「お灸」 参考:「せんねん灸のいろは」
 
〈お灸とは〉
 そもそもお灸は、東洋医学に基づく治療法です。
 お灸には、薬草の有効成分と温熱刺激の両方の効果があり、その働きが自然治癒力(免
疫力)を活性化させ、身体を様々なトラブルから回復させるように手助けをします。
 
〈ヨモギは天然ハーブ〉
 世界中で活躍しているヨモギは、欧米でも「東洋ハーブ」と呼ばれ親しまれてきまし
た。ヨモギは捨てるところがなく利用出来る優秀な薬草です。葉の部分は止血、強壮、
鎮痛等に効くと古くから愛用されてきました。昔は傷口にヨモギを貼って傷を治したと
云われています。それは、主成分のシネオールと云う精油(エッセンシャルオイル)が、
雑菌の繁殖を抑え、カフェタンニンが傷口の炎症をやわらげるからです。
 また、クロロフィルも大変豊富に含まれており、胃腸の働きを活発にし、血行・新陳代
謝の促進、抗アレルギー作用、脱臭効果もみられます。そのため、冷え性、生理痛、美
肌づくりにも注目されているのです。そして葉の裏側に生えている銀白色の柔毛がモグ
サになります。
 
〈お灸の仕組み〉
 お灸をすえると、温熱により皮膚下の蛋白質が変成して、ヒストトキシンと云う化学
物質などが発生します。同時にモグサに含まれているヨモギ精油の浸透作用で、白血球
が増加し、血液をアルカリ性に傾けるのです。血液には、体内の組織・器官にエネルギー
を運び、そこから老廃物を運び去ると云う大切な働きがあります。お灸=身体を温める
ため、お灸をすえると血行が盛んになり、エネルギーと老廃物の循環がスムースになる
ように促すために、身体の自然治癒力を高めるのです。
 
〈お手軽なせんねん灸〉
 せんねん灸は、良質のモグサを和紙で柔らかく巻き上げて作られています。ヨモギか
ら作られたモグサは、ゆっくりとツボを温め、モグサに含まれている精油(有効成分)
が皮膚、そして内部組織へと浸透していきます。
 お出かけのときには、何処でも何時でも出来る、火を使わないお灸が便利です。
 
〈初めてお灸をする方〉
 初めてお灸される方は、手の甲の親指と人差し指との間のある窪み「合谷ゴウコク」と云
うツボで試してみましょう。
 強く熱さを感じたときは、少しずらすか、すぐに取り除いて下さい。
 熱さを感じたときに、「これなら大丈夫!」と納得したら、本格的に始めて下さい。
 
 「合谷」は、胃腸が弱っているとき、肩こり、ストレス、眼精疲労に効果的です。
 初めてお灸をする方や、お肌の弱い方は、温熱の弱い「お灸」から始めましょう。
 
〈ツボは、こうして見つけよう!〉
 @まず、身体の力を抜いて深呼吸しましょう!
 A呼吸が整ったら、気持ちを楽にして、痛い・だるい……等の気になる部分の周辺を軽
く押してみて下さい。
 B痛かったり、気持ちが良かったり、何らかの反応があれば、そこがツボです。
 
〈お灸を使用できない方〉
 @発熱している方
 A使用中に、自らの意思によりお灸を取り外せない方
 B打撲・捻挫などで患部に熱がある方
 C使用部分に、化膿・湿疹・腫れがある方
 
〈次の方は、医師又は薬剤師に要相談〉
 @アレルギー性肌(発疹・発赤・かゆみ・かぶれ等)の方
 A妊娠中の方
 B現在、医師の治療を受けている方
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