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砂田喜昭 2014年5月21日更新  
産業建設常任委員会の行政視察報告(1)
埼玉県飯能市
木質ペレットをボイラーに
 木材樹皮を有効活用


 木質ペレットの活用について、埼玉県飯能市で7日、西川地域木質資源活用センターを視察しました。
 ここは2003年に西川地域(飯能市、日高市、毛呂山町、越生町)の製材業、木材卸売業などが共同して設立しました。設立のきっかけは、木材の樹皮をそれぞれの業者が焼却処理していたものが、ダイオキシン対策のためにできなくなったからです。その樹皮を乾燥・粉砕・圧縮して、直径8ミリ・長さ15ミリ程度の円柱状のペレット燃料としました。乾燥・粉砕した樹皮を圧縮する部品は年に3、4回交換し、ペレット状にする部品は年1回交換しなければならないそうです。
ペレット製造工場で消耗部品の値段が高いとの説明を受ける砂田市議(右端)
焼却後の灰
 原発事故前は肥料会社に販売
  現在は売れず


 樹皮で作るペレットなので、燃焼後の灰が多く出ます。間伐材、製材くずなど木材の芯の部分を使い樹皮を含まないペレットは、ホワイトペレットといわれ、灰も少なく、火力も強いといわれています。
 同センターでは樹皮で作るペレットなので、ボイラー使用者にペレット燃料を納め、焼却灰を引き取り、その灰をこれまでは肥料会社に売っていました。ところが、福島第一原発事故で、灰に放射性セシウムが含まれていることが明らかになったため、現在は売ることができず、処分に困っているそうです。

灯油より安いペレット燃料

 ペレットの発熱量は4200Kcal/Kgで灯油の約半分ですが、キロ当たりの単価を灯油の半分より安くしているので、単位エネルギーで見るとペレットの方が少し安くつきます。
 この工場のペレット生産は年間700トンで、500トンは販売し、200トンは自己消費しています。1000万トンが採算ラインとのことでした。現在、減価償却費に相当する1000万円程度の赤字が続いているそうです。

公共施設の
ボイラー燃料に


 ここで生産したペレットは「さわらびの湯」など3か所の公営施設のボイラーに販売しています。
さわらびの湯でペレットを受け入れるタンク(ペレットサイロ)。



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