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ツヤクロスズメバチ  Vespula rufa (Linnaeus, 1758)


体長は女王バチ16mm前後,働きバチ12~14mm,オスバチ13~17mmで,黒色の体に白色の班紋があります.北海道,本州,四国および九州に生息しますが,北海道以外では500m~2,000mの山地に生息しています.

女王バチは6月に営巣を開始し,働きバチは7月から羽化します.オスバチは8~10月,新女王バチは9~10月に出現します.新女王バチの羽化数は営巣規模により異なりますが,100~200頭と少数です.

営巣場所は閉鎖的な場所で,浅い土中が多く,希には屋根裏,壁間などにも営巣します.巣盤数は3層以下,育房数も400~1,000房で,クロスズメバチ属の中では小型の巣を作ります.巣の外皮は他のクロスズメバチ属とは異なり灰色の和紙状で,巣の形は下の方が細くなった提灯型をしています.幼虫の餌としてガなどの生きた昆虫だけを狩ります.攻撃性,威嚇性はあまり強くありません.


キオビクロスズメバチ  Vespula vulgaris (Linnaeus, 1758)


体長は女王バチ18mm前後,働きバチ10~14mm,オスバチ15~18mmで,黒色の体に黄色の班紋があります.北海道と中部地方以北の山岳地帯に生息しますが,個体数は多くありません.

女王バチは5~7月に営巣を開始し,働きバチは9月頃に羽化します.オスバチと新女王バチは9~10月に出現します.

営巣は閉鎖的な場所で,土中が多く,希に樹洞などにも営巣します.巣はフットボール状で,巣盤数は4~9層,育房数は4,000~9,000房位になります.幼虫の餌として各種の昆虫やクモなどを狩ります.攻撃性,威嚇性ともあまり強くありません.


ヤドリスズメバチ  Vespula austriaca (Panzer, 1799)


体長は女王バチ16~18mm,オスバチ11~16mmで,働きバチはいません.体は黒色で黄色の班紋があります.北海道と本州中部以北の山地に生息しています.

女王バチは6~7月に出現し,働きバチが羽化後のツヤクロスズメバチの巣を探し出して内部に侵入し,相手の女王バチを刺し殺して巣を乗っ取ります.自身は働きバチを産まず,オスバチと新女王バチだけを産み,ツヤクロスズメバチの働きバチに育てさせます.チャイロスズメバチとヤドリホオナガスズメバチも同じような行動を取り,社会寄生性のスズメバチと呼ばれます.