NPO法人まちづくりトップランナー富士宮本舗 渡辺英彦氏

見たことのある顔が何人かいらっしゃるので、もう私の話は聞き飽きたというかたも何人もいると思います。そういったかたは出ていただくなり帰っていただくなりしてかまいませんものですから、どうおぞご自由にお過ごしください。ゆめ・まち・ねっとさんね、本当に素晴らしいですよね。こういうかたは県庁にはいられないだろうなというのはよくわかります。最初の山本ろくさんは県庁にいられるタイプ、次のかたはいられないタイプですよね。本当にご夫婦で仲良くやられていて本当にうらやましいなと。うちと同じぐらい仲がいい夫婦だなというふうに思って、夕べも実は午前様だったのですけれども、今日は正直言ってあまり元気がないです。

疲れておりまして、一昨日東京の武蔵村山の方で実は講演をさせていただいて非常に盛り上がりまして、懇親会も先生先生なんてみんなでお酌に来るものですから一気にこうやってガブガブ飲んで、帰ろうと思ったら、「先生もう一軒お願いします」なんて、それからまた立川に繰り出して夜中まで飲んで、ほとんど寝ない状態で昨日東京から高速バスに乗りまして、そしたら今度小田急線が事故で遅れまして、東京へ出る途中で遅れてしまいまして、10時半のバスに乗るのに10時29分に東京駅に着いたのです。久々に全力疾走しまして心臓止まりそうな状態でバスに乗り込んでそのままダウンしまして、足柄サービスエリアのトイレ休憩で目が覚めた。それでトイレに降りる際は貴重品を必ず身につけて降りてくださいと何度も言われたものですから、寝ぼけ眼で財布を手に持ってトイレに降りまして、帰ってくるときにはトイレに財布を置いてきてしまいまして、それで気が付いたときにはもうバスが富士宮に向かって走っておりましたのでもう帰るわけにもいかず、それからサービスエリアの管理事務所に電話して確認してもらいましたが、もうないということで、昨日はちょっと大分疲れている上に財布を落としてクレジットカードも免許証も全部その中に入っておりましたものですから、それから大変でございまして、昨日もまたやきそば学会の会議もございまして、もうそれどころじゃないのですけれど、非常にもうくさくさしまして、また昨日その勢いでまた飲んでしまったいうことで、今日も非常に疲れておりまして、いつもは親父ギャグばかり飛ばしてやっておるのですけど、今日はちょっと親父ギャグを飛ばす元気もないかなということで、余りおもしろくないかもしれませんけれどもちょっと聞いていただければと思います。

私の場合にはもうやきそば学会を立ち上げまして丸5年になるのですけれども、やっと何とか成果というか、上がってきているのかなと思います。ただその中で私もあまり壁とかっていうのは考えてやってはいないのですね。だいたいほらを吹けばそのようになるのです。言った者勝ちというような形でずっとやってきているものですから、その中でもう利用できるものは何でも利用しようということで今までやってきました。そういったことが今日のテーマになっておりますパートナーシップということで表現されるのではないのかなというふうに思っています。

今日のタイトルは「あの手この手で壁越えて」とあるのですけども、やきそば学会の場合には手を変え品を変えといったような形で今までずっといろいろな事業を手がけてきました。元々そのきっかけになったのは、富士宮市と富士宮商工会議所が主催しました中心市街地活性化のためのワークショップというものがきっかけになっておるのですけども、それで、その中からあくまでも市民の自由な発想によってやきそば学会が生まれたというふうに対外的にはそのように表現しております。ただし、やはりそういったきっかけづくりという意味では、富士宮市とそれから商工会議所というのが、市民の意見を交換する場づくりというものがまずあった。そういったことがなくてやきそば学会というものもないわけですので、そういった意味ではそういった環境づくりというものを1つのパートナーシップというふうに表現できるのじゃないかなというふうに思いますし、それからやきそば学会は市民組織ということで、行政は予算を1円も使っていませんよということでいつも言っております。表向きはこういうことなのですけれども、当初13名でスタートしたやきそば学会の中には市の職員も入っていただいていますし、それから商工会議所の職員なんかも実はメンバーの中に入っておりまして、人的にはもうそこである程度パートナーシップが図れているような組織だったのですね。今日も一番後ろでもう半分居眠りしかけている暮らしの相談室長の渡辺さんが今やきそば学会の運営専務というふうな形で活動していただいております。昨日も一緒に飲んでいてその後祭りの準備でまた飲みにいったので、多分あと15分ぐらいするとまた寝ると思います。ですけど、そんなことで人的にはパートナーシップは図れていて、それで表向きは市民の自由な組織ですというふうに言っています。その方が行政としても非常に都合がいいですよね。例えば議会なんかで富士宮にはいろいろな特産品がたくさんあるのになぜやきそばばっかり力を入れてやっているかと。もっと平等に扱わんといかんのじゃないかというようなそういう話が出たときにも、「いいや市民が勝手にやっているのです」と、行政の予算は1円も使ってない、勝手にやっていることですからって言って逃げられるわけですね。隠れ蓑になるわけです。なんか都合の悪いときには、あれはあいつが勝手にやっているのだからということで、実は、どっぷり使ってやっているにも関わらずそういった形で逃げられるという、そういうメリットがあるのじゃないかなというふうに思います。

ここから大体やきそば学会の特長的な活動をちょっと紹介させていただきたいと思うのですけども、もう何度も聞いている人がいますので、またあの話してるやと思うかもしれませんが、実はやきそば学会は市の予算を使ってないということがありますので、お金ないわけですよね。お金がないわけですから、どうやってお金のない中でいろいろな企業とかいろいろな人と手を組んでPRするかということでは、かなり頭をひねって繰り返し事業をしております。いつも出させていただく例なのですけれども、お金がないものですからポスターなんかを企業にお願いして作ったりしています。こういったビール会社にお願いして、この麺にこのビール、富士宮やきそば&アサヒスーパードライっていうこういったポスターなんかを作っていただいたりしています。これは結局お金がないものですから、アサヒビールさんとお話して、それで、やあ実は富士宮のやきそばにはビールが大変よく合うのだと、ほかのやきそばでも合うに決まっていますから、ビールがね、やきそば売れればビールも売れるからいいじゃないというような話で、ただそうは言ってもただで作ってもらうのだからということで、この麺にこのビールというコピーはこれ私が作ったコピーですし、この写真は後ろに座っている渡辺さんが発表したものをアサヒビールに持ち込んでアサヒビールも広告会社に金を払わずにこういった安くポスターができていいですねと、よくないのですけども、というところで作っていただいて、アサヒビールがそれを作ったのだからお宅も作らないとまずいじゃないですかと言ってキリンビールに話をしまして、キリンビールはこれでちゃんと広告会社を使って、どちらもうみゃー富士宮やきそばにキリンラガービール。のみーやのみーや、ふじのみーやということでですね、こういったやきそば学会はお金を使わずに勝手にこうやって張り合ってポスターを作っていただければ宣伝にもなるしお金もかからない。そんなやり方をしています。これもですから企業とのパートナーシップというふうに表現できるのじゃないかなと思いますね。

それから、例えばお金を使わない、一番お金を使ってないはずですが、道路特定財源を投入いたしまして、もう民営化されましたが日本道路公団ですね。こういった免許皆伝やきそば道というようなパンフレットを作っております。これは非常にばかばかしいパンフレットでして、富士宮市を知り、やきそばを極め、運転は安全に、やきそば道は厳しいのだとか、こんなばかげたことを道路公団ともあろうところが道路特定財源を使って作っていいのかなというようなばかばかしいものなのですが、公団側にしてみると、これを作ることによってこれを見たかたが東名高速道路や西富士道路を使って富士宮にやきそばを食べに来ると。そうすると西富士道路がやきそば渋滞を起して費用対効果が上がるのじゃないかというそういう理屈なのですが、実際にこのパンフレットを作ったら西富士道路の通行料が2%ほどアップしちゃったのですよね。1日2万台ぐらい通る道ですので2%でも400台です。1ヶ月で1万2千台増えて、最初ばかにされていたこの、これを作った富士管理事務所のあの人、フク何だっけ、フク何とかっていう役職の人が、僕が表彰されちゃったりしてね、こんなくだらないものを作って。そんな効果があって、これもですからやきそば学会の方ではお金は一銭も出さずに道路公団のお金で作っていますので、ですけど道路公団もちゃんと費用対効果があってお互いによかったねというような話になって、こういうような、これもですから公団とのパートナーシップじゃないのかなというふうに思います。

それからよくお金がついあると、例えば市制何十周年記念だからとかいって何百万とかお金を使って踊りをつくったりとか歌をつくったりとか、だから、くだらん振付師に何百万もお金を払って宮踊りつくったとかってそういう話がよくあるのですけれども、うちのやきそば学会の場合にはお金がありませんのでそういったことできないわけなのですが、ちゃんと金がなきゃないなりに市民がちょっと協力してくれるのですよね。今やきそばがらみの歌が5曲ほどもう実はあるのです。やきそばの歌。やきそば音頭。やきそばの夜。やきそばのまち。やきそば娘ってね、もう5曲も歌がありまして、やきそば音頭なんかかなり最近いろいろなところで披露されていました、愛・地球博なんかにも行って踊ったりしています。全国広しといえどもですね、やきそばを焼くヘラを持って踊る音頭ってのはこれしかない。当たり前なのです。それからこのやきそばの夜なんかも居酒屋でムード歌謡徴のやきそばの歌ってことで、これは地元の新聞社の編集長がつくった曲なのですけど、これやきそば音頭もやきそばの夜もアレンジとかCD制作は富士宮市役所秘書課長がやっているということで、全部お金かけずにやっておりまして、こういったものも本当に市民とのパートナーシップっていうものがあるからこそできているものだなというふうに思います。

それから、さらにお金のないやきそば学会ですので、ひたすら今までハード整備っていうことはお金がないとできないわけですので、ソフト戦略一辺倒でずっとやってきているわけなのですね。やきそば学会が他の団体と比べて際立っているところといったら、やはりメディアの活用ってことになるのです。メディアの活用ということになるのですけど、メディアはどうやったら活用できるかっていうことなのですが、これは今日元気ないのであまりくだらないことも言えないのですが、親父ギャグですね。親父ギャグは何と言ってもメディア活用のコツなのです。これはちょっと例えばやきそば学会ってあるじゃないですか。それやきそば共同組合とかやきそば愛好会とか、それではだめなのですよ。あえてやきそば学会じゃないとだめっていう、そういうのがおわかりでしょうか。やきそばと学会ってすごくギャップがありませんか。なぜやきそばがアカデミックでもないのに学会なんて付けやがってって、こういうギャップが非常にネーミングとしてインパクトがあるのですね。例えばそれがやきそば学会でやきそばの調査員とかっていったらおもしろくないわけですよ。やきそばG麺なのですね。麺類のメンですけど、要はやきそばG麺が夜な夜な調査活動を展開していますよっていうようなPRをすることによってメディアが必ず飛び付いて取り上げるのですね。富士宮でやきそばで町おこしをしていてやきそばの調査活動してますよじゃ全然うけないわけです。ですけど、富士宮には富士宮やきそば学会という重々しい組織があって、やきそばG麺と言われているそのメンバーが調査活動しているって言うとこれはもうニュースになるのですね。

例えば後は富士宮からやきそばの出張サービスをしますって言うと、別にこんなのは業者がただ出てきてやるだけだからってなるわけなのですけれども、富士宮の場合には焼き手の精鋭部隊を派遣する事業をやっているのだ。やきそば伝道使節団といって、これ英語でミッション麺ポッシブルって言うのですけど、「今日はどうかなあ、ウケるかなあ」、ちょっと年齢層にもよりますので、私の親父ギャグちょっと難しいところもありますので、ウケるかウケないかによってその人の年齢と語彙力が大体判断できます。ミッション麺ポッシブルは仮にここでウケなくてもマスコミにはもう確実にウケているのですね。富士宮からミッション麺ポッシブルが来るというだけでその地元のニュースには必ずなるのですよ。例えば小倉で焼きうどんとやきそばの対決イベントとかってやったのですけど、あれもちょっと説明しておきますと、小倉で焼きうどんに負けた負けたって言っている人がいるのです。「けしからん」と。「お前ら負けたままリベンジしなくていいのか」とかって真面目に言ってくる人がいるのですね。真面目に言われちゃうと困るのですよね。当然負けるのはわかっていてやっているわけですので、こういうのって全部アウェイの戦いは負ける仕組みになっているのですね。それで、あのときも実はアウェイの戦いだものですから負ける仕組みになっているのはわかっていて、でも結果的に負けたっていうと「けしからん」って言う市民がいるのですよ。言い訳に必ず説明しておるのですが、週刊プレイボーイに記事が載っておりまして、皆さん真面目ですからそういう雑誌は読まないのでしょうが、やきそばVS焼きうどん、小倉発天下分け麺の戦いに疑惑の判定ってね、こういう記事が載っておりましてプレイボーイの記者が選挙でもないのに出口調査をやって、出口調査をやったら8対2でやきそばの勝ちだった。ですから、いかにやきそばが好評だったにも関わらず投票しているのは地元の人ですから地元の人が投票箱を持ってこうやって入れなさいってやっているわけですから、それでやきそばに入れるわけにいかないじゃないですか。それにも関わらず大体五分五分の戦いをしたということはもう明らかにやきそばの方が評判がよかったということなのですね。これを例えば富士宮やきそば対小倉焼きうどんの戦いと言うより天下分け麺の戦いと言った方がこれはマスコミには絶対受けるのですね。ミッション麺ポッシブルが富士宮から来るっていうと、小倉側も必ずそれに相当するようなものをつくんなきゃいけないでしょ。そうすると向こうは無法松連合軍なんてね、ダサい名前を付けてミッション麺ポッシブルの方がはるかにネーミング力が上なのですけれど、そうするとミッション麺ポッシブル対無法松連合軍天下分け麺の戦いっていう記事になるのですよ。これはもうメディアは、あのときはもう27社が来ましたね。私たちが新幹線に乗って九州に向かう車両の中にテレビカメラが2台入っていて、小倉は改札口の向こうではカメラが5台ぐらい並んで私たちを待ち受けている。スマップなんかが来たみたいなそんな感じのイベントになったわけなのですよ。

そういった今これは私親父ギャグと言っていますけれど、これは専門用語でね、専門用語って別に勝手に付けただけですけど、専門用語ではこれを情報加工というのですね。それから、同じことをやっていても情報を加工して発信することによって付加価値のつき方がまるで違うっていうことなのです。例えばさっきもミッション麺ポッシブルもそうなのですけれども、例えば富士宮が横手と太田とで3市がやきそばの食べ比べのイベントをしますと。やきそばの食べ比べじゃニュースにならないのです。ですけど、それを3者面談と言ってですね、富士宮・横手・太田で三者麺談が行われ、その結果三国同麺協定書が締結されたと、こうなると新聞記事になるのです。ちゃんと三国同麺協定書には市長がこれでサインしてやっているわけですので、そうするとその3市がこれからやきそばをとおしてネットワークを図って地域活性化に向けて一緒に歩んでいくなんてニュースにちゃんとなっちゃうですね。単なる親父ギャグがですね。三国同麺おもしろいからといってカップやきそばだなんて商品が出ちゃったりしているのですよ。富士宮と横手と太田でそれぞれカップやきそばができまして、コンビニエンスストアで売られているのですね。残念ながら横手と太田は今いち売れ行きが思わしくないので富士宮やきそばだけが今残っているというような状況ですけども、先ほども天下分け麺の戦いもそうなのですけども、北九州中心にコンビニエンスストアで今焼きうどん弁当が盛んに売られていると。そういうようなことに繋がっていくわけなのですね。ですから、本当にやっていることは同じなのです。ですけど、そこにちょっとした加工をしてあげると全然違うのですね。

例えば最近やきそば学会のアンテナショップでは通常のやきそばのメニューと非常にエスニックな味付けの辛いやきそばをメニューで出しているのですね。じゃあ辛口富士宮やきそばってあったらそれがニュースになるのでしょうか。ならないのですよ。ですけど、そのメニューですね、非常に激辛で香りが強くて夏バテ防止の麺ですよと。激香夏麺っていう名前にして、それでどこの麺か知らないけれどだれもがみんな汗をかくといってコピーをつけてやると新聞にも載りますし、テレビとかラジオの取材も来るということになるのですね。それから、例えば、冬の辛いやきそばは去年からやっている冬そばといって、ヨン様も汗だくといって売っているのですけど、それもただ単に辛口の麺があるよじゃだめなのですね。ですから、そこでちょっとした情報加工。親父ギャグっといって皆寒過ぎるといって非常に敬遠するかたがいらっしゃるのですが、今の広告会社のCMなんかを見ても全部親父ギャグオンパレードじゃないですか。親父ギャグが下手な人は優秀なコピーライターにはなれないのですね。そこがそういったことを繰り返しやっていきますとマスコミには非常に助かるのですよ。というのは、やきそば学会で例えばイベントやったりとかそういったのがそのまんま記事にできるのですね。やっていることをいちいち例えば脚色したり新しいネーミングをつけたりする必要がマスコミ側でないのです。そうすると、非常にこれは便利だということでもう今ではマスコミとは非常に有効な関係がそこでできるのですね。行ったり来たりも多いですし。

それからマスコミ側もネタがないとなんかネタないかなってですね、富士宮やきそば学会に聞けばまたなんか変なおもしろいネタ出してくれるのじゃないかって、こういう関係にもなって静岡新聞社なんかは完全にそういう状況になっておりまして、例えば静岡新聞でやっている元気発見団とかそういったときにはなんかおもしろい企画できませんかねとこっちに先に相談に来ますので、それに合わせてこちらもじゃあこんなのやろうかなっていうふうにすれば、もう黙っていたってそれが報道されるっていうことが決まってるわけですのでPR効果抜群になるわけですね。例えばこの間の元気発見団なんかにも、「なんかないですか」っていうことで、実は富士宮と福井県の小浜市がこれから食のまちづくりということで友好な関係をつくっていきたいのだけど、なんかそれを、「ネタをそこでつくろうじゃないか」ということで、実は福井県小浜市焼きサバが名物なのですね。富士宮はやきそばが名物なのですよね。焼きサバとやきそばのイベントってのがすぐできちゃうわけですね。焼きサバ対やきそばっていうことで、もう小浜でも食べ比べやったりとか富士宮でも食べ比べやったりしていて、もうこれでかなり単なる言葉遊びみたいなのですけれども、こういったことで事業がすぐにできてしまう。これをきっかけにして富士宮と小浜は交流都市宣言をしようということになっちゃって、ちゃんと小浜の市長さんにも来ていただいてちゃんと調印式もやってそんな形になって、今月の末には小浜の方で、今年は国民文化祭が福井県で開催されておりまして、小浜は食の祭典っていうのをやっておりますのでそちらにバスで富士宮からも駆けつけると、そういった観光交流というものにも繋がっている。そうすると先ほども言いましたように、こういったことを次々やってくことによってマスコミとのパートナーシップっていうものがもうすでにできちゃっているのですね。ですから新聞社の方がたもかなり親しいかたがもう何人もいますので、こちらから「今度こんなの考えたのだけど」って言うと必ず乗るというような関係がもう出来上がっておりまして、PRが簡単にできるというような関係になっています。

それからメディア戦略に関連したことですけども、昨年富士宮やきそばは商標登録されたのですね。これをニュースでもご存知のかたいらっしゃるかもしれませんけれども、富士宮という地名とやきそばという商品名の組み合わせというのは現行の商標法上は原則的に登録されないのですね。ですけど例外的に認めるものもあると。それはどういうものを認めるかというと全国的に一つのブランドとして認知されているものであればそれが認められる可能性があるのですね。富士宮やきそばはメディアに大量に富士宮やきそば、富士宮やきそばっていうものをたくさん出した結果、そこが一つのブランドとしてもう全国的に通っているのじゃないかというような見方を特許庁の方でもしてくれて認められたということなのです。これも非常にそういった資料なんかも膨大な資料をさっと集めて特許庁に持ち込んでということで、これなんかも渡辺さんもかなり苦労してたくさん集めたり、それから地元の弁理士をやっていらっしゃる塩川先生なんかにも大変協力していただいて、やきそば学会お金ないのでただでお願いしますみたいなことでやっていただいた関係で、やきそば学会にしても安く登録商標を取ることができた。これもですからやっぱりパートナーシップがあってこその成果なのじゃないのかなというふうに思います。

それからもう段々時間がなくなってきましたので、最近の画期的な事例を一つ紹介いたしますと、映画とかテレビのロケを受け入れる組織っていうものを最近立ち上げたのですが、これは青年会議所の方で実際にロケ応援団っていうものを組織しておったのですけども、それがさらに地域の連携を取った形の組織を作りまして、とってもえーぞう富士宮。わかりますよね。映画を撮る映像。えいぞうと映像ですよ。単なるこれも情報加工の一つ。とってもえいぞう富士宮推進協議会っていうものをつくりまして、これは今まで例えばロケ応援団っていうのは青年会議所なんか単独で動いているものなのですけれども、それを地域連携という形で行政が加わり商工会議所が加わり観光協会が加わり、その地域が一丸となってロケを受け入れることによって、非常にスムーズなロケを受け入れることができるようになるということで、経済産業省で実はこれはちょっと長いですが、地域内連携によるコンテンツ製作整備モデル事業というものをモデル地域に選定されまして、国の予算も1千万円ほど付いたということで、これも実はなぜそういった連携ができるかというと、今までやきそばの活動を通して行政とも顔が効く。商工会議所にも顔が効く。観光協会にも顔が効くっていうそういう関係がもう先にあったものですから、富士宮っていうのは地域内連携が非常にうまくいっているかのごとく似せることができるわけですね。まだまだそんなうまくいっているという次元じゃないかもしれませんけれど、ですけど他の地域に比べると要はやきそば学会が声をかけると言ったらちょっと大げさかもしれませんが、どこにでもかけやすいです。そうすると、他のところじゃなかなかできない地域連合の組織形態が取れるいうことで、経済産業省もそれを認めて予算を付けてくれることになりまして、実はこの28日には東京の六本木ヒルズで東京国際映画祭があるのですけれども、そこで我々富士宮のプロモーションビデオを持ちこみまして、実はそこの場でも私が4分か5分ぐらいプレゼンテーションする場も与えられているということで、今までテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、あらゆるメディアを制覇し続けていて、出てないのがあと映画だけなのですよ。これでまた映画に出る足がかりができたらなんていうことで、これをやってしまえばコンテンツ全て制覇という状況になりますので、今度なんかエキストラかなんかでちょっと出てみようかなと思っているのですけれども、そんな、これなんかは本当に地域のパートナーシップ事業のなんか集大成みたいなそんなようなイメージのものではないのかなというふうに思っています。

要は基本的な考え方として事業展開していく上で最初から組織がきっちり決まっているとかっていうことはあまりないと思うのですよ。私たちの基本的な考え方はもう組織も形っていうのはどうでもいいのだと。とにかく、いいことであればそれに伴って必要な人材をその時々で寄せ集めてどんどんやれることをやっていけばいいのじゃないのかなと思います。俗に言う必要なときに必要な人材をオンデマンド方式でやる。これは、やきそば学会はオンデベンド方式といっておりますけれども、とにかく別に組織形態の問題じゃないだろう。目的意識さえはっきりしてればその都度必要な人材でどんどん事業推進していけばうまくいくのじゃないのかな。大事なことは市民一人ひとりが、自分は何ができるのか、どういう役割で活躍できるのかっていうことを自覚してもらえばいいわけなのですね。実はこの自覚が一番難しい。それは一番の壁です。みんなが公共的な精神をどれだけ…かって、そこが一番の壁ですね。自分さえよければいいっていう奴は結構多いのですよ。儲かったら自分だけ儲かってりゃいいとかね、自分に都合がいいことしか動かない。儲かりそうもないことはやらない。そういうのじゃだめですよね。というのは、みんな一人で生きているわけじゃなくて社会の中でのいろいろな人の繋がりの中で生きているわけなので、そういった公共哲学的な考え方をどうやったら教えることができるのかっていうのが、教えるっていうのはちょっとね、おこがましいような表現なのですけれども、ですけどそういったことがやっぱり一番大事なのかな。そういう意味では教育っていうことが本当に一番根本的に大事なことで、ぜひそんな点で子どもの頃からそういった気持ちを育んでいくような活動を、ゆめ・まち・ねっとさんなんかそういったことでは非常に今後期待できる組織なのじゃないのかなというふうには思いますけれども。そのためには我々もやきそばのPRだけしているのだと思われちゃうと、「あいつ親父ギャグ飛ばしてお祭り騒ぎしているだけじゃんか」って思われちゃうと困るのですが、私らも積極的に学生さんなんかには援助をしていこうということで今そちらの活動も結構しています。今富士宮がたまたま町おこしとか地域ブランドづくりというようなことで先進地扱いされつつあるのですね。そこの富士宮をテーマにして大学生なんかは卒論を書いたりとかっていう学生が続々と今富士宮に来ているのですね。そういった学生さんたちには実は私は今ものすごく忙しくて、講演料が1回50万円ぐらいもらってやらなければやらないという、そんなことはないのですけれども、学生には極力時間を裂いてこんこんと説明するようにしています。私たちがどういうつもりでやっているのかというね。ですから、学生の立場でそのあたりを自分が例えば研究したり自分が書いた卒論なりを富士宮のまちづくりに役立つようなことをしてくれと。ですから、「卒業決まっているから卒論を消化作業で出して終わりなんてのは許さんぞ」と。教授が認めても俺が許さないのだから書いたらちゃんと持って来いと言って、学生にはそんなような話をしています。その代わり優秀な学生さんにはぜひ富士宮にどんどんきてもらいたい。そのためには宿泊費とか交通費とかそういったものを援助できるような体制をこれからつくりたいと思って資金作りの準備を今進めていっております。そういった学生とか若者とも有益なパートナーシップを図ってまちづくりに生かしていけたらいいなと、そんなことを今考えながらやっております。巻きが入りましたので後はお茶の時間にまた聞きたいこ とがあったらお願いしたいと思います。どうもご清聴ありがとうございました。