[長走風穴高山植物群落・芝谷地湿原植物群落]
国指定天然記念物
[長走風穴高山植物群落]
大館市街から北へ15q、国道7号沿いに[長走風穴高山植物群落(標高160〜180m)]
があります。ここの風穴は、国見山から崩壊した岩石が堆積してできた累積型風穴で、
石の間から冷気が吹き出しています。
真夏に外気温度が30℃前後であっても、5〜6℃の冷気が吹き出すため、周辺の植生
とは異なり、標高1,000m付近と同様の高山植物が生育しています。
なぜ風穴現象が起こるのか、四つほどの説があり、未だに定説がありません。ここの
風穴については「崩壊した岩石が堆積してできた風穴のため、内部に無数の隙間があり、
冬の間に山の下から上に冷たい外気が送り込まれて氷を作り、夏にはこれによって冷え
た空気が下に流れ出ている」という説が有望です。
風穴現象を利用して倉庫、つまり天然の冷蔵庫として使われました。昔は7個ほどの
風穴倉庫を、主に農作物の保管などに利用していました。
△長走風穴の主な植物
オオタカネバラ バラ科 花期は初夏
コケモモ ツツジ科 花期は初夏
ゴゼンタチバナ ミズキ科 花期は初夏
ヤナギラン アカバナ科 花期は初夏から夏
ナンブソウ メギ科 花期は初夏から夏
ベニバナイチヤクソウ イチヤクソウ科 花期は初夏から夏
エゾリンドウ リンドウ科 花期は秋
国指定天然記念物
[芝谷地湿原植物群落]
大館市街から北へ6q、国道7号沿いに[芝谷地湿原植物群落]があります。北東か
ら南西にかけて丘が取り巻いており、外部とは隔離されています。この芝谷地湿原は、
この地方にごく普通にあった低地湿原でしたが、こうした湿原は水田耕作や宅地造成の
ため急速に消失して行きました。そのため現在では、人為的影響のない貴重な湿原とな
っています。
芝谷地湿原では、学術上価値の高い湿原植物が自生しており、場所によって植生が異
なっています。更に、食中植物の多いのもこの湿原の特徴です。また、ハッチョウトン
ボを始めとして多くのトンボや、水辺の動植物・野鳥・小動物などが手軽に観察できま
す。
湿原区域に張り出した観察用の「トンボデッキ」があり、いろんなトンボや水際の植
物などを、間近に観察できます。
△芝谷地の主な動植物
ハッチョウトンボ トンボ科 不均翔亜目のトンボとして世界最小、体長15o
ノハナショウブ アヤメ科 花期は初夏
モウセンゴケ(食中植物) モウセンゴケ科 花期は夏
ミミカキグサ(食中植物) タヌキモ科 花期は夏から秋
ザゼンソウ サトイモ科 花期は春
ミズトンボ ラン科 花期は夏
サギソウ ラン科 花期は夏
トキソウ ラン科 花期は初夏
お問い合わせ 大館郷土博物館 TEL 0186-48-2119
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