この国には、何人もの巨人たちが住んでいます。
人間たちとは違う、ゆっくりとした時間を生きるこの巨人たちの足元には、自然と町ができます。
巨人の恩恵はそれぞれの性格や年齢によって違うようでした。
この町の女巨人は比較的若いらしく、時々新しい生き物を生んでいるということです。
足元の町も発展途上で、活気にあふれていると聞いています。
年老いて死にかけている巨人の町のほうが、歴史も古く、
いろんな意味で爛熟して栄えているそうですが。
年になんどか、人間たちには理解できない大昔の言葉で、
巨人同士が話しているのを聴くことができるらしいですよ。
今年はこの港の巨人が新しい鳥を産むかもしれないと聞いて、
とりちゃんはやってきたのです。