秋山 翔吾(あきやま しょうご)

 神奈川・横浜創学館高から八戸大を経て10年ドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団。大学時代は4年春に打率.486で首位打者とMVP。大学通算281打数93安打の打率.331、7本塁打、49打点。ベストナインに4度選ばれている。
 1年目から「9番・ライト」で開幕スタメン出場し、初戦こそノーヒットだったが2戦目には3安打2打点と活躍。この年は110試合で66安打を放ち、打率.232の1本塁打。ファームでは25試合で打率.439とその実力を発揮。2年目はレギュラーに定着して118安打の打率.293でベストテン6位にランクイン。そして3年目の13年は全試合出場とその地位を確かなものとした。初の二桁となる13本塁打を含む152安打で打率は前年より下がったが、.270をマーク。初のゴールデングラブにも選出された。

 14年はほとんどの部門で前年を下回る数字に終わり、苦戦のシーズンとなった。四死球の増加で出塁率は.356と自己ベストの数字を残した。15年は一転して開幕から好調なスタートで4月末で打率.374を残し、3・4月の月間MVPに選ばれた。6月にも打率.448で2度目の月間MVPとなり、7月12日まで歴代3位の31試合連続安打も記録した。9月13日の対ロッテ戦で史上6人目(7度目)の年間200安打を達成。最終的に日本新記録となる216安打に猛打賞27回の日本タイ記録も達成し、初のベストナインに選ばれた。
 16年も終盤失速して3割は割ったもののリーグ3位の171安打を放って打率.296でベストテン7位。62打点・18盗塁は自己最多を記録した。17年は3年連続全イニング出場で、15年に次ぐ自己2番目の185安打を放ち、打率.322で初の首位打者に輝いた。25本塁打と長打力も増し、89打点も自己最多を記録。2年ぶりにベストナイン・ゴールデングラブをダブル受賞した。7月には打率.351で3度目の月間MVP。3年連続の出場となったオールスターでは第1戦で先頭打者本塁打、第2戦では3安打の活躍で、2試合共に敢闘選手賞に選ばれた。

 18年も引き続き安定した成績で、ほぼ全ての部門で前年並みかそれ以上の成績を残しベストナイン・ゴールデングラブに選ばれた。7月には536試合連続全イニング出場のパ・リーグ新記録を達成。通算打率も3割に乗せ、球界を代表する打者としての地位を確立した。
 19年は開幕から3番打者として起用されたが、調子が上がらず4月末で打率.232と低迷。しかし、5月に入ると慣れた1番打者に戻った事もあり月間打率.402で4度目の月間MVPを受賞。その後もコンスタントに打って、4度目の最多安打に3年連続の3割と引き続き安定した数字を残した。この年オフに海外FA権を行使して、メジャーリーグのシンシナティ・レッズと3年契約を結び、移籍する事となった。

 移籍1年目の20年はコロナ禍で年間60試合の変則シーズンとなった。調整の難しい中で、54試合に出場して38安打の打率.245。前半は苦戦したが、9月に月間打率.317を残し翌年への期待をつないだ。期待された21年だったが、88試合と試合数は伸ばしたものの33安打と前年を下回った。打率.204に本塁打ゼロと苦戦が続いた。
 22年は開幕メジャーから漏れ、5月にはパドレスとマイナー契約したもののメジャー昇格を果たせず、6月末に広島カープと契約して日本復帰を果たした。この年は7月からの出場で44試合に41安打で打率.265と西武時代と比べると物足りない数字に終わった。

 23年は4年ぶりに日本で開幕を迎え、5月末では打率.358と好スタートを切り本来の打撃が戻ったかと思われた。しかし6月以降は244打数51安打の打率.209と極度の不振に陥り、シーズン打率は.274と規定打席以上では2014年以来の低い数字に留まった。それでも5月には歴代7位のスピードで通算1500本安打を達成した。

 15年6月3日の対中日戦から7月12日の対日本ハム戦まで31試合連続安打。15年に年間216安打の日本記録。14年5月9日の対ソフトバンク戦から19年9月26日の対楽天戦まで825試合連続出場。14年9月6日の対ソフトバンク戦から19年9月26日の対楽天戦まで739試合連続全イニング出場のパ・リーグ記録。

 首位打者1回(17)、最多安打4回(15、17〜19)。ベストナイン4度(15、17〜19)、ゴールデングラブ6度(13、15〜19)受賞。月間MVP4回(15年3・4月、15年7月、17年7月、19年5月)。オールスター出場6度(15〜19、23)。WBC出場1度(17)、プレミア12出場1度(15)。1988年4月16日生まれ。右投げ左打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
11 西武 110 284 35 66 9 6 1 90 21 8 8 0 21 63 .232
12 西武 107 403 50 118 17 8 4 163 37 10 15 1 31 70 .293(6位)
13 西武 144 564 89 152 25 7 13 230 58 13 12 2 56 89 .270(24位)
14 西武 131 475 64 123 24 6 4 171 47 3 11 2 73 98 .259(24位)
15 西武 143 602 108 216 36 10 14 314 55 17 7 2 64 78 .359(2位)
16 西武 143 578 98 171 32 4 11 244 62 18 0 6 87 103 .296(7位)
17 西武 143 575 106 185 38 5 25 308 89 16 0 7 77 97 .322(1位)
18 西武 143 603 107 195 39 8 24 322 82 15 0 1 81 96 .323(2位)
19 西武 143 590 112 179 31 4 20 278 62 12 0 1 87 108 .303(5位)
22 広島 44 155 19 41 6 1 5 64 26 0 0 2 17 34 .265
23 広島 115 434 48 119 20 6 4 163 38 8 9 1 39 81 .274(13位)
                                 
日本11年 1366 5263 836 1565 277 65 125 2347 577 120 62 23 633 917 .297
                                 
20 レッズ 54 155 16 38 6 1 0 46 9 7 0 0 27 34 .245
21 レッズ 88 162 16 33 8 0 0 41 12 2 1 1 18 40 .204
MLB2年 142 317 32 71 14 1 0 87 21 9 1 1 45 74 .224
                                 
日米11年 1508 5580 868 1636 291 66 125 2434 598 129 63 24 678 991 .293