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ハチに似た虫図鑑


ハチに似た昆虫を集めてみました.スズメバチが黄色と黒の縞模様で,非常によく目立つ色をしているのはなぜでしょう? これは”警戒色(警告色)といって,派手な色で自分が危険な虫であることを強調し,捕食者から身を守るための手段です.スズメバチやアシナガバチなどが皆同じような色彩をしているのはそのためです.

毒のあるもの同士がよく似た形や色彩をしていることを”ミューラー型の擬態”といいます.また,カミキリやガの仲間にもハチにそっくりなものがいます.毒の無い者(ミミック,まねし)が毒の有る者(モデル)に似ることを”ベーツ型の擬態”といいます.

ガやカミキリムシなどハチに似た昆虫はたくさんいます.これらの虫はハチに姿を似せることにより外敵からの捕食を免れる効果があると考えられま.


ハナアブの仲間


 ハナアブの仲間はスズメバチにそっくりの種類が多い.飛んでいる時はキイロスズメバチ(右の写真)に似ていましたが,花に止まるとモンスズメバチにもよく似ています.

スズキベッコウハナアブ


 スズメバチの巣に寄生する3種類のベッコウハナアブのうち,本種はチャイロスズメバチにそっくりな色合いをしています.メスの成虫はスズメバチの隙をねらって巣の中に侵入して産卵します.幼虫はスズメバチの巣の中で越冬して蛹になり,翌年の夏に羽化してきます.

コシアカスカシバ


 樹液に飛来した姿はキイロスズメバチ(右の写真)そっくりです.透明な翅をもった昼間活動するガの仲間ですので危険はありません.スカシバの仲間はスズメバチそっくりな色合いをしていて感心させられます.
カシコスカシバ

カシコスカシバ


 飛んでいる時はホソアシナガバチの仲間にそっくりです.幼虫はカシ類の材を食べて育ちます.

ヒメアトスカシバ


 飛んでいる時はドロバチにそっくりですが,ガの仲間です.幼虫はヘクソカズラの茎にできた虫こぶの中で成長します.(右はオオフタオビドロバチ)
  ブドウスカシバ
 このガもドロバチにそっくりです.幼虫はブドウの仲間の茎にできた虫こぶの中で成長します. 

ハチモドキハナアブ


 ドロバチにそっくりですが,名前のとおりハナアブの仲間で,樹液によくやってきます.翅が2枚しかないのと,触角が短くて形も違っているので,良く見ればハチでないのが分かります.

 オオスカシバ


 ハチと間違えて時々相談があります.昼間活動するガの仲間ですので危険はありません. 羽化してしばらくすると翅の鱗粉が落ちてしまい透明になります.吸蜜に様々な花を訪れ,ホバリングしながら蜜を吸っています.幼虫はクチナシの葉を食べて育ちます.