12 板の表裏
 
           板の表裏
 
             資料:森と木とくらしのなんでも相談室(森林研究会)
                                       
 丸太の中心(樹心ジュシン)から遠くて樹皮に近い板の面を「木の表(木表キオモテ)」と
いいます。また丸太の中心に近い板の面を「木の裏(木裏キウラ)」といいます。
 木の葉の表と裏と同じように,木表は,木裏よりも色合いが濃く,艶ツヤがあって美し
いです。これに対して木裏は,木表よりも色合いが薄く艶も少なくなっています。
 乾燥すると,板は木表側に反ソり返っていきます。さらに木裏は,木の目が立ってザ
ラザラを生じ易いということもあります。
                                       
 見た目のよさを必要とする天井テンジョウ板は,綺麗キレイな木表が見えるように木表を下
にして張ります。床板ユカイタなどは,同じ理由から木表を上にします。
 木を使って工作する場合,塗料を塗らないで板の色や艶を強調したいときは,よく見
えるところに木の表がくるようにしましょう。
                                       
 能舞台ノウブタイの床板の場合は逆です。
 板は木表側に反るため,木裏を上にすれば舞台全体が太鼓橋のように中央が高くなり,
役者が足を踏み鳴らしたときの音響効果がよくなります。
 また木裏を上にしているので木目が立ち,足が滑スベりません。
 さらに木の樹脂は木表に方にでるので,木裏を上にすれば舞台の手入れが楽になりま
す。

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