柳田 悠岐(やなぎた ゆうき)

 広島商から広島経済大を経て10年ドラフト2位で福岡ソフトバンクホークスに入団。大学時代は1年秋に早くも.406で首位打者を獲得。その後も2年春は.444で2位、秋は.371で3位と安定した打率を残した。3年春に打率.528と驚異的な数字で2度目の首位打者と初のMVP。秋も.386で3度目の首位打者。4年春は.417ながらベストテン4位止まりだったが、秋は.439で4度目の首位打者に6度目のベストナインとその実力は突出していた。大学通算276打数118安打の打率.428、8本塁打、60打点。

 1年目の11年は6試合で5打数ノーヒット3三振と一軍では結果を残せなかった。ファームでは規定打席不足ながら13本で本塁打王となり、打率.291に20盗塁と好成績を残した。翌12年は6月にプロ初安打と初打点、8月に初本塁打と実績を残し68試合で48安打の打率.246。3年目の13年は後半レギュラーに定着し、104試合で88安打の打率.295。11本塁打・10盗塁とそれぞれ二桁の数字をマークした。
 4年目の14年は完全にスタメン定着を果たし全試合に出場して15本塁打・70打点・打率.317・33盗塁の好成績。ベストナイン・ゴールデングラブに選出され、初出場したオールスターの第2戦では本塁打を含む4安打でMVPに輝いた。

 一躍リーグを代表する選手となった14年だったが、15年はさらにレベルアップ。182安打を放ち打率.363て首位打者獲得。さらに34本塁打・32盗塁でトリプル3も達成した。チームの2年連続日本一に大きく貢献しシーズンMVPに選出された。
 16年は4月末で打率.236と出遅れたが、5月は月間.346、6月も.330と調子を上げてシーズン打率も3割に到達。2年連続トリプルスリーを目指したが、9月最初の試合で右手薬指を骨折、以後のシーズンを欠場する事となった。
 17年は終盤に右脇腹を痛め、タイトルは逃したがリーグ3位の31本塁打に2位の99打点と前年から大きく数字を伸ばしベストナインに返り咲いた。また、両リーグトップの得点圏打率.379をマークしてチームの日本一に大きく貢献した。

 18年は開幕からコンスタントに打ち続け、打率.352で3年ぶり2度目の首位打者を獲得。36本塁打・102打点も自己ベストで、打率に加え長打率・出塁率・得点圏打率もリーグ1位という充実のシーズンとなった。
 19年も快調なスタートを切ったが、4月7日の試合で走塁中に左足を痛め「左膝裏肉離れ」と診断され、一軍復帰まで4カ月半を要した。離脱時では9試合で打率.355・4本塁打・14打点・4盗塁とトリプル3に加え、4冠も狙える勢いだっただけに痛い怪我となった。復帰後は打率も下がり、.289の7本塁打でシーズンを終えた。連続3割も5年でストップし、数字的には不本意な1年となった。この年オフにホークス球団と7年の長期契約を結んだ。

 20年は1試合休んだのみでほぼフル出場。首位打者は惜しくも逃したが、リーグ最多の146安打で打率.342。得点圏打率.369は両リーグ1位と勝負強さを発揮し、チームの3年ぶりリーグ優勝と4年連続日本シリーズ制覇に大きく貢献。5年ぶり2度目のMVPに輝いた。
 21年も28本塁打がリーグ3位、80打点と打率.300が共に4位と各部門で安定した成績を残した。また、通算1000試合出場と200号本塁打と、節目の記録を達成した。
 22年は規定打席以上ではワーストの打率.275と今一つの数字だったが、それでもベストテン6位に食い込み7度目のベストナインに選出された。オールスター第2戦では決勝本塁打を放ち、MVPに選ばれた。

 23年は9年ぶりに全試合出場。ヒット1本足りずに打率3割は逃したが、5年ぶりとなる160安打超えで最多安打のタイトルを獲得。通算1500安打と250本塁打を達成し、次の大台である「2000と300」を目指す。

 MVP2回(15、20)。首位打者2回(15、18)、最多安打1回(23)、最高出塁率4回(15〜18)。ベストナイン8度(14、15、17、18、20〜23)、ゴールデングラブ6度(14、15、17、18、20、21)受賞。月間MVP8回(14年5月、15年8月、15年9月、17年6月、18年5月、20年6・7月、20年10・11月、21年)。オールスター出場7度(14〜18、21、22)、14年第2戦、22年第2戦、23年第1戦でMVP受賞。日本シリーズで14年と17年に優秀選手賞受賞。五輪出場1度(21)。1988年10月9日生まれ。右投げ左打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
11 ソフトバンク 6 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 .000
12 ソフトバンク 68 195 17 48 10 1 5 75 18 6 2 0 15 56 .246
13 ソフトバンク 104 298 48 88 19 2 11 144 41 10 0 0 39 96 .295(15位)
14 ソフトバンク 144 524 91 166 18 4 15 237 70 33 0 3 88 131 .317(3位)
15 ソフトバンク 138 502 110 182 31 1 34 317 99 32 0 1 102 101 .363(1位)
16 ソフトバンク 120 428 82 131 31 4 18 224 73 23 0 0 108 97 .306(5位)
17 ソフトバンク 130 448 95 139 30 1 31 264 99 14 0 7 96 123 .310(2位)
18 ソフトバンク 130 475 95 167 29 5 36 314 102 21 0 5 70 105 .352(1位)
19 ソフトバンク 38 128 17 37 6 1 7 66 23 4 0 0 29 28 .289
20 ソフトバンク 119 427 90 146 23 5 29 266 86 7 0 3 85 103 .342(2位)
21 ソフトバンク 141 516 95 155 36 2 28 279 80 6 0 2 75 122 .300(4位)
22 ソフトバンク 117 437 63 120 18 1 24 212 79 2 0 5 49 106 .275(6位)
23 ソフトバンク 143 546 57 163 29 3 22 264 85 1 0 6 73 97 .299(3位)
                                 
13年 1398 4929 861 1542 280 30 260 2662 855 159 2 32 829 1168 .313