"スパークNo232" (2003.3)



無償残業、過重労働解消・・・・・・
地域労連とトヨタ系(デンソー、アイシン、工機)の仲間が共同で刈谷労基署交渉
 まず交渉の冒頭、西三河南地域労連議長から、この間、刈谷労働基準監督署が取りくんできたサービス残業是正指導(9社、5億6000万円)、と「過重労働防止大会」について謝辞が表明されました。これに対して応対した次長と主任は「大会は単発ということではなく、今後も長時間残業を減らしていく契機にしていきたい」という回答がありました。また年末に1億7000万円サービス残業代を従業員に支払ったアイシンでは、会社や労働組合からは、いっさいコメントなどはないし、人事部長があげくの果てに『無償残業と認識していない』と抗弁していることについて、「これではいつまでたってもサービス残業はなくならない」という声が労働者から出されました。過重労働問題では、トヨタ系各社の三六協定の残業時間枠が他社と比較して突出して長いことに対する指導強化の要望が出されました。
 また豊田自動織機では(土)(日)に特別の出勤用カードリーダを門に設置していることは無償残業かくし防止に大変良い対策なので、深夜労働者も含めて、このような機械を門に設置するよう会社を指導してほしいという強い要請がデンソー、アイシンの労働者から出されました。

西尾工場での無償残業問題で
労基署交渉――デンソー、アイシン
 デンソーとアイシンの共産党支部の代表は西尾労基署を訪れ、各々の西尾工場で起こっている、サービス残業・長時間労働について、第一課長と懇談しました。デンソーについては昨年末に労基署が会社に渡した指導票に対しての会社の最終回答と、ヒータ職場での無償箱詰め残業問題について調査結果を聞きました。その内容は次のとおりです。
@KICSで「Cその他」とした場合は所属長がその理由を書面で記録して保存する。(西尾の全職場)
A部長宛に夜10時以降の残業申請が提出された職場については、夜10時に巡回する。(西尾の全職場)
BKICSと矛盾がないか、夜七時〜八時の間に職場を巡回する。(ガソリン噴射製造部工機課・410ヒータ工場)
C研修記録カードの研修名のところに、開始時刻と終了時刻を書くようにした。
D市販用ヒータの箱詰め作業を無償でやっているという件については会社の担当者に聞いたところ、「生産ラインが止まってから、箱詰め作業をやっているので、無償残業と判断したのかも知れない」と回答があった。
 スパーク発行責任者は、最後のヒータ箱詰め作業の件については、もっと書類で追加調査するよう要請しました。
 アイシンの職場新聞発行責任者からは、労働者に自分の残業代がいったい今月いくらになるのか、給料をもらうまでわからないというズサンな管理の実態が報告されました。

浜名湖電装の仲間が裁判で
会社に無償残業代を支払わせる
 スパークへ、浜名湖電装の仲間から下記のようなメールが2回にわたって届きましたので紹介します。
1回目(1月7日)
日本共産党デンソー支部の皆さんへ
私はデンソーの子会社の浜名湖電装で働いている●●●●と申します。
去年、サービス残業を労基署に申告したのに、賃金が支払われなかった為、裁判をおこしました。
私の場合は金額が少なかったため、小額訴訟となりました。
ホームページを拝見させてもらっています。
もし可能ならば、子会社のデタラメぶりも紹介したらどうでしょうか。
これからもこの活動を続けて下さい。
2回目(1月21日)
スパークの皆様へ
先日サービス残業で小額訴訟を行うと伝えた●●●●です。
本日、裁判がありましたが、結局、裁判所の和解で決まりました。
裁判所は私の主張を全て認める和解案を出し、会社もそれを認めたため、私も同意いたしました。
これで報告を終わります。

トヨタ系有志、全ト労連へ申し入れし、懇談
――春斗、郵便局員贈賄事件
 2月中旬、デンソー、トヨタ、アイシン、工機の労働組合員有志は全トヨタ労連事務所を訪れ、春斗や、郵便局員に対する贈賄事件の再発防止対策などについて懇談しました。春斗問題ではトヨタ労組委員長の余りに早期のベア要求なし発言、サービス残業問題などが話題になりました。特に副事務局長からは全ト労連としてもサービス残業が横行していることは労組の存在意義にもかかわるという認識をもっていることが表明されました。
 デンソー労組出身の元全ト労連副会長が有罪判決を受けた郵便局長への贈賄事件については、何ら具体的な反省や再発防止対策が示されませんでした。デンソー労組員は裁判で明らかになった、数々の疑問や組織としての欠陥を指摘しましたが、副事務局長は「迷惑を組合員の皆さんにかけた」という大会での表明で決着済であると繰り返すだけでした。

ストップ!ザ過重労働&サービス残業
刈谷労基署が大会開く(1/22)
 「ストップ ザ 過重労働」――。刈谷労働基準監督署と同署管内の企業で構成する刈谷労働基準協会は「過重労働による健康障害防止のための緊急大会」を開きました。自動車関連部品製品業約160社の人事、労務担当者ら二百数十人が参加しました。
 同署には、長時間労働による過労死、サービス残業にかんする相談が急増。
 また、2001年4月から02年末までに同署で把握したサービス残業の是正は九社で約5億6000万円もありました。同時期から昨年9月までの愛知労働局の集計分は5億2000万円です。
 「大会」で、同署の塩沢浩次長は「労基法違反は犯罪だ」と強調。使用者による労働時間の適正な把握、サービス残業の解消と、とくに労働者の健康を守る企業責任が強調されました。
 愛知医科大学衛生学教室の渡邊美寿津助手が「過労防止のための医学的見地からのポイント」と題して講演しました。
 管内のサービス残業の実態について話した岡田利明第一方面主任監督官は、「どんな告発でも調査する」とのべ適正な労務管理を呼びかけました。
 ある参加者は「労基署の強い姿勢を感じた」と話していました。
 このような大会はかねてから、日本共産党デンソー支部などが強く開催を要望していたものです。

写真に見る日本史の中の日本共産党      連載第10回
プロレタリア作家、小林多喜二、
虐殺70年、生誕100年
 今年の2月20日は日本の代表的プロレタリア作家小林多喜二が逮捕された、その日のうちに特高警察によって虐殺されて、丁度70年になります。警察の発表は心臓まひでした。また10月13日は生誕100年になります。ですから殺された時はまだ29才の若さだったのです。「蟹工船」などの作品で知られ、まさにファシズムと暗黒の政治が支配していた戦前の日本で、命をかけて小説を書きました。最近開かれた記念集会にメッセージを寄せた、哲学者で日本ペンクラブ会長の梅康猛さんは、次のように述べています。「多喜二はやはり近代日本文学史上においてもっとも問題的な作家であったと思います。・・・・・彼に負けないように、この暴虐な政治の世で真により作品を作りたいと思っています。」