1998.3.7 文責:倉島
否定側が「省エネは世界的な問題」と主張したのに対して、肯定側はその言葉をうまく使って、「否定側の言うように省エネには世界的な要請がある」と切り返してきました。一見、見事な反論のような印象を与えます。
しかし、肯定側は省エネが重要と言っているだけで、論点となっている「年間55万Klの省エネは重要か」ということに対しては何ら回答していません。つまり、肯定側は論点を「年間55万Klの省エネが重要か」から、「省エネは重要か」にずらしてしまったのです。
したがって、否定側は肯定側の主張に乗らず、否定側が「年間55万Klの省エネは重要か」ということに何ら回答していないことを指摘すればよいでしょう。以下のような反論が考えられます。
否定側は、「省エネには世界的な要請がある」と主張しましたが、今われわれが問題としているのは、省エネそのものの重要性ではなく、年間55万Klの省エネが重要かということです。言い換えれば、年間55万Klの省エネが世界的に要請のある省エネに対して、意義ある量かということです。否定側の議論は的外れであり、我々が第一反駁で述べた反論に対して何ら反論していることになりません。