05b 里の実
 
カリン [花梨・花櫚]バラ科
 旬の姿 ごつごつした実が黄色くなると,表面に艶が出るので,この頃に採る。
 採取の適期 10月
 分布 中国原産で,寺社の境内などに植えられている。
 採り方 捻って採る。
 食べ方 良い香りがするが,果肉は堅く生食は不向き。熱湯に3分入れると表面に蜜
  が出,これを輪切りにして焼酎に漬ける。この果実酒は喉の薬としても喜ばれる。
 
マルメロ バラ科
 旬の姿 カリンに似て黄色に熟すが,マルメロには独特の強い香りがあり,表面は綿
  毛で覆われている。
 採取の適期 10月
 分布 中央アジア原産で,本州中部地方など涼しい処で栽培されている。
 採り方 綿毛を取らないように捻って採る。
 食べ方 皮を剥いて輪切りにし,ジャムにしたり,砂糖で煮て砂糖漬け,洋酒の香り
  付けなどに用いる。
 
ウメ [梅・烏梅 むめ]バラ科
 旬の姿 黄色に熟す前の緑色のときに収穫して利用する。
 採取の適期 6〜7月
 分布 中国中部原産で,本州以南で栽培されている。
 生育環境 梅林や庭に植えられる。
 採り方 傷付きやすいので,丁寧にもぎ採る。
 食べ方 緑色の実は生食せず果実酒に,黄色味のものは梅干しにする。
 
ハマナス [浜茄子 はまなし(浜梨)]バラ科
 旬の姿 棘だらけの枝先に橙色のトマトに似た実が出来る。実の柄が曲がって下を向
  き,ねっとりとした果肉が入っている。
 採取の適期 9月
 分布 北海道・本州北部
 生育環境 原生花園と呼ばれるような海岸の草原に群生する。
 採り方 軍手をして棘の間から熟した実を採る。
 食べ方 先端の堅い部分を除いてジャムにする。採ったらその場で口に入れると,ね
  っとりと甘い。
 
サンザシ [山査子]バラ科
 旬の姿 小さなリンゴのような実を鈴なりに付け,真赤に熟す。中国ではいろいろ加
  工されて食べられ,ヨーロッパでは葉が心臓に効く薬として利用される。
 採取の適期 10月
 分布 中国中南部原産で,薬用木として朝鮮から渡来し庭などに植えられる。
 採り方 むしり採るより,鋏で切り採る方が良い。
 食べ方 生食しないで,丸ごと砂糖で煮て,菓子にすると酸味が利いて美味,中の種
  子はすこぶる堅い。ジャムやゼリーにするのもよく,果実酒の美味しい。
 
ウグイスカグラ [鴬神楽]スイカズラ科
 旬の姿 赤紫色の美しい小花がびっしり咲くが実止まりは悪い。長い柄の先に楕円形
  の小さな実が着き,中の種子が透けて見えるように赤熟すると食べ頃で,甘酸っぱ
  い。
 採取の適期 7月
 分布 本州・四国
 生育環境 明るい林や草原に生える。
 採り方 潰さないように一粒ずつ採る。柄を付けたまま採ると,器に盛ったときに姿
  もよく可愛らしい。
 食べ方 生食が美味しく,ジャムにもする。
 
ナツグミ [夏茱萸 ぐみ]グミ科
 旬の姿 夏に熟し,楕円形の実に2〜5pの柄が付き,黄色から透き通るような赤色
  になれば食べ頃。
 採取の適期 7月
 分布 本州(関東・中部地方)
 生育環境 明るく開けた林の縁などに生える。
 採り方 触ってみて,柔らかい実を採る。
 食べ方 生食し,渋味はあるが甘味は強い。
 
ナワシログミ [苗代茱萸 ぐみ]グミ科
 旬の姿 枝は蔓状に伸びるが絡み付くことはない。花は秋に咲き,翌初夏に褐色に熟
 す。実には花柱の先が短く残っている。
 採取の適期 5〜6月
 分布 本州中部地方以西・四国・九州
 生育環境 林の縁や草原に生える。
 食べ方 渋味が強いが食べられる。生食,果実酒にする。
 
オオバグミ [大葉茱萸 まるばぐみ]グミ科
 旬の姿 枝が蔓性で葉裏が銀白色,実は数個ずつ固まって着き,柄は1〜2p,秋に
  開花し翌春熟す。
 採取の適期 4月
 分布 本州〜沖縄
 生育環境 海岸などに生える。
 採り方 柔らかい実を採る。
 食べ方 渋味は強いが生食出来る。
 
マルバアキグミ [丸葉秋茱萸]グミ科
 旬の姿 落葉低木で枝は長く伸びて地を這うこともある。立性のアキグミの変種。
 採取の適期 10月
 分布 本州・四国・九州
 生育環境 海岸近くに生える。
 採り方 鈴なりになり,採りやすい。
 食べ方 果実酒にする。
 
ビックリグミ [びっくり茱萸]グミ科
 旬の姿 園芸品種でびっくりする程実がなると云うが,花は咲いても,実はなかなか
 なりにくい。赤く柔らかく熟すと食べられる。
 採取の適期 6月
 採り方 一粒ずつ採る。
 食べ方 渋味が弱く,ぬるりとして甘い。
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