10-1b ばら目(べんけいそう科・ふくろゆきのした科・ゆきのした科・まんさく科・すず
かけのき科・ばら科・まめ科)植物
スグリ(須具利,スグリ属)
本州中部原産の落葉低木で,果実をジャム,ゼリーなどに加工する。高さ1m程度,5
月に白い花が咲きます。欧州産のセイヨウスグリや米産アメリカスグリもあります。
アカフサスグリ(赤房須具利,カーラントとも,スグリ属)
欧州西北部原産の直立性落葉低木で,明治初年に渡来。庭木として観賞。高さ1.5m位,
棘はない。花期は4〜5月,花は黄緑色,果実は赤色の小形の液果で食用。ほかに黒
色種のクロフサスグリなどがあります。
ユキノシタ(雪下,ユキノシタ属)
わが国,中国原産の常緑多年草で,薬用として栽培,新葉は食用とし,また庭の下草
や鉢植えに用いられます。全株長毛に覆われ,花期は5〜7月,花茎を抽出し円錐花
序に白色五弁花を多数開きます。変種に白色斑のフイリユキノシタがあります。
ヨウシュクモマグサ(洋種雲間草,コケクモマグサとも,ユキノシタ属)
欧州北部原産の多年草で,大正初期に渡来。観賞用としてロックガーデンや鉢植えに
します。花期は5〜6月,高さ8〜15pの花茎を抽出し,花径2p位の花を集散花序
に2〜10輪開きます。花色は白色,帯黄白色,淡紅色などがあります。近似種に早春
に白色花を開くS.hypnoidesがあります。
ピギーバック・プラント(トルミエア属)
米国西部のカリフォルニア原産の多年草で,観葉植物として鉢植え。全株有毛,高さ
30〜60p,花は帯紫緑色の筒状花で総状花序に下向きに開きます。
〈まんさく科〉
ヒュウガミズキ(日向水木,ヒメミズキとも,トサミズキ属)
中部・近畿地方の山地に多く自生する落葉低木で,庭木,切花,盆栽用。高さ2〜3
m,花期は3月上旬,花は淡い黄色で,2〜3個の短い穂状になり,葉に先立って枝一
杯に咲きます。
トサミズキ(土佐水木,トサミズキ属)
四国の山地に自生する落葉低木で,庭園樹,生花,盆栽に用います。高さ2〜3m,花
期は3月下旬,花は淡黄色で7〜8花が下垂し,葉に先立って咲きます。
フォサーギラ・メジャー(フォサーギラ属)
米国東部のアレガイニ山脈原産の耐寒性落葉低木で,庭木,公園樹用。花期は5月,
穂状花序をなし,花は白色で雄蘂はブラシ状となり芳香があります。葉は秋に橙から
紫赤色に色付きます。
マンサク(満作,マンサク属)
全国の山地に自生する落葉小高木で,庭木,盆栽,生花などに用います。高さ10m,花
期は2〜3月,葉に先立って鮮黄色の花が咲きます。花色の変わった園芸品種が多い。
ニシキマンサク(錦満作,マンサク属)
マンサクの一品種で,京都府由良川上流に自生する落葉小高木,庭木,盆栽,生花用。
高さ10m位,花期は2〜3月,花弁の基部が帯紅紫色,先は黄色,葉に先立って花を付
けます。
アメリカマンサク(マンサク属)
北米原産の落葉低木で,明治末頃に渡来。主に庭木として栽植。高さ2〜5m,葉は秋
に黄葉します。花は晩秋落葉後に,萼内面が暗褐黄色,鮮黄色で基部が帯赤色の,細
花弁4枚を有する花を,枝上の短花柄に付けます。変種に淡黄色花のvar.pallideaが
あります。
〈すずかけのき科〉
カエデバスズカケノキ(楓葉鈴懸木,モミジバスズカケとも,スズカケノキ属)
スズカケノキとアメリカスズカケノキの交配種(落葉高木)で,明治末期に渡来。街
路樹,公園樹として栽植。花は晩春に球状に集めて咲きます。
スズカケノキ(鈴懸木,スズカケノキ属)
欧州南東部,西アジア原産の落葉高木で,明治40年頃渡来。街路樹,公園樹など広く
用いられます。花は4,5月に球状に集めて咲きます。
〈ばら科〉
ザイフリボク(采振木,シデザクラ,ニレザクラとも,ザイフリボク属)
わが国原産の落葉低木で,庭園,公園に栽植,また盆栽や生花材料用。高さ3〜5m,
花期は4〜5月,散房状総状花序に白色五弁花を10輪位開きます。
アメリカザイフリボク(ザイフリボク属)
米国のオレゴン,ワシントン州原産の落葉低木で,庭園樹,公園樹として栽植。高さ
3m位,花は5月頃,総状花序に白色小花を数花付けます。変種に秋の黄葉が特に美し
く観賞価値の高いvar.floridaがあります。
ヤマブキショウマ(山吹升麻,ヤマブキショウマ属)
北米,カラフト,わが国原産の耐寒性多年草で,A.silvesterの変種。主に庭園に栽
培。高さ1〜1.2m,7月頃茎頂に円錐様総状花序を出して白色小花を多数着生します。
近似変種に草丈40p位のミヤマブキショウマがあります。
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