ヘラクレスの栄光V 神々の沈黙
ストーリー提供:ゆまさん
―――古のギリシア。 何百年とつづく平和な世界。 人々の心の中には,「苦しみ」,「悲しみ」などという感情が, 何代もの祖先にまでさかのぼらなければ見出せないほどに, 安穏な時代はつづいていた。 天界に住まう神々も,人々が穏やかに,平和に暮らす地上 の楽園を眺めるにつけ,自分たちが創造した世界が,正しい 歴史を刻んでいることに,大いに満足していた…。 しかし,そのような時代にも,常に地上に,そして,そこ に暮らす人間たちに,じっと目を凝らす神がいた。オリンポ スの神々の最高神であり,全世界の偉大な創造主である大神 ゼウスである。 彼は片時も離すことなく見開いた目で地上を見降ろし, たとえ小さな変化といえども見過ごすことなく,常に地上 界を注目していたのだった。 そして,ゼウスの目は,平和の楽園に,徐々にではある が,変化の兆しが訪れていることを見逃さなかった…。 生命のほかにも,人間たちは多くのものを神々より授かっ た―――愛,夢,希望,勇気…,―――が,しかし,人間の 心を揺るがし,人間を動かしていたものは,ほかならぬ神々 より受け継いだ"欲望"であった。そして,"欲望"の行きつく 先は―――当然のことだが,―――神々自身はよく知って いた…。 大地の女神・ガイア―――外に「生の世界」を,内に「死 の世界」をもつ母なる大地は,人間の欲望のために病み, 傷つき,その結果,二つの世界の境界を維持することが困難 になりつつあった。 傷ついたガイア!? 激しく動揺する大地。地上にはいくつもの穴があき,それ はいつの間にか「死の世界」にまで届いてしまっていた。 そして,そこから這い出した魔物ども―――彼らは「死の世 界」の住人!?―――が,人々を襲い始めたのだった!! ゼウスは地上を見降ろしながら,思いをめぐらせていた…。 人間たちへの愛情は否定できない。しかし,それはガイア ―――母なる大地があればこそのこと。ガイアは今,傷つ いている。そして,そのガイアを傷つけたのは,ほかならぬ…。 ゼウスは決断をくだした。 今,もっとも重要なこと,それは大地を救うこと,人間は もう一度創造(つく)ればよい!! 心を決めた"すべての支配者"は,オリンポスの神々を 集め,話しを始めた。 ”ガイアを救うのだ!!” ■ゲームの進め方 "ヘラクレスの栄光V〜神々の沈黙"は,記憶を失った若者が旅 をつづけるうちに,いろいろな人と出会い,様々なことに直面し ながら,自分を探し,本来の自分を見出していくことを描いた RPG―――物語です。 行く手をはばむ魔物たちとの戦い,待ち受ける様々な困難, 幾多の謎…。 主人公の,つまりあなたの進む旅は,決して楽ではないはずで す。でも勇気を出して,知恵をしぼって前進してください。 あなたは,今までの人生では出会うことがなかった,いろいろ な体験をすることでしょう。そして,長く,苦しい旅を終える頃, きっとあなたは…!? |