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緑のダム
資料:森と木とくらしのなんでも相談室(森林研究会)
流れる水の量をうまく調節して,いつも同じ量の水が蓄えられているようにしておく
ことが大切です。その大切な役割をしているのが,降った雨水を貯え,ゆっくりと少し
ずつ水を出す「緑のダム」としての森林の働きなのです。
木のないところに降った雨水は,そのまま地面を流れてしまいますが,森林があると
雨水は地面をおおっている木の葉っぱや下草シタクサに抱きとめられて,やっくりと土にし
みこんでいきます。
森林の土のなかには,落ち葉や木の根が沢山あります。それが腐ったり,土のなかに
棲スむ小動物が活動することによって,森林の土にはスポンジのように小さな隙間スキマが
沢山あいています。この森林の土が雨水をいっぱい吸い込んで,それをじわりじわりと
谷川に流してくれるのです。森林の土は,木のない場所の30倍も水を吸い込む能力があ
るといわれています。
なにしろ日本列島の7割は森林でおおわれているので,日本に降る雨のほとんどは「
緑のダム」である森林に蓄えられます。このおかげで,私たちは水道の水を安心して飲
むことができるのです。
〈雨水の流れ〉
森林がある山 森林のない山
蒸発する 15 % 40 %
幹・枝葉にとまる 25 % ―
地表を流れる 25 % 55 %
地中に入り地下水となって
長時間かけて流下する 35 % 5 %
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