Equusーエクウスとはラテン語で

馬の神様の名前で当社のオリジナル

馬革商品です。姫路の地場産業を生かし

て、最新の研究開発により世界の最先端を走

っています。オリジナルスコービルボタンやriri

及びTalonファスナーを用いたショップオリジナル

だからこそ可能な贅沢なスペックと最上級

馬革とのコラポレーションを堪能してください



タンナーさんに直撃インタビュー

Q1   当社では、1940年代の革ジャンの復刻版を扱っていますが、当時のタンニングの技術や方法はどんなものだったのでしょうか?

Mr. 木屋・・・・ 1940年頃は、クロム鞣しとして重クロム酸塩と塩酸による二浴法秩しから、予め
還元して調整した塩基性クロム塩溶液を使用していた。一方、タンニン鞣しはドラム
は未だ殆ど使用されてなく、タンニン槽による鞣しで、鞣製期間は1ケ月余に及びヌ
メ革、茶利革、多脂革(皮革科学、皮革用語辞典参輿)等、軍隊用品革警薬用品革、
登山靴などに使用されていた。ファッション性など無く目的に応じた丈夫な革が要求
された。鞣し方の根本的なものは現在も変わらないが、この当時は、未だ機械、薬品
、技術も不完全で、パドル、ドラム、フレッシング、セービング位が主なもので、そ
れも殆ど「手作業」で行われていた。

       Q2  タンナーさんから見た優れた革とはどういうものをさすのですか?

Mr. 木屋・・・・一般に目的に適合する様に作られた革がその条件を満たした時、最も良い革と言
われるが、衣料用革として良い革と言われるものは、皮膚に触れたときに柔らかく、
ふっくらとした風合いがあり、暖かな感じを受けるものとされている。更に、銀付き
革ではシボが均一で細かなもの、銀面のキメが細かく、毛穴の開口が小さいもの、染
色ムラのないもの、又、目立った傷のないものである。

  Q3  消費者から見れば、革の表情の違いがわかりやすいフィニッシュに目がい きがちですが、フィニッシュの意味あいと、素上げのメリットについてお願いし ます。

Mr. 木屋・・・・ 革の品質評価は、各種用途えの適合性の評価、判定に依るが、往々にして経験と
勘に頼りすぎるので、より多くの合意が得られるようにするには一定の試験方法と品
質基準に基ずいて行われている。参考のために一部列記すると

  1・国際規格は、国家単位で加入している国際標準機構(ISO)がある。

  2.国家規格は、例えば日本のJIS、ドイツのDIN、フランスのNF,イギリスのBS などがある。

  3・各企業が一定の品質保証或いは品質管理のために定めている社内規格がある。

革の仕上げは品質評価を得るために行う。革の仕上げは、塗膜形成材料を用いて革の
表面に塗装及び着色を施し、革の表面を保護すると共にその美観を高める事を目的と
している。しかし、現実には、銀面の傷を隠すために革本来の良さも消してしまう様
な仕上げをしている所が多い。
皮革の仕上げ方法は、塗膜の透明度、使用する仕上げ剤、機械的処理等により分類さ
れる。

 a、アニリン仕上げ:塗膜の透明度が最も大きく、外観的に革本来の銀面模様の特
徴を活かした仕上げ。仕上げ液は、着色剤として染料が主体でタンパク質系及び合成
樹脂バインダーに配合して調整する。

 b、アニリン調仕上げ:塗膜の透明度はアニリン仕上げと同様に保持する。革表面
の僅かな傷や染色の不均一性を修正し、銀面模様を保持する仕上げ。

 c、セミアニリン仕上げ:アニリン仕上げとカバリング仕上げ(顔料が主体)の中
間的仕上げ。銀面の傷や不均−さをカバーしながら銀面模様を残すようにする。着色
剤は染料と顔料を併用する。

 d、カバリング仕上げ:革表面の傷、ムラを目立たなくするため、塗膜中に無機顔
料を主に含有させる。塗膜の透明度、色調の鮮明度の少ない仕上げ。

素上げ革はQ2の条件を満たしているいる革。

        Q4  良い原皮とはどんな特徴があるのですか?
     また、原皮の産地によってどんな違いがあるのでしょうか?


Mr. 木屋・・・・ 動物から剥がされた皮はそのまま放置しておくと腐敗しやすい。その為剥皮され
た生皮は、短時間のうちに水洗して皮の温度(体温)を下げるとともに、血液その他
の汚物を取り除き、塩の浸透を可飴なかぎり早めるため、フレッシングにより肉片を
取り除き、トリミングした後レースウニーに投入する。その後、水絞り機にかけ選別
、固形塩を施し、結束、椎積(水切り)計量、出荷されたものが良い原皮となる。原
皮の産地でのトラブルは、以上の様な処理を短時間で行うか否か、ブラインキュアー
の技術がどの程度かで決まる。馬革の原皮に関しては、数量の点で根本的問題の解決
が難しいと思われる。

  Q5  馬の種類による違いはどうでしょう?

Mr. 木屋・・・・コードバンの大小だけで大きい違いはないと思う。

  Q6  タンナーさんから消費者にたいして一言おねがいします。

Mr. 木屋・・・・ 先日も工場見学に多くの革取扱業者さんが見えられましたが、余りにも革の基本
的なことを知らないので驚きました。大手デパートの靴売場の子が、合成皮革と天然
皮革の区別もつかないのでは、末端でのトラブルが多いのは当然です。買い手の素人
に対して、売り手の方が商品説明をして納得した上でお買いあげ傾く状態にならない
と、我々がいくら消費者に対してなにか言っても届かない所でイライラしているだけ
です。もっと取扱業者が革の消費科学を真剣に勉強しないと輸入品に全部置き換わり
、国内の皮革業は先細りになってしまいます。消費者に対して言うより、もう一段階
前の業者に物申したいところです。

                          平成11年6月21日                           高忠技術顧問                           木 屋 三 郎



というわけで まず、当店の取引先でもある高忠さんの技術顧問でいらっしゃる木屋さんに感謝
したいとおもいます。
なかなか耳の痛い話なんかもありまして恐縮してしまいましたが、永年のキャリア
は流石ですし、なにより、教科書にはない現場のたたきあげ気質が伝わってきました。
専門用語もバンバンとびだしましたが、ニィアンスである程度理解できたかな?
質問があれば、どしどし遠慮なくメールったり、BBSったりしてくださいね。
以前、タンナーさんがめざしている革についてお伺いしたときの答えが
"一旦、死んだ皮を生前のようにもどすこと"とおっしゃったのが印象的です。


さて、それでは肝心のエクウスのニュ−ラインアップの紹介です。
エクウスは全て素上げの革を用いています。
素上げとは上のインタビューにあったとおり最上級の革だけしか使うことができません。
いままで玄人にしか理解されていなかったスペックですが、本当によいものは何か? 
という命題にこたえた結果なのです。