0207植物の科名いろいろ [マ]〜[モ]
 
                      参考:小学館発行「万有百科大事典」
 
[マ]
マオウ科 
 裸子植物と被子植物の中間形態をなす、1科1属。低木で、根茎は木質で分枝し、茎
 には関節がある。葉は対生し、鱗状に退化する。雌雄異株又は同株。果実は肉質又は
 液果状集合果で、紅色をなす。南ヨーロッパ、北アフリカ、熱帯アメリカ、アジアに
 約30
 種あり、多くは乾燥した砂地に生える。
 
マタタビ科 双子葉植物離弁花類
 高木、低木又は蔓性の木本。葉は単葉で互生し、托葉はない。花は両性又は雑居性、
 稀に雌雄異株。花は腋生し、萼片、花弁共に5個、雄蘂は多数で離生、又は花冠に合
 着し、葯は丁字状に付く。子房は多心皮が合生し、5〜多室からなり、花柱は離生、
 又は上方まで合着する。果実は液果又は朔(草冠+朔)果で多数の種子がある。世界
 に4属280種、主として熱帯に分布し、わが国には蔓性のマタタビ属だけが自生する。
 
マツ科 裸子植物
 常緑、稀に落葉の高木又は低木。葉は針状又は線形で、螺旋ラセン配列をする。花は多く
 は雌雄同株で、雄花は多数の鱗片からなり、鱗片は下面に多数の雌蘂が付き、葯室は
 2個、雌花の鱗片も多数あって、その内側に2個の倒生胚珠がある。球果の鱗片は多
 数木質となり、多くは有翼の種子を抱く。世界に9属(モミ属・トガサワラ属・ツガ属・
 トウヒ属・カラマツ属・ヒマラヤスギ属・マツ属・シマモミ属・イヌカラマツ属)200余種
 があり、主として北半球に自生する。
 
マメ科 双子葉植物離弁花類
 草本、低木又は高木で、直立するか或いは蔓になる。葉は多くは互生し、複葉(3出・
 羽状・掌状)をなし、托葉はあるものとないものとがある。花は両性で、普通左右相称
 をなし、蝶形花冠となるが、放射相称のものもある。萼は筒状で先が5裂する。花冠
 は離生し、5弁花からなるが、稀には単弁に退化し、また無弁になる。雄蘂は一般に
 10個で、単体又は両体雄蘂ユウズイとなり、ときには多数となる。雌蘂は1個で、子房は
 上位、1心皮1室で、側膜胎座がある。果実は豆果、節豆果、ときには袋果状になり、
 裂開しないものもある。種子の胚は大きく、胚乳はないか、極めて貧弱である。世界
 に約550属約1万3000種が知られ、わが国には41属100種が自生する。
 花の作りから、花は放射相称で、蕾のとき、萼片、花弁が敷石状になるネムノキ亜科、
 花は左右相称で、蕾のとき萼片、花弁が瓦状に重なり、花冠が蝶形になって花弁の重
 なりが下向きになるミヤコグサ亜科、花冠が蝶形にならず、花弁の重なりが上向きに
 なるジャケツイバラ亜科に分類される。この形質を重く見て、これらを独立の科とす
 る学者もある。
 
マンサク科 双子葉植物離弁花類
 落葉又は常緑の木本植物。葉は互生し、単葉で普通托葉があるが、稀にないものがあ
 る。花は小頭状又は穂状花序。両性又は単性花で、普通萼片、花弁、雄蘂は4〜5個
 であるが、花弁のないものもある。心皮は2個、朔(草冠+朔)果は木質で堅く、2
 裂する。旧世界の暖帯、亜熱帯に23属150種が知られ、わが国にはマンサク属、トサミ
 ズキ属、トキワマンサク属、マルバノキ属、イスノキ属が自生する。花木としてマン
 サク・トサミズキ・ヒュウガミズキ・トキワマンサクなどが庭に植えられ、中国原産のフ
 ウや北アメリカ原産のモミジバフウも庭木や街路樹として植栽される。
 
[ミ]
ミカン科 双子葉植物離弁花類
 多くは低木又は高木で、ときに草本もある。葉は単一又は複葉で、透かして見ると半
 透明の油点があり、托葉はない。花は両性で、稀に単性のものもある。萼片と花弁は
 4〜5個あり、雄蘂は花弁と同数又は2倍、稀に多数ある。花盤が発達し、その上に
 子房があり、心皮は合生して4〜5室で、ときに心皮の下部又は全部が離れる。各室
 に1〜2個の胚珠がある。果実は液果か核果又は朔(草冠+朔)果である。世界の温
 帯から亜熱帯に140属1300種余りが分布し、特にオーストラリア及び南アフリカに多
 い。わが国には8属12種が自生する。果樹として、また薬用や精油原料となる多数の
 有用植物が栽培されている。ミカン属にはレモン・ザボン・ダイダイ・ウンシュウミカン
 など、果物の種類が多い。また、その他の属にはキハダ・サンショウ・ゴシュユなどの
 薬用植物がある。
 
ミズキ科 双子葉植物離弁花類
 高木か低木で稀に草本がある。葉は単葉で対生か又は互生する。花は両性或いは雌雄
 異株で、整正な小花が円錐花序、総状花序、又は頭状に集合する。花弁は4〜5個、
 雄蘂は同数で互生する。花柱は単一か、又は分裂し、子房は下位で1〜4室ある。果
 実は核果又は液果である。主として北半球の温帯に分布し、約15属100種があり、わが
 国にはミズキ属・ヤマボウシ属・アオキ属・ハナイカダ属が分布する。
 
ミソハギ科 双子葉植物離弁花類
 草本又は木本で、葉は対生又は輪生し、托葉は極小さいか欠如する。花は両性花で放
 射相称をなし、萼は筒状、花弁は萼筒の喉コウ部に着き、4〜6数性か又は欠如する。
 雄蘂は4個、6個、或いは12個、子房は上位で2〜6室、種子に胚乳がなく、胚は曲
 がらない。世界には約22属500種あり、わが国には4属12種が自生する。著名なものに
 中国原産のサルスベリがある。
 
ミツバウツギ科 双子葉植物離弁花類
 高木又は低木で、葉は対生し、3小葉又は羽状の複葉をなす。萼、花弁及び雄蘂は各
 5個あり、子房は2〜3室で上半部は離れている。果実は朔(草冠+朔)果又は液果
 を結ぶ。主に北半球の温帯に約5属30種が分布し、わが国にはミツバウツギ属1種、
 ゴンズイ属1種、ショウベンノキ属1種が分布する。
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