2006年版解説

2006年版表紙

 2006年版は、2006年3月に発売。


3star.gif(756 byte)

フランス全土で26軒
(昇格1軒、閉店1軒)
パリ
[周辺部を含む]
 "Lucas Carton"は三つ星レストランとしては閉店。(改装の上、新規開店した"Senderens"はいきなり二つ星)
パリ以外 昇格は、ブルターニュ地方Cancaleの"Maisons de Bricourt"。シェフは、オリヴィエ・ローランジェ。久しく以前から実力は三つ星と評価されて続けてきた店が待望の昇格。遅すぎる位の昇格だが、ともかくもめでたい。個人的にも高く評価している店なので嬉しい。

三つ星候補(espoirs)
(5軒)
○パリは、ヤニック・アレノの"Le Meurice"とフレデリック・アントンの"Pre Catelan"は昨年に引き続き。さらに、ジャン-フランソワ・ピエジュを迎えて、昨年、二つ星に復帰したホテル・クリヨンの"Les Ambassadeurs"が三つ星候補に加わった。
○パリ以外では、南仏ナプルのステファン・ランボーの"L'Oasis"、ボルドーはポイヤック村のティエリー・マルクスの"Chateau Cordeillan Bages"は昨年に引き続き。新たに加わったのが南仏グラースの"Bastide St-Antoine"。ジャック・シボワの店といった方が話が早いだろう。もう1軒、ローヌ地方はヴァランスの老舗"Pic"。アンドレ・ピックの孫娘、アンヌ-ソフィ・ピックがシェフを務める。祖父が維持していた三つ星への復帰なるか、要注目。
   



2star.gif(612 byte)

フランス全土で70軒
(一つ星からの昇格が3軒、新規が1軒、三つ星への昇格が1軒、一つ星への降格が3軒 移転・改称が2軒)
パリ
[周辺部を含む]
 Alain Senderensが"Lucas Carton"を改装して新たに開店した高級ブラッスリー仕立ての"Senderens"が新規二つ星獲得。三つ星返上の店に新たに二つ星を与えるのはミシュランの意地みたいなものかな。16区の"Table de Joel Robuchon"は1年で二つ星に昇格。昨年、いきなりの二つ星もありうるかなとも言われていた店。スピード出世だけど順当感はある。
 一方、降格となったのは、5区の"Tour d'Argent"。時代の移り変わりを感じる。
パリ以外  昇格は2軒。1軒はMegeveの"Flocons de Sel"。シェフはエマニュエル・ルノー。もう1軒はジュランソンの"Chez Ruffet"。いずれも昨年のespoirsに掲げられていた店だ。なお、Bethuneの"Le Chateau de Beaulieu"とBonnieuxの"La Bastide de Capelongue"にも新規マークがついているが、いずれも従来からの二つ星店が移転・名称変更したもの。
 降格は、ロワール川域のオンザンにある"Domaine des Hauts de Loire"、サン・トロペの"Lei Mouscardins"。

二つ星候補(espoirs)
(7軒)
○パリは、今年一つ星を獲得した7区の"L'Atelier de Joel Robuchon"が、早くも次年度昇格候補。
○パリ以外では、Bort-l'Etangの"Chateau de Codignat、Saint-Emilionの"Hostellerie de Plaisance"、Vichyの"Jacques Decoret"は引き続き昇格候補。去年昇格候補だった他の店は今年は候補から外れている。新規では、ロブションプロデュースのモンテカルロの店、"Joel Robuchon Monte-Carlo"が新規一つ星獲得と同時に次年度昇格候補。恐るべしロブション。その他に、Pujaudranの"Le Puits St-Jacques"、Aiguebelleの"Le Sud"。
   



1star.gif(447 byte)

フランス全土で425軒
(昨年より23軒増加)
パリ
[周辺部を含む]
 吉野建の"Stella Maris"が待望の一つ星。おめでとう。7区の"L'Atelier de Joel Robuchon"、Pierre Gagnaireが経営権を取得した魚料理の"Gaya"、そしてAlain Ducasse傘下に入った老舗ビストロ"Benoit"など有名シェフ参画の店がいずれも一つ星。9区の"Chez Jean"はタイユヴァンで20年以上勤めたJean-Frederic Guidni氏が独立して数はじめた店。今後も要注目。
 降格組で目につくのが、9区のホテル・スクリーブ内の"Les Muses"。ここはもともとコストパフォーマンスの良い一つ星だったが、ヤニック・アレノを迎えて2002年に二つ星に昇格。しかし、アレノが"Meurice"に移籍した後、2004年に一つ星に降格。そして、今回ついに無星。短期間に激しく浮き沈みしているが、これはメインダイニングをどのようにしていくのかについてのホテル経営陣の見識の問題でもあると思う。
パリ以外  注目は、何と言っても、ニースにある日本人シェフ松島啓介の店"Kei's Passion"。若干28歳。各方面の評価も高い。今後にますます期待。ロブションのモンテカルロの店"Joel Robchon Monte-Carlo"は当然ともいえる星獲得。シェフは、Reserve de Beaulieuを二つ星にしたChristophe Cussac。言っても昇格は2軒。1軒はMegeveの"Flocons de Sel"。シェフはエマニュエル・ルノー。それにしてもロブションの弟子って、皆優秀だなあ。

一つ星候補(espoirs)
(12軒)
○パリは、8区のホテル内ダイニング、"l'Astor"。ロブションの弟子Eric Lecerが率いていた当時は二つ星だったが、久々の星復活なるか。なお、昨年リストアップされていた8区の日本料理"Kinugawa"は今年は落ちている