丸 佳浩(まる よしひろ)

 千葉経大付高から07年ドラフト3巡目で広島カープに入団。高校時代は2年夏・3年春と2度の甲子園出場。入団1年目はファーム暮らしで46試合に34安打の打率.288。しかし2年目は69試合で41安打の打率.222と低迷。3年目はウエスタンでレギュラー格となり、92試合で86安打の打率.277でベストテン7位。足の方でも本領発揮しチーム最多の21盗塁をマーク。この年9月に初めて一軍に上がり、初安打・初打点・初盗塁を記録した。

 4年目の11年には一軍定着を果たし、131試合で9本塁打を含む105安打を放ち、打率.241。続く12年は106試合で70安打止まりだったが、13年は自己最多の138安打でオールスターにも初出場。この年は29盗塁で盗塁王を獲得し、外野手としてゴールデングラブも受賞した。
 14年は開幕から好調で、初の全試合出場を達成するとともに166安打を放ち打率.310の好成績でベストナイン・ゴールデングラブをダブル受賞。リーグ最多の104四死球で出塁率.419はリーグ2位。15年も95四死球で2年連続リーグ最多となったが、打率は.249と大幅に下がり波に乗れないシーズンだった。それでも19本塁打・63打点はほぼ前年並みで2年連続全試合出場を果たした。

 16年は3割こそ逃したが、自己2番目の162安打を放った。また20本塁打・90打点は自己最多でチーム25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、4年連続で選出されたオールスターの第2戦では初めての本塁打も記録した。17年は安打・本塁打・打点で自己ベストを記録。6月には打率.402で初の月間MVPを受賞し、シーズンでもチームの連覇に大きく貢献した事が評価され、MVPに選ばれた。
 18年も開幕から好調だったが、700試合連続出場となった4月28日の阪神戦で守備中に右足を痛め翌日に登録抹消となった。ほぼ1ヵ月欠場し、5月26日に復帰。復帰後は本塁打が増え、6月8本・7月8本・8月10本と、3ヶ月で前年を上回る26本を量産して本塁打王争いに加わった。最終的にタイトルは2本差で逃したが、自己記録を大幅に更新する39本塁打にリーグ4位の97打点。打率も3度目の3割となる.306でチームの3連覇の原動力となった。また、歴代4位となる130四球を記録し、.468の高い数字で最高出塁率のタイトルも獲得。この活躍が評価され、セ・リーグでは4人目となる2年連続MVPに選ばれた。この年オフにFAで巨人に移籍した。

 19年は3年連続3割は逃したが、不動の3番打者として2年ぶりの全試合出場。自己2番目の27本塁打を放ち、通算150本塁打を達成。4年連続20本塁打に8年連続二桁盗塁と、チームの5年ぶりとなるリーグ優勝に貢献した。
 20年は開幕10試合の打率が.158と序盤は不振が続いたが、徐々に巻き返して最終的には打率.284に27本塁打で5年連続ベストナインに輝いた。試合数減もあり、120安打と数字は伸びなかったが1500安打にあと145本と2021年の到達が見込まれるところまで近付いた。
 21年も前年に続き打撃不振に陥り、ファーム落ちも経験。終盤に巻き返したものの、2015年の.249以来となる打率.265と言う不本意な1年となった。それでも6年連続20本塁打を達成するなど最低限の数字は残した。

 22年は2年ぶり7度目の全試合出場を果たし、通算1500安打と250本塁打の区切りの記録を達成。打率.272と65打点には中軸打者として物足りなさは残った。23年はシーズンを通じて打撃不振に陥り、2年ぶりにファーム落ちもするなど11年ぶりの規定打席不足。94安打で打率.244と2013年以降ではワーストの成績に終わった。

 13年5月12日の対中日戦で代打満塁本塁打。13年5月20日の対ロッテ戦から18年4月28日の対阪神戦まで700試合連続出場。15年7月10日の対中日戦から9月6日の対ヤクルト戦まで44試合連続出塁。18年8月3日の対DeNA戦から9月27日の対ヤクルト戦まで46試合連続出塁。

 MVP2回(17、18)、最多安打1回(17)、盗塁王1回(13)、最高出塁率1回(18)。ベストナイン6度(14、16〜20)、ゴールデングラブ7度(13〜19)受賞。月間MVP1回(17年6月)。オールスター出場6度(13〜17、19)。プレミア12出場1度(19)。1989年4月11日生まれ。右投げ左打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
08 広島 一軍出場なし                       .
09 広島 一軍出場なし                       .
10 広島 14 19 1 3 0 0 0 3 1 1 0 1 2 7 .158
11 広島 131 435 48 105 16 4 9 156 50 9 9 1 50 105 .241(21位)
12 広島 106 283 26 70 10 4 4 100 22 14 5 3 48 59 .247
13 広島 140 506 82 138 25 5 14 215 58 29 5 4 86 103 .273(15位)
14 広島 144 536 106 166 30 5 19 263 67 26 0 4 104 95 .310(9位)
15 広島 143 530 81 132 28 1 19 219 63 15 4 4 95 143 .249(23位)
16 広島 143 557 98 162 30 8 20 268 90 23 1 3 91 107 .291(13位)
17 広島 143 556 109 171 35 3 23 281 92 13 2 6 87 113 .308(5位)
18 125 432 109 132 22 0 39 271 97 10 0 1 133 130 .306(14位)
19 巨人 143 535 82 156 26 1 27 265 89 12 0 7 89 125 .292(9位)
20 巨人 120 423 63 120 31 1 27 234 77 8 3 2 63 101 .284(12位)
21 巨人 118 392 58 104 21 0 23 194 55 5 0 2 63 120 .265(21位)
22 巨人 143 525 81 143 31 1 27 257 65 6 1 0 81 88 .272(13位)
23 巨人 121 385 43 94 11 0 18 159 47 4 1 3 42 62 .244
                                 
16年 1734 6114 987 1696 316 33 269 2885 873 175 31 41 1034 1358 .277