33 日本名庭100選〈別選東日本〉
 
          日本名庭100選〈別選東日本〉
 
   凡例:@所在地 A文化財指定名称 B作庭時期 C作庭者 D管理者・所有者
 
17  盛美園
 @青森県尾上町 A名勝 B清藤氏・小幡亭樹 C明治27年 D清藤氏
 盛美園は,津軽平野の,四季の移り変わる美しい田園風景を「借景」としてつくられ
た,本間氏庭園と並ぶ,明治期の東北の和式庭園の傑作です。
 よくこの盛美園の借景を,奈良の慈光院,京都の円通寺と並べて,その代表美としま
す。盛美園のような狭視的な借景を「見透型」といい,同じ明治期の代表庭園である京
都の無鄰庵に見る東山の借景と同じ方法です。
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18  本間氏庭園
 @山形県酒田市 A― B文化10年 C本間光道 D財団法人本間美術館
 酒井藩主酒井公の城下町にての御休憩所として作庭したといわれています。南北に細
長な池泉に鶴島・亀島を置き,これに木橋と八ツ橋状の筋違い橋を架けて廻遊の楽しさ
を演出しています。
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19  会津松平氏庭
 @福島県会津若松市 A名勝 B元禄9年 C松平氏・目黒浄定 D会津保松会
 会津松平氏庭は「会津のお菜園」として知られ,園内の1/3を占める薬用植物園は
会津藩の本草学のメッカにしました。大名庭の廻遊式庭園で,周囲の景色を借景として
います。
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20  南湖庭園
 @福島県白河市 A史跡・名勝 B江戸中期 C松平定信 D白河市
 南湖庭園は,本稿で紹介します池泉庭園のうちで最も大きいもので,人工をあまり加
えない,民衆の保健娯楽を築造目的としています。楽翁こと松平定信は,形式的な造園
を打破し,自然主義を唱え,この南湖にその理想を実現しました。
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21  水戸偕楽園
 @水戸市 A特別名勝史跡 B天保年間 C徳川斉昭 D水戸市
 偕楽園は,わが国の近世庭園の中で,最も自然順応に徹して築かれたもので,池泉や,
大規模な立石・石組などは全く無く,中心たる好文亭を軸にして,園内の梅林と松林を
廻遊し,その周囲の自然景観を味わうことを主眼にしています。眼下には碧水渺茫たる
千波沼,北に常盤山の樹林,遠く筑波の山なみなどは,中国の西湖を写したということ
を物語っています。
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22  古河庭園
 @東京都北区 A都名勝 B明治〜大正 Cジョサイア・コンドル・小川治兵衛
 D東京都
 中心はジョサイア・コンドル博士の手による館と花壇庭園,その東側,2棟の茶亭と
その露地,さらに書庫より丘陵斜面につくられた庭,そして広大な池とその周囲の林泉
園です。ルネッサンス風な西洋庭園と,純日本式林泉園とがうまく溶け合っています。
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23  芝離宮庭園
 @東京都港区 A国史跡 B江戸中期 C― D東京都
 ここ旧芝離宮は「潮入り庭」で,浴恩園,浜離宮とともに潮入り三名庭の一つです。
この形式は海水を庭内に引き込んで,海魚を池に導き,潮の満ち干によって池の水位は
上下して動きのある林泉園を形成するものです。
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24  六義園
 @東京都文京区 A特別名勝 B江戸中期 C柳沢吉保 D東京都
 六義園の名称は,中国の詩集「毛詩」にある風,賦,比,興,雅,頌の六義に由来し
ます。吉保はその著「六義園記」のなかで,「むくさのその」と読ませ,園内の名物を
中国の故実,和歌の歌枕より採って名付けました。四方形の池を廻遊する形式で,水は
「千川上水」を引き入れ,庭石や植木は全国から集めたものです。
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25  浜離宮庭園
 @東京都中央区 A国特別史跡・特別名称 B江戸初期 C― D東京都
 浜離宮は2ケ所から塩水を引き入れ,海魚が池に棲息し,その中島には粋をこらした
臨池式の茶屋が浮かんでいた。池淵には岩組,飛石,置燈篭を組み上げて,潮の満ち引
きによって,その景観が変わる「動の美」を完成させたものです。
 現在の中島茶屋に名物「郷つたい橋」が架かります。その屈曲する橋の欄干が水面に
映える様子は,この広濶な潮入り池をもってしなければ,存分な美しさは望めないもの
です。
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26  安田庭園
 @東京都墨田区 A― B江戸初期 C― D墨田区
 安田庭園はもと大名庭園にはじまる,小じんまりとして,まとまりのある泉と島をも
って構成する廻遊式庭園です。中心となる滝口より滝石組に滔々と水が落ち,江戸の昔
と同じく,潮入り池が(現在は人工の)満潮,干潮に泉水の高低をつくっています。
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27  清澄庭園
 @東京都江東区 A― B江戸中期・明治初年 C岩崎弥太郎・磯谷宗庸 D東京都
 清澄庭園は,幕府の下屋敷であったが,その後弥太郎が取得し,全国各地から奇石,
珍石を収集し,隅田川から水を引き入れ,江戸時代の林泉庭園をそのまま受け継ぎまし
た。広大に泉水,枯山水石組,いろいろな燈篭などが観賞のポイントです。
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28  江戸城の庭
 @東京都千代田区 A―(宮内庁) B江戸初期 C小堀遠州ほか D宮内庁
 江戸城(の庭)の旧態を存するものは,山里曲輪の一部と,皇居吹上庭のみにすぎま
せん。近年に北の丸公園に池泉廻遊式庭園,旧二の丸庭の復興などがされています。
 江戸城の庭は遠く太田道潅からはじまり,徳川政権下で家康の命を受けた小堀遠州が
吹上庭,山里曲輪,二の丸庭,三の丸庭,本丸西の丸の御殿の坪庭,書院前庭などを造
営したようです。
[皇居の参観] [特別史跡江戸城]
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29  伝法院庭園
 @東京都台東区 A― B江戸初期 C― D浅草寺伝法院
 伝法院庭園は,東京都区内における本格的な寺院書院前庭遺構としては唯一のもので
す。大きな池泉,立石技術の塾達した枯滝石組,優雅な池泉廻遊式などが観賞のポイン
トです。
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