人騒がせなドライバー


K君が仕事中に会社の車で移動中、携帯電話が鳴りました。

相手は友人のX君でした。

X君「あ〜もしもし、Xだけど、今何してんの?」

K君「何って、仕事に決まってんじゃん!」

X君「あ〜、そうか会社?」

K君「いや、会社の車で移動中だけど・・・」

X君「え、今どこ走ってるの?」

K君「○○町あたりだけど」

X君「あ、じゃあ うちに近いじゃないか。
ちょっと寄れない?渡したい物があるんだけど・・・」

K君「うん、どうせ通り道だから、寄るだけならいいよ」

X君「じゃ、待ってるから」

K君「わかった」

数分後、K君X君の家の前に着いたので、クラクションを鳴らしました。

「プヮァ〜〜ン」

妙に余韻のあるクラクションを聞いてX君K君が来た事を知りましたが、

『あれ?、会社の車ってトラックだったのかな?』と思いながら、

扉を開けて玄関先に出たX君はカッキ〜ンと凍り付いてしまいました。

なぜなら、家の前にデ〜ンと停まっている車の屋根は金箔張りで、

その頂上には燦然と光り輝く黄金の龍が、舞い踊っていたからです。

実はK君は葬儀社の社員で、

霊柩車を葬祭場へ配車している途中だったのです。

X君から品物を受け取ったK君は、

何事も無かったかのように走り去って行ったのですが、

X君の御一家は、その日一日中、近所の人からの

「どなたかが・・?」

「何か御不幸でも・・?」

という問合せの対応に追われたのでした。