ドラゴンスレイヤー英雄伝説

はるか昔、いや、もしかしたら遠い未来のことかもしれない。とにかく言えることは、「イセルハーサ」と呼ばれる、豊かな自然に恵まれた世界があり、そこに自然の恩恵を受けながら生活する人々が住んでいるということだけだった。大小いくつもの島々、島大陸、そしてそれらをとりまく青い美しい海によって形成される世界にはファーレーン、ウォンリーク、ラヌーラ、ソルディス、モレストンの5つの国があった。

イセルハーサのほぼ中央に位置するロンウォール島と、それよりはるかに小さいサースアイ島から成るファーレーン王国は、国土が狭いこともあって、これといった特産物のない貧しい国だった。しかし、そこに住む人々は少々の貧しい生活をものともせず、心優しきアスエル王の統治のもと、平和な日々を過ごしていた。

ところがある晩、予告なしの異変が首都ルディアを襲った。モンスターたちが大挙して城に攻め込んできたのだ。突然の夜襲の上、何故か城門のかんぬきが外されていたため、モンスターたちはたやすく城内に侵入、兵士たちと戦闘になる。今までモンスターなど見たこともない兵士たちは、驚きとまどい、しばらく混戦状態が続く。しかし、夜が明けるころにはモンスターの勢力が衰えはじめ、ついには追い払われてしまう。重大な危機を脱し、人々は歓喜するが、それはすぐおさまってしまう。国王アスエルがモンスターに殺害されたと知らされたからである。

この時、世継ぎのセリオス王子は、わずか6歳。ただ一人アスエル王の最後をみとったという側近のアクダムは王から摂政に任ぜられたと言い、セリオス王子が16歳の誕生日に王位継承するまでファーレーンの政務を行うと宣言する。

そして王子は、王位継承の時まで、サースアイ島のエルアスタの町で教育されることになった。

それから約10年の歳月が流れた。

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