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2004年12月8日

2004年12月議会 一般質問

2004年12月議会 一般質問... 1

I  台風被害の救済策について... 1

II 下水道整備計画の見直しと市営合併処理浄化槽事業の実施について... 2

III   自然エネルギーの活用について... 3

IV   社会保障としての介護保険制度の充実を... 4

V 個人情報保護条例について... 5

 

(I)     台風被害の救済策について

今年は台風23号を初め、長雨など自然災害が日本列島を襲いました。小矢部市においても被害が広範な分野に及んでいます。

台風被害の救済策について次の4項目の質問をします。

1.        農業被害の救済について

@      大豆被害の救済策について

刈り取り費用の助成と乾燥調整料への助成

台風と長雨で転作大豆に腐敗粒が多発し、収量も激減しております。1990年にも台風とその後の長雨で、大豆が不作となりました。その時には規格外大豆への助成金を出したことがありました。このような自然災害の場合、農業生産を続けるためにも大豆の刈り取りや乾燥調整料への助成が必要だと思いますが、見解を伺います。

品種の見直しを含めた総合的な対策について

また、転作大豆の品種について、見直すべきでないかという意見も聞きます。土地柄にあった品種に転換することについて研究するように産業建設常任委員会で申し上げたことがありますが、その後どうなっているでしょうか。

A      育苗ハウスなどの救済策について

復旧に無利子融資を

台風23号で市内では89棟のハウスが被害を受けました(全壊27棟、半壊43棟、被覆被害19棟、損害額計4500万円)。

営農組合で最近作った育苗ハウスは借金の返済がまだ終わっていないのに、倒壊したところもあります。新たな借金をして来春に備えなければなりません。この復旧に無利子融資を行っている県もあると聞きましたが、市としても対応してもらえないでしょうか。

2.        倒木、家屋被害の救済について

こんどの台風では、「倒木の始末に100万円かかった」「屋根が飛ばされて家の中を長靴で歩かなければならなくなった」などの声をよく聞きます。

小矢部市としてどのような対策をとられるのか、おたずねします。

3.        救済対策の周知、徹底について

台風で飛ばされたトタンなどを不燃物処理場で無料引き受けする制度を、小矢部市は持っており今回も生かされましたが、これが充分市民に周知されず、活用が不十分だったとの批判が出されています。

また、国の補助制度に該当しない小規模な農地、農業用施設の復旧に市が単独で補助する制度を、市は1998年の台風水害の際につくりました。今回の災害にあたって復旧のためにこれが活用されているのでしょうか。

せっかくつくってきたいろんな制度や仕組みがあるのですが、担当課がそのことを知らなかったようなこともありました。市としての救済対策を常に把握し、市民に周知徹底するとともに、災害ごとにその改善のための見直しをするよう求めたいと思います。

4.        いろんな災害を想定した防災訓練の実施について

今回の台風23号で市は41名の職員が夜を徹して災害の対応にあたりました。しかし、市民との間では各地区の自主防災組織との連絡も取っていませんでした。市には防災マニュアルがありますが、これでは充分活用されたとは言えません。

市役所を中心とする防災訓練の定例的な実施を提案したいと思います。たとえば、今年は風水害を想定した訓練をするのならば、来年は地震を想定するとか、いろんな災害を想定した防災訓練を、市民参加で定期的に実施することも必要ではないかと思われます。正得地区では毎年防災訓練を実施していますが、市はこれに甘んじるにとどめず、市役所と住民の間での協力体制も含む訓練を行い、その結果を分析し問題点を明らかにし、逐次改善していくことも必要ではないでしょうか。

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(II)  下水道整備計画の見直しと市営合併処理浄化槽事業の実施について

1.        下水道事業会計の現状について、その認識は

@      下水道事業債残高が今年度末には、一般会計の市債残高129億円をしのぐ143億円となります。一般会計からの下水道事業会計への繰入も毎年増加し03年度決算では農業集落排水事業とあわせると7億円を突破しています。公共下水道や農村集落排水事業のような集合処理では事業費が1戸あたり500万円から900万円かかるからです。散居村を含む農村地域への安易な区域拡大が深刻な財政危機を招いているのではないでしょうか。

A      このまま下水道会計の赤字が進み、借金が増え続けるならば、下水道の使用料金に跳ね返ることも懸念されます。こんど示された行財政改革基本計画案に、下水道の受益者負担の見直しを提起しているということは、今後10年間の間に下水道使用料の値上げを考えているのでしょうか。絶対値上げをしないと断言できますか。

B      事業費全体を抑制するためにも、個別に生活排水を処理する市営合併処理浄化槽整備事業の導入が急がれることをまず強調しておきたいと思います。

2.        市内全域水洗化の目標年次を明確に

下水道計画の見直しについて私は何回も議会で取り上げてきまして、当局もその見直しを約束されています。

見直しにあたって市議会産業建設常任委員会でも京都府の綾部市と福井県の武生市を視察してきました。そこで一番印象に残ったのは、市内全域の水洗化完了目標年次を明確にして取り組んでいるということでした。

綾部市では、水洗化普及率が24%(2000年度)と遅れていましたが、農業集落排水事業で予定していた区域を市営浄化槽事業に切り替えることによって、それらの区域では2081年度(平成93年度)に完了としていたものを2018年度(平成30年度)完了と見込むことができるようになりました。公共下水道についても住宅密集地で事業展開できることから完成年度を2034年度から2028年度(平成40年度)に、6年間早めることができると見込んでいます。

武生市でも2023年度(平成35年度)に完了を予定していました。

そこで3つ質問します。

@      下水道事業計画の見直しはいつまでにやるのですか。

A      小矢部市としても散居村を含む全域水洗化の目標年次を明確にして頂きたいと思います。

B      市営合併処理浄化槽事業について、いつから着手するつもりかお答え下さい。

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(III)                           自然エネルギーの活用について

風力や太陽光、バイオマス(木材、農作物など生物資源)など自然エネルギーの活用に取り組むことが求められています。

地球温暖化防止のために温室効果ガスの排出を、数値目標を掲げて抑える京都議定書がいよいよ発効することになりました。

そのためには二酸化炭素を排出する化石燃料(石油、石炭)を自然エネルギーに置き換えようという取り組みが重要な課題となります。化石燃料もバイオマス燃料も、二酸化炭素を排出するのは同じでも、植林すれば木材の場合は25年間でまたその二酸化炭素を吸収してくれるのに対し、化石燃料は30億年前につくられた炭素を燃やしており、排出された二酸化炭素は回収されないという違いがあります。

原発に頼れるかというと、これも事故が相次ぎ、放射性廃棄物の処理技術も未確立であり、新増設は困難です。

石油資源は、あと数十年で枯渇するとみられています。現在のスピードで使用するとあと33年、新油田発見など有利な条件でも79年しかもたないというのです。ヨーロッパを中心に自然エネルギーへの転換が推進されています。

日本でも「電力事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」が施行されました。

自然エネルギーへの転換は一気に進むものでもありませんし、長期的な試行錯誤がさけられないと思います。長期的視野に立って小矢部市としても先進的な役割を果たすことが期待されています。

1.        太陽光発電の公共施設への導入

かねてから提案してきた太陽光発電の公共施設への導入を、あらためて求めたいと思います。

その財源して、市議会でも以前から話題となっていた市民公募債の活用を検討しても良いのではないかと思います。市民自身の手で公共施設に太陽光発電を設置するという取り組みにもつながります。北陸電力に売った電気料金で利払いに充てるということも見込めるのではありませんか。

2.        バイオマスの活用

バイオマスの活用については、二つのことを提案したいと思います。

@      生ゴミの堆肥化について

生ゴミの堆肥化について、かねてから提案しておりましたが、自然エネルギーの有効活用を図る問題としても、大いに検討できるのではないかと思います。

A      林業と木材の燃料化への取り組み

二つめは林業を再生させ、小矢部市の地域経済を活性化する一つの重要な手段と位置づけて、木材の活用を多面的に図るということです。

昔は、里山は材木としての活用だけでなく、炭や薪など燃料としての活用がかなりの割合を占めていました。石油に押されてすっかり寂れてしまいましたが、木材の燃料化への取り組みが里山の再生につながる可能性を秘めていると思います。

そこで、倒木、剪定くず、間伐材、おがくず、樹皮、枯れ木の燃料化をすすめるために、行政としてプロジェクトチームを作り多様な可能性を調査研究し、情報発信をすることから初めてはどうでしょうか。

木材をペレットにして、ストーブやボイラーの燃料にしようという自主的な取り組みが全国に広がっています。その活用について市としても研究できないものでしょうか。

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(IV)                           社会保障としての介護保険制度の充実を

1.        国の制度の欠陥とそれを補う小矢部市の独自制度の貴重な意義をどのように認識しているか

介護保険がスタートして5年が経過しようとしています。「家族に頼る介護から社会が責任を持つ介護へ」がうたい文句のはずでしたが、現実は「保険あって介護なし」「保険あって給付なし」という事態が推移していると言わざるを得ません。

砺波地方介護保険組合管内では、「あなたは介護サービスを受けてもよいですよ」という認定者は5387人で、認定された人のうち実際にサービスを受けているのは、84%、4512人にしかすぎません。

利用している人でも、介護サービスを利用できるめいっぱい利用している人は1割にも満たないのです。平均でも利用限度額の42.1%しか利用されていません。利用限度額の3割未満しか利用しないという人は、利用者の41.3%にもなります。

この原因は、一つには施設が足りなくて順番待ちの人がたくさん残されていることです。保険料を払っているのに、施設がなくて利用できないというのは、文字通り「保険あって給付なし」ではありませんか。

また、利用限度額の半分も利用できないというのは、利用料負担が重くて利用できないという現実の反映でもあります。ケアマネージャーに聞きますと、ケアプランをつくる際、「毎月、どれだけだったら負担できますか」と聞いてかかる場合が多いそうです。その人の生活をいかに充実するかと言うことよりも、まずどれだけ利用料を負担できるかでケアプランをつくるのだそうです。

ここに介護保険の根本的な欠陥があります。この見直しをするというのであれば、「保険あって介護なし」の現実を改善する抜本的な手だてが、今こそ必要です。一つは基盤整備の遅れを急速に取り戻すことです。特別養護老人ホームやグループホームの拡充は急がねばなりません。もう一つは低所得者対策を強化し、保険料・利用料を低所得者に軽減することです。

国の貧困な制度のもとで小矢部市が独自に始めた制度はきわめて貴重な意義を持っています。訪問介護利用料の無料制度は小矢部市が初めて、それが砺波地方に広がった経過があります。市が独自で行う介護保険への上乗せ、横出しサービスも制度としては完備しています。

小矢部市が行っている独自の施策についての意義をどのように認識されているのか、まずお伺いします。

しかも小矢部市の場合は、このように手厚い対策をとりながら、市の借金残高を毎年減らしているのです。財政再建と福祉の充実を両立させている点でも、周辺自治体にその教訓を明らかにして、堂々と対応すべきだと思いますが、決意のほどを伺います。

2.        低所得者対策としての訪問介護利用料助成制度の存続を

次に、小矢部市が全国に先駆けて実施した訪問介護利用料助成制度を引き続き存続させるという決意について、お伺いします。

(再質問で行政評価について利用する)

3.        上乗せ、横出しの独自施策の活用促進のために改善すべき課題について

次に、せっかくつくった上乗せ、横出しサービスについて、充分活用されていない状況が見られます。これらはいずれも、在宅で介護しようとする人を支援する対策であり、国がいう「施設から在宅へ」の流れを促進し、結果としては介護保険財政への負担を軽くすることにつながります。このような大事な施策をわずかな財政負担を惜しんでないがしろにしたら、かえって施設利用へと流れ、莫大な財政負担に跳ね返る可能性があります。

利用できる施設に不足がないか、あるとすればその拡充が必要です。このような制度があることを知らなくて利用できないことのないように、市民やケアマネージャーなどへのPRにつとめること、所得制限などの利用条件の緩和をすすめることを求めたいと思います。

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(V)  個人情報保護条例について

個人情報保護法や個人情報保護条例に関して、大きくいって二つの問題が議論されていました。

一つは、個人情報の保護を口実に、国や権力が報道機関や言論の自由を束縛しないかという問題です。政治家の汚職などの追及を抑制させるのではないかという懸念であります。

日本ペンクラブが「言論表現・報道を目的とした個人情報を保有し、公表することと、民間企業が営利目的でそれらを保有・利用・公表することを区別することが重要」と指摘していますが、当然のことです。

言論・報道の自由を侵さないために、県段階の個人情報保護条例では、報道機関や政治団体、宗教団体を条例の規制対象となる事業者から除外するとともに、県としては報道機関などの事業者に対しては、指導も、監督、助言をしないことを明記した条例が少なからず見受けられます。

もう一つは、自治体が保有する個人情報が漏れ、目的外に利用されるのではないかという問題です。これには、かつて防衛庁が全国の822自治体から住所、氏名、年齢、性別という個人の4情報を、入隊適格者名簿として提出させていたことが大問題になったことがありました。

このようなことを防ぐために、こんど制定される小矢部市の条例に関して次の2項目について、確認します。

1.        個人情報の取得の制限に関して

まず1項目目は個人情報の取得の制限に関してです。行政がどんな個人情報を、どのような方法で取得するのかという問題です。3点おたずねします。

@      第5条3項には「思想、信条及び信教に関する個人情報並びに社会的差別の原因となるおそれのある個人情報については、取得してはならない」とされています。これは当然のことですが、「社会的差別の原因となるおそれのある個人情報」の中には犯罪歴も含まれると解釈するのか、念のため確認します。

A      条例では個人情報を本人から取得すると定めています。その例外として第5条2項には、本人以外から取得する場合があるとしています。しかし、その場合には、「こんな個人情報を行政が取得しましたよ」ということを本人に知らせることが大事です。その事実を本人に通知することを条例で明記している自治体もあります。是非小矢部市も条例本文または実施要領で本人に通知することを明確にするよう求めます。

B    またこの条例施行前にすでに実施機関で保有している個人情報にどのようなものがあるかを本人に周知する努力をつくすべきであり、第8条2項が定める「保有する必要がなくなった個人情報」の廃棄、消去についても徹底するとともに、本人に周知する努力をつくすべきです。そのための具体的手だてを含めてお答え下さい。

2.        個人情報の目的外利用と他の実施機関への提供の制限を実効あるものにするために(第11条関連)

二つめの項目は個人情報の目的外利用と、他の実施機関への提供に関してです。これは、「してはいけない」というのが条例の原則です。第11条でその例外になる場合が明記されています。ここでも3点質問します。

@      目的外利用や他の実施機関などへの提供にあたっては、そのことを本人に知らせること原則にするということです。このことを実施要領などに明記することを求めます。

A      本人より利用外目的や提供の中止を求められたら、その事情を検討し、本人の意思に沿って対応することを求めます。

B      目的外利用や他の実施機関などへの提供について市が「相当な理由」があると認める場合には、原則としてあらかじめ小矢部市情報公開・個人情報保護審査会の意見を聞いた上で(個人情報保護・情報公開審査会条例第2条第2項を準用し)決定し、その理由を記録し要求があるときは公開することを求めます。



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