"スパークNo235" (2003.11)
不思議な裁量労働制度
スパーク発行責任者に次のような手紙が本社技術部の担当部員から寄せられましたので紹介します。
日本共産党デンソー支蔀御中
はじめまして、デンソー本杜技術部の担当部員です。
よそ様からは9連休でうらやましいと言われつつも、実態は連休中の出勤3日あり、その他の日も自宅パソロンで報告資料作成と仕事をしているなか、やりきれんなあ、息抜きにとインターネヅトでサービス残業を検索して見つけたrスパーク」のホームページ、すみずみまで読ませて頂きました。
サービス残業に正面から取り組んでおられる活動を聞いてはおりましたが、出勤時に門の前で配って頂くスパークを、次回からは自信を持って受け取れる勇気が沸いてきました。
初めてのお手紙ですが、日頃不条理を感じている裁'量労働制度について、ご相談させて項きます。
インターネットのある掲示板の書き込みに、次のようなものがありました。
「デンソーは係長格になると実質強制的に裁量労働制に移行させられて、わずかな手当てで残業時間が無限大になるらしい。」
仕組みを知らない人にはわからないでしょうが、全くその通りだと情けなくなります。
トヨタ自動車のサービス残業間題はじめ、スパークの活躍をもって、おかげさまで、夜10時以降の残業は禁止となりました。
外圧ですが、これで多くの仲間が死なずに済んでおります。
しかし、その反面、休日出勤、早朝出杜の強要、有給休暇も取得出来なくなりました。
本来、裁量労働制度では、ある程度の残業分は見込んであることは承知しておりましたが、最近、25時間の残業分以上の仕事量を設定してはならないルールになっていることを知り愕然としました。
私の場合、殆どの土曜日に出社しておりますし、平日は、皆と同じく毎日10時までおり、10時直前に走って部屋を出るという有様ですので、時間外労働時間は、100時間程になりましょうか。
これから、規定の25時間分を除いても、かなり高負荷な仕事量と思われます。
少なくとも、殆ど父親が家にいない状態の家族にとっては、サービスで仕事をやっているとは思っても見ないことで(とても言えない)、大企業ですのに情けなくなって参ります。
日本共産党西尾市委員会に届いた手紙を読ませてもらいました。
同じ仲間として、全く共感することばかりです。
職場の上司の人間性・考え方一つで状況はかなり改善する余地はあると思いますが、室長・部長クラスは会杜との間に挟まれてしまって、まともな人はおりません。
先月のことでしたが、労働組合から有休低取得者への有休を取りなさいという通達があり、会杜からは有休敢得日を表に書いておくよう指示があったわけですが、上司は、書くだけ書いてね、書いて仕事すれぽいいんだから、、、と平気で言い放ちました。
夜10時以降の規制を10時までやってもいいんだゾーって言いのける上司、これでは、やりがいのある職場環境など望めるわけがありません。
夜10時規制の弊害として、会議などが早朝に持ってこられています。
帰宅後自宅パソコンで残業しているのだから、眠くて少し遅れる場合もありますが、遅れる者は単にやる気のない者ということで酷く怒られます。
それで会社を辞めろといわれている仲間も目撃しました。
いったい、こんな状況に追い込んでいるのはだれなんでしょうか。
また、ハートフルメッセージなるものの紹介がありました。
これは、仕事が一段落したときに、上司から家族に頑張ってくれて感謝しますとのメッセージが頂けるというものらしいです。
趣旨には異論がありませんが、現在のような状況の中で、それらを先導している上司からメヅセージを頂いても、多分家族には渡させず、ゴミ箱へ捨てると思います。
また、このような暢気なことを計画している部署が、同じデンソー内にあることも、不思議な会杜と思えてしまいます。
多くの苦しんでいる杜員の上に、外向きの仕事を繕っている部署があるということですね。
そこで、匿名でも、有効な訴えにつながる方法をお教え下さい。
特に、裁量労働制度のおかしな事を取り上げて頂けたら幸いです。
ここ何年かは、家族との大切な時間を無駄にしてきたような気がして焦っています。
今後、どうやって自分と家族を守っていったらよいのか、考えてみたいです。
私は、入杜当時のような、真っ当な技術を語る仕事をしていきたいだけなのです。
今後もスパークのホームページを見ていきます。
どうぞよろしくお願いします。
H15.8.16 デンソー本杜 一担当部員
中部電力 サービス残業代払う
6千5百人に9億3千万円
中部電力は9月19日、管理職を除く従業員(1万7干人)の4割に当たる約6500人が時間外賃金を支払わない「サービス残業」をしていたことが分かったと発表しました。名古屋北労働基準監督署の是正勧告を受け調査を実施して判明したもの。同社はこの日、今年1月から六月までの未払い賃金として総額9億3千万円を支払いました。一人あたり14万3千円相当。
6カ月間のサーいビス残業時間は平均45時間、最長五540時間。未払い金額が最も大きかったのは名古屋市の本店に勤務する40代半ばの係長級社員で、223万円に上りました。同社は2001年4月分までさかのぽって調査を進め、年内にすべて精算したいどしています。
労働者のたたかいと社会的世論の結果
是正勧告ができたのは勇気ある労働者のたたかいと、サービス残業は許さないという社会的世論の結果です。中部電力は公的ともいえる企業の責任をきちんと果たすべきです。
日本共産党の八田ひろ子参院議員の話
サービス残業・長時間労働根絶ぜひ
八田参院議員ら 刈谷労基署と懇談
サービス残業、長時間労働をなくすための活動を強めている日本共産党の八田ひろ子参院議員は8月28日、愛知県刈谷市の刈谷労働基準監督署を訪ね、懇談しました。
同署管内の刈谷、碧南、安城、高浜、知立の五市はトヨタ系大企業と関連下請け企業がひしめく地域。サービス残業、長時闇労働問題は、労働者のたたかい、日本共産党の各職場支部や党国会議員団などの奮闘で、未払い賃金が各社で支払われるなど、ここ数年で大きな変化をつくり出しています。しかし告発の訴えは後を絶たず いぜん、はびこっているのが実態です。
八田議員は、労働者を使い捨てにするサービス残業、長時間労働は、結局、企業も国の産業の将来もだめにすると指摘。サービス残業是正などに実績をあげている同署の奮闘を激励しました。サービス残業のおおもとには「三六協定」で容認される長時間労働があり、これを規制する法改正が必要だと述べました。
署側は、労働相談が毎月300件ほどあり、サービス残業など賃金不払いの訴えは年間90件ほどあると説明。2002年度から03年度上半期に、10社で7億9千万円の未払い賃金が支払われたことも明らかにしました。
浜名湖デンソーで全組合員に
一律23.5時間分の無償残業代が支払われる
さる8月20日の給料日にデンソーの関連会社、浜名湖デンソーの全組合員に過去の無償残業代が支払われました。これは一人の勇気ある労働者が、会社・労組役員・労基署に言っても、取り上げてもらえなかったので、裁判に訴え、今年1月に勝利したことがきっかけです。その後、勝利判決を受けて、この労働者は労組委員長に再び無償残業の是正を申し入れていました。これらの運動の結果が実を結んだ快挙と言えます。