19 園芸植物用語解説
園芸植物用語解説
参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
[あ]
上るアガル:樹木の枝が下から上へ枯れていくこと。
秋植球根アキウエキュウコン:チューリップなど秋に植える球根。
秋落ちアキオチ:作物の収量が病害虫などのため,秋になって急に減少すること。
秋挿しアキザシ:秋(9月上旬〜11月中旬)に挿す挿木の一方法。
秋蒔きアキマキ一年草イチネンソウ:ストックなど秋に種子を蒔く一年草。
秋芽アキメ:気候,病虫害,傷害などの刺激で異常発育し,夏・秋に伸びる芽。
揚接ぎアゲツギ:砧木ダイキを掘って他の場所で接木すること。
亜高山帯アコウザンタイ:高山帯と低山帯の中間に位置する植物垂直分布上の植物帯。日本の
中部山岳地帯では1500〜2500m。
亜種アシュ:種と変種との間に置かれている植物分類上の一階級。学者により亜種の取扱は
微妙で,意見が異なる場合がある。
徒花アダバナ(無駄花とも):果実を結ばない花。
頭水アタマミズ:株や葉の上から水を掛けること。
圧条アツジョウ:樹枝から発生してしている1〜2年生の枝条を曲げて引き下ろし,その一
部分を土に埋めて発根させること。先取り法・波状法・接木法・高取り法など。
厚走りアツバシリ → 厚物アツモノ
厚物アツモノ:キクの花形の一種。平弁ヒラベンが重なり合って厚く盛り上がるもの。厚物の変
形に,太い管弁クダベンが勢いよく下方に放射状に出る厚走りがある。
後暗みアトグラミ:斑入りが初め鮮明に出るが,後で不鮮明か斑がなくなること。
後冴えアトザエ:後暗みの逆で,斑入りが初め不鮮明で後に鮮明になること。
アネモネ咲き:花形の一種。八重咲きで外側の花弁は平たく,中心の花弁は長く伸び,
外側と異なる色彩を呈するもの。例:ダリア。
暴木アバレギ:手入れとは関係なく,枝条が太くて少なく,粗生して長くなり,従って樹
形が不整形になる木。
網斑アミフ:斑入りの一種。葉脈に沿って斑が入り網状を呈するもの。
新木アラキ(新根アラネとも):@根廻しや移植を1回も行わない,A自生品を採り木したも
ので,ある程度庭木や盆栽として形の整っているもの。
合接アワセツギ:接木法の一種。台木と接穂とが同じ太さのとき,二つを斜め又は水平に切
り,その面を合わせて接ぐ方法。
行灯アンドン仕立てジタテ:蔓性の草木を鉢植えにして観賞する作り方。針金又は竹で作った
行灯状の枠を鉢に取り付け,それに蔓を絡ませる方法。例:アサガオ。
[い]
異花受粉イカジュフン:雌蘂メシベが他の花の雄蘂オシベの花粉を受けて結実すること。
移植イショク:@植物を掘り上げて別の場所に移し替えること。A苗を仕立てるとき,お互
いに重なり合わないよう間隔を空けて別の場所か鉢に移し植えること。
一代イチダイ雑種ザッシュ(F1とも):二つの異なった種又は品種を交配してできた雑種。で
きた種子から生育したものが一代雑種の植物という。
一日花イチニチバナ:開花したその日のうちに萎れる花。例:マツバボタン・アサガオ。
一年草イチネンソウ(1年生草本とも):種子を蒔いて1年以内に開花結実して枯死する草本。
例:コスモス・ヒマワリ。春蒔き一年草と秋蒔き一年草とがある。また二年草や多年
草でも園芸上一年草として取扱う場合がある。
一の枝:根元から立ち上がった最初の枝。
居接ぎイツギ:接木の一方法。台木を掘り上げずに,台木が植えてある場所でそのまま接
木をすること。
一才イッサイ咲きザキ:種子を蒔くか挿木して殖やしたとき,満1年目又は2年目に開花結実
すること。一才咲きするものを一才物という。例:一才ザクロ。
一本仕立て:草花を育成するとき,茎を1本だけ伸ばし,それに1輪の花を着ける仕立
て方。例:アサガオ。
疣幹イボカン:疣状の突起物が沢山出る幹。
芋吹きイモブキ:切断した芋から発芽させること。
忌地・嫌地イヤチ:植物を毎年同じところや用土で栽培すると,植物により生育が悪くなっ
たり枯死する現象をいう。原因は肥料の不均衡,自家中毒,病原菌など。
[う]
上向枝ウエムキエダ:主枝や側枝から上向きに出る枝。
羽軸ウジク:2回羽状複葉のシダの葉で,中軸から出た羽片の軸をいう。
羽状脈ウジョウミャク:掌状脈に対する語。網状脈のうち,葉の中央に1本の太い中央脈があ
って,その両側に側脈が羽状に走っているもの。例:クリ・サクラ・ツバキ。
内向枝ウチムキエダ → 逆さ枝
生ウブ:葉の斑入りの一種。緑色部がなくなり,全体が白色になったもの。1株のうち点
々と生が出たものをホタルと呼ぶ。
羽片ウヘン:羽状複葉のシダの葉で,中軸から出る葉片をいう。二回羽状複葉では更に羽状
に裂けるのでその1片を小羽片という。
上水ウワミズ:移植の完了後,表土の乾燥を防ぐために根元に与える水。
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