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スズメバチの営巣期間と営巣規模 |
|営巣期間と営巣規模|スズメバチの交尾行動|スズメバチの越冬|スズメバチの採餌習性| |
越冬を終えた女王バチは,本州の西南暖地では4月以降に,キイロスズメバチ,オオスズメバチ,モンスズメバチ,コガタスズメバチ,ヒメスズメバチの順に出現します.出現時期は最も早いキイロスズメバチとクロスズメバチが4月上旬,最も遅いヒメスズメバチが5月下旬で,スズメバチの営巣規模や活動期間は地域や種により異なっています. 一般に気候が寒冷な北海道や本州の高地では営巣開始時期が遅くなり,逆に終了時期が早まるため活動期間は4ヶ月前後と短くなっています.本州の西南暖地では最も長期にわたるもので4月下旬から12月までの8ヶ月間に及びます.都市部で多発しているコガタスズメバチとキイロスズメバチの活動期間はいずれも長期営巣型ですが,営巣規模はコガタスズメバチが小規模型,キイロスズメバチが大規模型と違いがみられます. 活動期間は短期営巣型のヒメスズメバチは5月中旬〜9月までの約4.5ヶ月と短く,キイロスズメバチは4月下旬から12月中旬までの約8ヶ月と長期に及びます.他の3種はオオスズメバチ,コガタスズメバチ,モンスズメバチの順でこの中間に位置しています. 営巣規模が最も大きいのはキイロスズメバチで,大きな巣では育房数が10,000房を越え,成虫数も1,000頭以上になります.以下モンスズメバチ,オオスズメバチ,コガタスズメバチ,ヒメスズメバチの順で,最も小規模なヒメスズメバチでは育房数は200から300房,成虫数は50頭程度にしかなりません. 都市部におけるコガタスズメバチの営巣規模は,山村部のデータと比較して同規模かむしろ上回る傾向にあります.名古屋市内で観察された最も大きかった巣は2003年10月3日に守山区で駆除した巣で,育房数は1,955房と本種としては極めて大きな巣でした. このように大きな巣がある反面,営巣規模が最大となる10月になっても,1層から5層までの巣が同時に存在するなど,大きさにはバラツキが見られます.そのため10月の平均育房数も500房程度に過ぎません.この原因としては,共同営巣期に女王が死亡したケースや,スズメバチネジレバネの寄生などが原因として考えられます. |