鳥インフルエンザ問題の今後(188)



青海湖発祥とされるウイルスは家禽に馴染んだものが毒性をもってガンカモやツルなど長靴族に逆感染したと言われたが実際にやられてみると接種試験を見る限りは鶏と全く相容れない甚急性で、ウイルスは100%相手を殺し、ホスト側は猛反発してさながらショック死同様(とき様)であり全く馴染んで居る様子がない。1997年以来まだ発展途上なのか、それとも日本の鶏がウブ過ぎるのか。その分未だ感染力は鈍いのかも。昔のA−Japan同様痕跡(抗体)すら残さないかも知れない。どこからどこまで茨城株と正反対とすれば対策も又変えなくてはならないだろう。いたずらに騒がずにそっと遮断して見守るというのはどうだろうか。まだ自分で生き残りを図ろうとしないウイルスらしいからなどといろいろ考える。

繰り返し述べたがA−Japan以来、発症が一カ所で済んだことは一度もない。それも不思議なことにそれぞれの発症場所は何時の場合もかなり離れて居る。これが鳥インフルエンザの特徴だと思われる。96年の時は岩手と鹿児島、3年前は山口、大分、京都。茨城の場合は発症とは言えず分からないだけだ。だから今度も残念ながら宮崎だけで治まるとは経験上思えない。それに矢張り韓国とは同一エリアである。

何度も指摘するが、微生物の鶏舎内への持ち込みの犯人は多くの場合クマネズミと野ネズミであった。これはサルモネラで科学的にも調査済みである。だからずっと防鳥網では侵入を防げないと言い続けて来た。若し人や資材が媒介するなら都市部に近い直売農家から発生する筈である。それが実際は防鳥網を備えた人里離れた山間の養鶏場で発生する。これはもう野ネズミ以外ないとまで私なら考える。昔サルモネラがそうだったのだ。

実際の調査の対象も採卵鶏の1000羽以上である。5羽10羽の庭先の鶏が死んだとしても把握出来る筈が無い。だからメキシコでは予めそれらをすべて殺してしまった。土台、鳥が運ぶウイルスを遮断して押さえ込もうとすること自体がどう考えても無理なのである。兎にも角にも宮崎2例目は、若齢ヒナでもあり抗体の出方からも、いきなりの強毒発症であったと思われる。今後の火の粉はおおむねこんな形で飛び散るものと思わざるを得ない。鳥インフルエンザの性格からすれば1例目とたった60キロメートルしか離れて居ないのに水平感染を否定することは出来ないのではないか。さりとて一カ所とは言えない距離だ。予防ワクチンを考えないとしたら、人間型と同様ともかくあと2カ月なんとかそっとやり過ごすにしくはない。本当は自然の脅威とはそうしたものではないのだろうか。

今のニュースで今度は岡山に出たという。初期の遮断に失敗したわけではなくこれが自然の姿であると観念しなくてはならない場合もあると思わなくては鶏など飼っていられない。繰り返すが1997年の香港以来、H5N1も、もっと鶏に仲良くなって来るかと思って居たら、案に相違して、接種試験をみた限りでは80年前に逆戻りである。それとも日本はやっぱり清浄国だったんだろうか。

蛇足ではあるが韓国の対策でも野ネズミを対象に防疫を考えるのでないと、家畜やペットだけでは幾ら殺しまくっても全く無駄だと思えるのだが。ネズミの場合は保毒そのものより外側にくっつけて鶏舎内に走り込むことがやっかい千万なのだ。京都事例の時それを指摘したら、今回のウイルスのネズミに対する致死量は香港例の50万分の1、ネズミの鼻にウイルスを詰め込んでも発症しないとする獣医さん達の反論にあって唖然としたことが思い返される。あの頃から、検査技術以外は全く進歩していない。

H 19 1 28. I,SHINOHARA.