19h 園芸植物用語解説
 
[す]
鬆ス:根菜の根の中心が空洞化してできる空洞のこと。またこのようになることを「鬆が
 入る」という。
水耕スイコウ(水栽培とも):土壌を用いず,植物が必要とする養分を水に溶かした培養液
 を用いて栽培すること。例:ミツバ。
水生植物スイセイショクブツ:ラウンケルの生活形の一つ。地中植物のうち冬芽が水面下に形成
 されるものをいう。例:スイレン・ハス・クロモ・エビモ・ミクリ。
蕊柱ズイチュウ:雄蘂オシベと雌蘂メシベが合着して一体となったもの。ラン科のほか,ガガイ
 モ科にも見られる。例:シュンラン・サイハイラン・フナバラソウ。
水肥スイヒ:水で薄めた肥料,又は液状の肥料。
水平挿しスイヘイザシ:挿木の一方法で,挿し穂を縦や斜めにして挿さず,地表に水平に置い
 たり,又は水平に浅く埋める方法。
スクーピング(scooping) → 抉りエグリ繁殖
砂上げスナアゲ:挿し芽をして3週間位で,第1回目の移植を行うこと。例:カーネーショ
 ン。
砂子斑スナゴフ:斑の一種で,細点の斑が星のように現れたもの。砂子覆輪,霜降斑,吹掛
 斑フッカケフ,吹き絵斑,金砂斑キンシャフ:などの変わりものがある。
スプレー菊:茎をスプレー状に分岐させて仕立てた菊。
墨斑スミフ:斑の一種で,緑色地に濃緑色又は暗緑色の縞が現れたもの。紺縞斑,墨縞斑,
 墨流しなどがある。
 
[せ]
成長期セイチョウキ:植物体の生長が進行してから,温度や日長などの一定の環境条件が与え
 られると花芽を形成し始める時期。
整枝セイシ:美観を与え生育を促進し,また諸害に対する抵抗性を強くするために枝葉を切
 り除くこと。
整姿セイシ:一定の樹形を作り,又は保存するために枝葉を切り除くこと。
星状毛セイジョウモウ:1ヶ所から多方向に分岐して放射状になっている毛。例:ウツギ・ガ
 マズミ。
生長調節セイチョウチョウセツ:内生植物ホルモンや合成調節物質,その他の化学薬品を用いて,
 植物の生長を促進したり,又は抑制したりすること。
生長点セイチョウテン培養法バイヨウホウ:生長点を取り出し無菌の培養液の中で培養し,多数に分
 裂した一部分を分離し,苗として培養して殖やす方法で,この苗を実生苗に対してメ
 リクロンと呼ぶ。
節セツ:茎の葉の着いている部分で,俗に”ふし”という。イネ科,ツユクサ科,タデ科
 などでは特に膨らんで明瞭である。タケやハスの地下茎では節からだけ根が出る。
石化セッカ(綴化テッカとも):茎の頂部の生長点が異状に分裂し,その分裂した生長点が塊
 状に集合又は褶曲線状に集積したりして特異な形態をなすこと。例:サボテン。
石灰植物セッカイショクブツ:自然状態で石灰質の土壌に生育している植物,又は石灰質土壌を
 好む植物。例:ツクバネガシ・ブナの一種・スミレの一種。
蝉葉セミバ:蜻蛉葉に州浜性を入れたもので,これは奇葉ではなく州浜の大輪性に蜻蛉の
 大輪性を加えたものである。今日の大輪朝顔の多数はこれである。
千重咲きセンエザキ:花片が基本の数より沢山に殖えて,八重咲きよりその数が多くなった
 咲き方。
浅根性センコンセイ:樹木の根が直根を欠き,側根が数多く出て浅く側方に伸びる性質。
染色体センショクタイ:細胞の核内にあり,核分裂の際に現れる棒状や粒状の小体で,生物の種
 毎に数,形,大きさなどが一定している。そして遺伝に関係のある物質(DNAやRNAほ
 か)を担い,種族相互の類縁関係を考察するのに重要な指標となっている。有性世代
 における数をn,無性世代の数を2nで表す。
選択センタク受精ジュセイ:雄蘂オシベの柱頭に性質を異にする花粉を受粉した場合,そのうちの
 ある花粉だけを特の多く受精する現象。
剪定センテイ(刈込み・切込みとも):狭義では剪定と整姿とに区別されている。剪定とは,
 枝の生長と花の着生とを調節するために枝を切り除くことであり,整枝セイシとは,樹に
 一定の樹形を採らせて仕立てるために枝を切り除くことである。広義では両者を一括
 して剪定と呼んでいる。
腺点センテン:葉の裏などにある極小さな分泌腺をいい,シモバシラ,キンミズヒキなどの
 葉の裏をルーペで観察すると多数散布する細点として認められる。
氈毛センモウ:極短い軟毛が密生してビロード状になったもの。例:ニガイチゴの萼ガク裂片
 の内面の毛。
腺毛センモウ:先端が小球状に膨らんでいて液体を分泌する毛。例:ユキノシタ・モウセン
 ゴケ。
前葉体ゼンヨウタイ(原葉体・扁平体とも):シダ植物の有性世代の配偶体のことで,普通小
 さな薄い膜質の緑色をした葉状体で染色体の数はn。造精器と造卵器を生じて有性生殖
 を行う。
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