喜田委員長に対する質問状



全く聞く耳を持たないとはこのことでしょう。ワクチンの要求はまるで養鶏家の無知から来ているような云い方は聞き捨てなりません。FAOなどの勧告はどうしたのですか。国を挙げての壮大な実験ともいえるメキシコの成功例はどうなったのですか。一人の世界的権威の主導で鶏の大虐殺をおこなったオランダも結局はワクチンに頼らざるを得なかったではありませんか。発症は押さえても感染は防げないと再三云われるが、鶏にとっても人間にとっても一番危険なのは、発症させることなのはもうはっきりしていることです。かえって混乱を招くといわれるが、その技術はDIVA(ワクチン接種を受けた動物と感染動物の区別)としてもう世界的に常識化しているのをまだごまかすのですか。このように貴方の説明は矛盾だらけです。それで一体なにを守ろうとしているのですか。もうごまかしはたくさんです。

今度の京都での発生事例でも、ブロイラー農場の件もA農産のせいにしているような研究者のコメントがあるが、少なくともA農産が原発でないことは事実なのに、そのような捕らえ方は恣意的としか言いようがない、廃鶏を運んだルートとは逆方向で取引もなく、事実上全く無関係なのははっきりしています。そのうえブロイラー農場主は消毒は褒められるほどやっていたといっておられこれ以上やることはないとしていたのにやられたということは取りも直さず、消毒などは効果がなかったということなのです。

一番の問題はワクチンを否定する根拠の大本が、未だ我が国では鶏の殺処分によってトリインフルエンザの撲滅が可能だとしている点で、大槻さんは数年前からアジア全体でとらえねばとしていたし、喜田さんに至っては、ウイルスとの共存を唱えているのに、お二人とも一方では頑なに反対のための反対を繰り返している。どちらかがウソなのです。このことは既にFAOなど三機関の共同声明でもアジアでの取り敢えずの撲滅は無理だとして、最早、ワクチンによって環境中のウイルスを減らす努力をして、むしろそのことが人類を救うことになるかも知れないとしていることさえ国民に隠しているのですよ。

さんざ見え透いたウソをついて、もう消費者を納得させるものはワクチンしか残っていないのですよ。日本の鶏はワクチンで守られましたから、これで安全です。とする以外もう方法はないのです。その唯一ともいえる安心感の源を自分たちの研究の為に犠牲にするのですか。

さらに許せないのは6月終焉説で予断も甚だしい。世界的な今度の大流行が殺処分と消毒だけで、6月に自然に収まるとでも云うのですか。30度を越す東南アジアの発生状況を見てもそうは思えないし、イタリアなどの報告のように秋になるとまた強毒化することは目に見えています。

政府も行政も象牙の塔の人達も、現場の養鶏場の苦しみや、もう極限まできた消費者の不安も一向に分からぬらしい。 トリインフルエンザワクチンに関するすべての情報を開示して、その是非を国民に聞いてごらんなさい。今やひとり鶏だけの問題ではない、全国民、全人類の問題でもあるのです。

FAOなどの勧告に逆らって恣意的とも思えるワクチン非難を繰り返す学者たちに告げたい。これ以上の鶏殺に消費者が耐えられると思うのか。養鶏家が耐えられると思うのか。いわれのないワクチン非難をして国民を不安のどん底に陥れるのは何の為なのだ、と。

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