"スパークNo237" (2004.3)
過労死する! 何とかして
デンソーテクノの仲間からメール
デンソーの関連会社・デンソーテクノの仲間から、昨年10月1日、日本共産党本部へ左記のようなメールが寄せられました。
告発状
平成15年10月1日
サービス残業を告発する。!
前略、世間では、企業のサービス残業が社会問題化しているが、我が企業(デンソーテクノ)でも御多分に漏れず、サービス残業が続いている。
特に、設計、CADオペレータ、カーナビ評価、事務などの職種で多く見受けられる。このままサービス残業が続けば、過労死する者が出ても
不思議ではない。中には、年間の労働時間が、1000時間を越えている者もいる。サービス残業している者は比較的体力のある若年層に多い。
若年層の社員の中には、派遣社員も含まれている。(原文のまま)
いつも国会で無償残業問題を取り上げている日本共産党の八田ひろ子参院議員はこれを重視し、スパーク
発行責任者に協力を要請してきました。日本共産党デンソー支部はただちにデンソーテクノの本社がある大府市を管轄するする半田労基所を
訪れ、監督官に調査を要請しました。
その結果、次のような回答が労基署からありました。
「大府のデンソーテクノ本社を調査したところ、文書上では無償残業はみられなかった。ただし、長時間残業の実態がみられたので十二月に
文書で指導した。また無償残業を会社自ら、調査するよう指示したところ、会社からサービス残業はなかったという報告を受けている。職場が
あちこち、ちらばっているので現場指導者に時間管理を周知徹底するようデンソーテクノを指導した」
夜は遅く、土日も出勤、サービス残業、体が心配、まるで母子家庭、
西尾の冷却器製造部に働く仲間の奥さんからメール
昨年六月、下記のようなメールがスパーク編集部に届きました。
送信日時:2003年6月28日 16:18
件名: サービス残業
初めまして、「デンソー 西尾製作所 冷却機製造部 第3生産技術室」の社員の妻です。(匿名希望でお願いします)
毎日、夜は22時30分か23時ごろの帰りで、毎週土曜日は必ず工事の立ち会い、日曜日も時々工事の立ち会いで仕事に行きます。
土曜日に出勤しても代休はなしで、有給もほとんど取れません。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
残業も全部はつかずサービス残業の毎日でした。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
私の両親も休みなしで働いて体が大丈夫か?と心配していました。
○○○○○○○○○○○○○○
夜も朝もほとんど会えず、土、日もなかなか遊んでもらえず、母子家庭のようです。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
もっと、労基署に指導するよう、要請お願いいたします。
(伏字は編集部)
日本共産党デンソー支部は、このメールを西尾労基署に持ち込み、監督官に調査するよう要請しました。その結果、次のような回答が
労基署からありました。「工事立会カードなども調べたが、無償残業などの違法行為は発見できなかった。土曜出勤は確かにしていた。
残業の多い人もいた。会社も最近は夜十時前には帰宅するよう徹底しているとのこと。しかし労基署としては、もっと早く帰れるよう会社を
指導していく」
全国でサービス残業代253億円払わせた
日本共産党小池晃参院議員事務所がまとめたところによると、昨年末までの二年半の間に、全国で二五三億円の無償残業代が支払われた
ことがわかりました。これは厚労省の発表分に、その後、明らかになった分を合計してわかったものです。つい最近明らかになり、この数次に
含まれないものには、愛知銀行の一億四千五百万円があります。もちろん二五三億円のうち、トップは中部電力の六十五億円です。つぎに
武富士の三十五億などが続きます。しかし、これも日本列島全体の無償残業から見れば、氷山の一角のそのまた一角でしょう。中部電力の
名誉のために言っておきますが、この六十五億円を支払った中電の姿勢には評価できる面もあるのです。それは
@企業が自ら調査し
発表したこと
A二年間にさかのぼって調査したこと
B退職者にも波及させたこと
C労働時間適正管理に向けて労使
共同宣言を発表したことです。
この宣言は次の言葉で結ばれています。
「今回の調査結果を踏まえて、これに至った要因を十分分析し、所謂サービス残業一掃を目指して平成15年度中にアクションプログラムを
策定し、より一層風通しの良い明るい職場づくりに労使で全力を傾注していく所存であります。 以上」
これが真面目に実行されると、こういう会社は伸びると思います。注目していきたいものです。
今年四月から、無制限だった残業時間が規制強化されます。
――八田ひろ子議員の国会質問実る。
この四月から厚生労働省の通達により、事実上、青天井だった残業時間が厳しく規制されるようになります。過労死や無償残業の温床と
なっていた「労働時間の延長の限度等に関する基準」が改正されたのです。ここに国会での八田議員と小泉首相とのやりとりのほんのさわりを
紹介します。
2002年(平成14年)12月9目参院決算委員会
◎八田ひろ子君
今、総理、長時聞労働がすごい、三千六百五十時間、このお話をちょっと聞いているんですけれども、その次のぺ一ジ、めくってくださいますか。
Bと書いてあるところ。
これもやはり豊田の労基署の資料なんですけれども、これ一番上を見ていただくと、これ相談や訴えがすごく、サービス残業の摘発があって
多くなって、それの一部だそうです。
これでは過労死が起こるのも当然です。経営者の責任を問う声もこの後ろに続いているわけなんですけれども、総理、企業や経営者の責任、
こんな長時間労働、これ責任は重大だと思いませんか。
◎内閣総理大臣(小泉純一郎君)
この長時間労働、過労をいかに防止していくか、それは企業の経営者としても当然考えてもらわなきゃなりませんし、むしろ元気に仕事に
就いてくれるということが企業の業績にも、向上につながるんじゃないかというような意識転換をしてもらわないとゆゆしきことになると思って
おります。
そういう点からも、日本としては、労働者のこの長時間労働あるいはサービス残業問題について、今後、経営者に対しましても改善措置を
講ずるように、より一層努カをしていきたいと思っております。
写真にみる日本史の中の日本共産党 連載十四回(完)
南京大虐殺――いつかきた道をふりかえる
写真は川岸をうめる中国軍民の死体の山。(一九三七年)中国の首都、南京に侵略した日本軍は南京大虐殺と呼ばれる大事件を起こした。
事件は欧米のジャーナリストや外交官によってただちに打電され、国際的大問題となった。日本では、今「この事件は存在しなかった」という
左翼、マスコミがあらわれたり、自衛隊のイラク派兵、小泉首相の靖国神社参拝などが大きな国際問題となっています。中国首脳が「過去の
歴史認識」を日本政府との階段で重要議題にするのは当然です。このことは私たち日本人にとっても極めて現代的問題と言えます。
今回でこのシリーズは終了します。次回からは、今年一月に約四十年ぶりに大改訂された日本共産党綱領をわかりやすく紹介する
新シリーズをスタートさせます。乞、ご期待。