06a スパイス・ハーブ・香味野菜
 
△香味野菜
 香味野菜は、素材の臭みを取ったり風味付けに貴重です。普段何気なく使っている見
慣れた野菜たちも、意外な効果が隠れています。
 
 香りが特徴的な野菜を、香味野菜と称します。ニンニクやショウガ、パセリなどは普
段の食生活でもその香味効果を十分利用していますが、タマネギやニンジンも香味野菜
に入ると聞きますと、意外な感じがするのではないでしょうか。これらはポピュラーな
野菜だけに用途は広く、非常に多くの素材を燻製にする上で効果的に使われています。
 
 ここに登場する香味野菜は、現代のわが国の日常の食事で普通に使われているものば
かりです。そのためそれぞれの独特の香味に慣れており、親しみやすい点が特徴と云え
ましょう。また、スパイスやハーブは乾燥した状態でないと入手しにくいものですが、
香味野菜の場合は何処ででも手軽に入手でき使いやすい。
 また世界的には、かなり古い時代からその効果が知られていたものが多い。例えば、
ニンニクは中央アジアが原産ですが既にギリシア・ローマ時代から万能薬として使用さ
れていたようで、特に肉を食べる民族の間では早くから食されていました。セロリは地
中海沿岸の原産で、古代エジプトでは薬用にされていたと云います。同じく地中海沿岸
原産のパセリは、古代ローマやギリシアでお祝いの花飾りに使われていたとか。
 香味野菜は新鮮なもの程香りが強く、効果的です。古いものは避けるよう注意しまし
ょう。また、レモンは野菜ではありませんが、ここでは香味野菜の中で紹介します。
 
▲ニンジン
 ニンジンは中央アジア原産で、現在の主流は欧州系の甘味の強い品種。円やかな香味
を持ち、燻製のブレンドピックル液には不可欠。
▲タマネギ
 タマネギは刺激臭と酸味があり矯臭作用に優れ、非常に多くの燻製に用いることが出
来る。特に牛、豚、カジキ、クジラなどに合う。
▲パセリ
 パセリは地中海地方原産。微塵切りや乾燥して使うほか、茎を干してブーケガルニに
使うと良い。牛肉と相性がいい。
▲セロリ
 セロリの葉の部分を使うが、独特の強い香りを持つ。肉・魚と広範囲に利用されるが、
他の香辛料ミックスするとき、セロリだけが目立たないよう注意。
▲ジンジャー
 ジンジャー(ショウガ)は、生で擂り卸したりスライスして用いる。甘い芳香、刺激
性の香り、強い辛味作用があり、生臭みを消すのに効果的。肉にも魚にも。
▲ニンニク
 ニンニクは、強い香りと味を持ち矯臭作用に優れるほか、殺菌作用もあり、燻製作り
には欠かせない。乾燥したものは生より香りが弱い。肉、魚全般に。
▲レモン
 レモンには爽やかな香りと酸味があり、素材をピックル液に漬け込む際に適量を用い
る。多すぎると苦味が出るので注意。

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