はビロード状。花期は6〜8月。
 
ヒット・パレード(ムレゴショウ)(シザンサス(ムレゴチョウ)属)
 チリ原産の一年草で,明治末期に渡来。鉢植え用。高さ約20pの矮性種,花は蝶の形
 に似,頂生の円錐花序に多数付きます。花色は紫やピンク。花期は3〜5月。
 
ジャガイモ(ジャガタライモ,馬鈴薯バレイショとも,ナス(ソラヌム)属)
 南米ペルー原産の多年草で,1580年に長崎に渡来。18世紀になって食用としました。
 地下茎の先端が肥大して塊茎となり,茎は高さ60〜100p,花径2〜3p,花色は白又
 は淡紫色,上部の葉腋から花枝を出して数個付けます。花期は6月。
 
ツノナス(角茄子,フォックスフェースとも,ナス(ソラヌム)属)
 米国バージニア,テキサス原産の一年草で,昭和10年に渡来。生花材料。高さ約1m,
 茎に黄色い刺があり,花色は青色,花弁は細く殆ど線状,枝の頂点に3〜4花を群生
 します。花期は秋。果実は円錐形で大きく,黄色で光沢があり,基部に乳頭突起があ
 ります。
 
ナス(茄子,ナス(ソラヌム)属)
 インド原産の多年草(栽培上は一年草)で,わが国には中国から渡来(正倉院文書
 (750)による,中国では5世紀に栽培,欧州には13世紀に入る)。野菜として栽培。高
 さ60〜100p,花径3p位,花色は紫。花期は夏〜秋。果実は普通紫から紫黒色,稀に
 緑色,黄又は緑色の斑入りもあります。
 
ビッグ・ボーイ(ソラヌム)(ナス(ソラヌム)属)
 ブラジル原産の常緑低木フユサンゴの改良種で,明治28年に渡来。鉢植えや花壇。高
 さ100〜150p,花径1.5p位,白色の花を単生又は数個付けます。花期は夏から秋。果
 実は球形の液果で径2p,緑色から熟すと橙赤色になります(冬に室内観賞)。ほか
 の園芸品種では果実が白から紅色に変化するものもあります。
 
〈ごまのはぐさ科〉
 
アロンソア・ワルセウィッチー・コンパクタ(アロンソア属)
 ペルー原産で,明治末に渡来したベニゴチョウの矮性種(栽培上一年草扱い),花を
 観賞するために花壇,鉢植え栽培。花は暗緋紅色。花期は4〜5月。
 
トール・ミックス(キンギョソウ)(キンギョソウ(アンチリナム)属)
 キンギョソウは南欧,北アフリカ原産の多年草(栽培上は一年草扱い)で,江戸時代
 末期に渡来。花壇,鉢植え,切花用。高さ20〜120p,花冠は長さ4〜6p,花は紫赤
 色で仮面部は普通黄色,花期は4〜6月。本種は草性の露地用高性種で,高さ90〜120
 p,夏咲きの長日性で側枝が多く,花穂が大きい。花色は黄のほか,紫赤,白色など。
 
フローラル・カーペット(キンギョソウ)(キンギョソウ(アンチリナム)属)
 地中海沿岸原産のmajusとピレネー原産で匍匐性のmolle,スペイン山地原産の矮性の
 glutinosumとの種間交配から矮性のキンギョソウが生まれました。後に花壇用の極矮
 性種マジック・カーペットや,一代雑種のフローラレ・カーペットがわが国で育成され
 ました。本種(栽培上一年草扱い)は草丈15〜20p,株張り30pの半球状の矮性種で,
 基部分枝が特に多く多数の短い花穂を立て,花のカーペットのようになり,花色は赤,
 桃,白,またその混合があります。花期は夏。
 
リトル・ダーリン(キンギョソウ)(キンギョソウ(アンチリナム)属)
 南欧,北アフリカの地中海沿岸地方原産の多年草(一代雑種で栽培上は一年草扱い)
 で,江戸末期に渡来。花壇や鉢植え。草丈30pの矮性種。花は上下の唇弁は平らに開
 き,上向きに咲くペンステモン咲きで,花色は混合。花期は4〜6月。
 
コウカ(キンギョソウ)(紅華,キンギョソウ(アンチリナム)属)
 南欧,北アフリカ地中海沿岸地方原産の多年草(一代雑種で栽培上は一年草扱い,耐
 寒性),花壇,切花用で極早生。。中晩生には雪姫があります。
 
マルチフロラ・デライト(カルセオラリア)(キンチャクソウ(カルセオラリア)属)
 中南米原産の一年草カルセオラリアのマルチフロラ系一代交配品種で,わが国で作出
 された小輪多花性品種,鉢植え用。草丈20〜25p,花は袋状で緋赤色,黄色地に赤色
 斑,純黄色など,多数咲かせます。花期は3月中旬から。
 
チェロン・リオニイ(ジャコウソウモドキ,リオンとも,チェロン(ジャコウソウモドキ
         )属)
 米国カロライナ,ヴァージニア,テネシーなどの山地原産の多年草,主に切花,花壇
 や鉢植え。高さ80〜100p,茎は四角,花は長さ2〜3p,淡桃紫色,包に微細な毛が
 あります。近似種に花が白か多少桃色を帯び,包に毛のないチェロン・グラブラがあり
 ます。花期は5〜6月。
 
ツタカラクサ(蔦唐草,シンバラリア属)
 ドイツ,フランス,スイス原産の多年草で,大正の初めに渡来。花壇,ロックガーデ
 ン,鉢植え。茎は蔓性で匍匐して長さ60〜100p,花の長さ8o,花はライラック青色
 で喉部は帯黄色。花期は春から秋(鉢物などは冬でも開花)。変種に白花アルバ,匍
 匐しないクロボーサがあります。
 
ジギタリス・プルプレア(キツネノテブクロ(ジギタリス)属)
 西・南欧原産の耐寒性二年草で,明治12年に渡来。強心剤など薬用,また花壇栽培。
 高さ100〜150p,花は紅紫色で濃色の斑点があり,長さ30〜60pの総状花序に付きま
 す。花期は6〜7月。今日の園芸品種は主に本種が改良されたもので,他種との雑種
 が多い。例えばドイツ・スイス・アーストリアの山地の原産で黄色で斑点のないキバ
 ナジギタリスがあります。
 
エリヌス・アルピヌス(岩唐草イワカラクサとも,エリヌス属)
 ヨーロッパ・アルプス・シュラ山(海抜1000〜2000mの石灰岩地帯)原産の多年草で,大
 正初年に渡来。鉢植えやロックガーデン用。高さ10〜15p,花径1p位,花は紫桃色,
 7p位の花序に付けます。花期は4〜6月。
 
ローズ・クイーン(ヘーベ)(ヘーベ属)
 ニュージーランド原産の半耐寒性の常緑低木(H.andersonii)で,昭和40年に渡来。
 花壇,鉢植え,切花用。高さ1.2〜1.8m,花は小さな五弁花,花色は桃赤色,ウツギの
 ような長い花穂に密に付きます。花期は3〜4月。花色が青,白,赤,紫色など多く
 の品種があります。
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