学名解説(属名)[M〜O]
Michelia f.<人名 スイスの植物学者Marc Micheli(1844〜1902)の名に因む。モク
レン科
Microcarpaea f.<g. micros(小)+carpos(果)。ゴマノハグサ科
Microlepia f.<g. micros(小)+lepis(鱗片)。ウラボシ科
Microlespedeza f.<g. micros(小)+Lespedeza(属名)。ハギ属に似て小さいた
め。マメ科
Micromeles f.<g. micros(小)+melon(リンゴ)。果実を小形のリンゴに例えたも
の。バラ科
Micropolypodium n.<g. micros(小)+Polypodium(属名)。Polypodium 属に似て
小さい。ウラボシ科
Microsorium n.<g. micros(小)+sorus(子嚢群)。小さい点状の子嚢群を付ける
ため。ウラボシ科
Microstegium n.<g. micros(小)+stegos(覆い)。イネ科
Microstylis f.<g. micros(小)+stylis(柱)。花柱が小さいため。ラン科
Microtis f.<g. micros(小)+ous 又は otus(耳)からなる合成語。ラン科
Microtropis f.<g. micros(小)+tropis(龍骨)からなる語。ニシキギ科
Milium n.<1. キビのラテン古名。この属の殻粒がキビ Panicum miliaceum の殻粒に
似ていることから来た名。イネ科
Milletia .f<人名 18世紀のフランスの J.A.Millett の名に因んだ名。マメ科
Mimosa f.<g. mimos(人真似,狂言師)。この属のオジギソウが運動することから来
た。マメ科
Mimulus m.<1. mimus(道化者)の縮小形。歯を剥き出すような,或いは猿に似たよ
うな花冠の形と模様とから付けられたもの。ゴマノハグサ科
Minuartia f.<人名 スペインの J.Minuart(1693〜1768)の名に因んだもの。ナデシ
コ科
Mirabilis f.<1. ラテン語の不思議な,素敵なの語から出たもの。最初は別の植物
に,後にオシロイバナに当てられた。オシロイバナ科
Miricacalia f.<属名 古い英語で湿地を mire と云う,恐らく Cacalia に似ている
が,水湿の谷間に生えるためであろうか。キク科
Miscanthus m.<g. mischos(小花柄)+anthos(花)。イネ科
Mitchella f.<人名 バージニアに住み,Linne と親交のあった諸学者John Mitchell
(1676〜1768)を記念して付けられた名。アカネ科
Mitella f.<g. mitra(僧侶の帽子)の縮小形。若い果実の形が帽子状をしているこ
とから来た名。ユキノシタ科
Mitrasacme s.<g. mitra(僧侶の帽子)+acme(尖端)からなる名。フジウツギ科
Mitrastemon m.<g. mitra(僧侶の帽子)+stemon(雄蘂)。雄蘂が合着して帽子状
になる。ヤッコソウ科
Mnium n.<g. mnion(コケや海藻などを一括して古くギリシャで呼んだ名)を転用し
た。この語は mnoos(柔らかくする)に関係がある。蘚類
Moehringia f.<人名 ドイツの P.H.Moehring(1720〜1762)の名に因んだもの。ナデ
シコ科
Molinia f.<人名 スペインの Juan Ignazio Molina(1740〜1829)の名に因んだも
の。チリーの flora の初期の研究者。イネ科
Moliniopsis f.<属名 Molinia(属名)+opsis(似た)。Molinia 属に似たの意。イ
ネ科
Mollugo f.<1. アカネ科の Galium Mollugo の古名がこの属に転用されたもの。恐ら
く同じように輪生した葉の形から来た。ツルナ科
Momordica f.<1. 私は咬んだの意。種子が咬み痕のような凹凸を示すから。ウリ科
Monachosorum n.<g. monachos(単)+soros(嚢堆)からなる語。ウラボシ科
Monochasma n.<g. monos(単)+chasme(開口)からなる語で,さく果の一方が開口
して種子を出すことによる。ゴマノハグサ科
Monochoria f.<g. monos(単)+chorizo(離す)からなる語。雄蘂の一本が二又に
なって一葯が離れているためならん。ミズアオイ科
Monostroma n.<g. monos(一つ)+stroma(層)。体がただ一層の細胞層からなるた
め。アオサ科
Monotropa f.<g. monos(一つ,一方)+tropos(向く,曲がる)。花が一方に傾く
ことを示す。イチヤクソウ科
Monotropastrum n.<属名 Monotropa(属名)+astrom(似る)。Monotropa 属に似た
の意。イチヤクソウ科
Montia f.<人名 イタリア Bologna の植物学教授Giuseppe Monti(1682〜1760)の名
に因んだもの。スベリヒユ科
Morchella f.<g. ギリシャ語の植物名 morchel から。ノボリリョウ科
Moricandia f.<人名 イタリアの Stefano Moricand(1780〜1854)に因んだもの。ア
ブラナ科
Morinda f.<1. morus(クワ)+indica(インドの)からなる語。多肉の果をクワに
譬え,且つ印度産であることを示す。アカネ科科
Morus f.<1. クワに付いたラテン古名。果実の色から,ケルト語の mor(黒)が元で
はないかと云われる。クワ科
Mosla f.<土語 この属の一種に付いたインド名。シソ科
Mucuna f.<土語 ブラジル語。ブラジルの土名による。マメ科
Muehlenbekia f.<人名 ドイツの植物学者で医者G.Muehlenbek(1798〜1845)に因む。
タデ科
Muhlenbergia f.<人名 アメリカの植物学者Gotthlif Henry Ernest Muhlenberg(
1756〜1817)に因む。イネ科
Mukdenia f.<地名 Mukden(満州の奉天ホウテン)。原産地の地名を使用した例。ユキノ
シタ科
Musa f.<ar. アラビア名。又はローマのアウグスト大帝の侍医Antonio Musa に因む。
バショウ科
Mussaenda f.<土名 この類のセイロン名を使用したもの。アカネ科
Mutinus m.<1. 男根の意味で,植物体の形からの連想。スッポンタケ科
Myelophycus m.<g. myelos(髄)+phycos(藻)からなる語。コモンブクロ科
Myoporum n.<g. myein(閉じる)+poros(孔)。葉に多数の黒点があるため。ハマ
ジンチョウ科
Myosotis f.<g. myos(二十日鼠)+otis(耳)。葉が短くて柔らかいことからの連
想。ムラサキ科
Myrica f.<g. ギョリュウ又はその他の芳香性の低木のギリシャ名 myrike から出た
名。多分ギリシャ語の myrizein(芳香,香料)に由来し,後にこの芳香性の属に転用
した。ヤマモモ科
Myriophyllum n.<g. myrios(無数)+phyllon(葉)。セイヨウノコギリソウに似
た,葉の無数の切れ込みを譬えたもの。アリノトウグサ科
Myristica f.<g. myristicos(芳香の軟膏又は香油)。香料として使われるため。ニ
クズク科
Myrmechis f.<g. myrmex(蟻)。日本名アリドオシランの蟻を直訳したもの。ラン科
Myroxlon n.<g. myron(バルサム)+xyion(材)からなる語。イイギリ科
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