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シクロスズメバチ Vespula shidai Ishikawa, Sk.Yamane & Wagner, 1980 |
体長は女王バチ15〜19mm,働きバチ10〜11mm,オスバチ12mm〜14mm位と小型のスズメバチです.身体は黒色で白い斑紋があり,各地で普通に見られるクロスズメバチとよく似ていますが,頭盾中央の黒帯が下縁まで達しているのと,複眼内側の白色部がえぐれている点で区別できます. 日本本土亜種 Vespula shidai Ishikawa, Sk.Yamane & Wagner, 1980は 北海道,本州,四国,九州に広く分布し,北海道では平地から低山地にかけて普通に見られますが,他の地域では山地寄りに多く分布しています. 奄美大島と加計呂間島には奄美亜種 Vespula shidai amamiana Yamane,1985 が分布しています.本亜種のコロニーは多年性で,巣には複数の女王バチが存在し,通年活動するという本土亜種とは異なった性質を持っています.
営巣場所は閉鎖的な場所で,大部分が土中ですが,屋根裏や樹洞にも営巣します.活動開始は早く,越冬した女王バチは3月下旬には活動を開始します.活動期間は極めて長く12月頃まで続くことがあります.働きバチは6月から羽化し,オスバチ,新女王バチとも10〜12月に羽化します.新女王バチの羽化数は営巣規模により異なりますが,1000〜3000頭と多数です. 営巣規模はクロスズメバチよりも大きくなることが多く,巣盤数は8〜12層,育房数は8,000〜12,000房になります. 幼虫の餌として主にハエやアブなどの小型の昆虫やクモなどを狩ります.攻撃性,威嚇性は強くありません.クロスズメバチとともに”へぼ”,”地蜂”などと呼ばれ,幼虫や蛹を珍味として食用にします. |
巣穴から出入りする働きバチ | 巣の外皮止まる新女王バチ | 巣盤に止まるオスバチ |
日だまりの岩に止まる働きバチ | テープに止まる働きバチ | マツで甘露を舐める働きバチ |