"影におびえる者" (part2)
「会社は寮生全員の本棚を調べて、どんな本を読んでいるか、
その思想傾向をしっかりつかんでいる」
人事部副部長
最近、デンソーの寮生から次のような手紙が寄せられました。
「寮に住んでいますが、寮では私たちが出勤したあと、寮の責任者と人事担当者がひそかに合いカギで部屋に侵入して、寮生の所持品の調査をしているのです。また私たちに兄弟友人から送られてくる手紙ぱ大半が開封したこんせきがみられるのです。アイシン精機、豊田工機に勤務する私の伸間も郵便物の検査がおこなわれていると言っています」
これを裏づけることを人事部副部長が、自ら係長既任研修で次のように言っています。「部下の若い者の中に変な動きがあったら、すぐ人事に通報してほしい。しかし我々人事の方があなたたちより良く知っている場合が多いと思う。なぜなら会社は、寮生全員の本棚を調べてどんな本を読んでいるか、その思想傾向をしっかりつかんでいるからである」
そう言えぱスパーク発行責任者も寮にいた頃、これと同じことを経験しました.、こたつのスイッチを切って会杜へ出勤したのに、コンセントを抜いてないといって寮監さんから注意されたことから、自分が会社へ行っている昼間に勝手に部屋にはいることがわかってまったくイヤーな気持ちになりました。まだ寮を出て下宿をすると言ったら、社宅寮課の歳もそう自分と違わない若い係員が言った言葉には驚きました。「えらい硬い本を読んでいるではないか。ノイローゼではないだろうな』と。その時、「どんな本を読もうが勝手ではないか。生意気なことを言うな』と恩ったものです。
また寮母さんは正直に次のように言いました。『寮を出る人はそのアパートヘ会社の人が調査にいくことになっているので住所を教えて下さい」と、これにもまたびっくりしました。寮を出る者は要注意人物で、一定期間監視のもとにおかれています。
1986年3月20日、共産党はこれらの本棚チェックという人権侵害を刈谷労基署に告発したところ、会社は現行犯でないことをいいことにして「事実無根」と居直っていました。労基署にウソを報告しておいて会杜は今だに寮生に対するひどい人権侵害をおこなっているのです。西尾工場の仲間で最近寮を出た人が言っていました。。会杜は収容所、寮は監獄"だと。