藤千代と水野

(東宝映画「ガス人間第一号」1960より)

「美女と液体人間」「電送人間」と続いたいわゆる「変身人間シリーズ」第3弾。
ポスターには「空想科学映画第三弾」とありますが・・。
「マタンゴ」は第4弾ってわけでもなさそうで、結局のちの「怪奇大作戦」にそのスピリットは受け継がれたわけですか。
土屋嘉男が楽しそうに演じている水野って、最初は電送人間の中丸忠雄が演ずるはずだったらしいですね。
ほら岡本喜八の映画で敵なんだか味方なんだか、いつ裏切るんだろうみたいな役?の多いあの人です。
中丸さんだったら全然ちがった映画になったんだろうな。

土屋嘉男といえば個人的には「七人の侍」の利吉役とか、 「用心棒」の小平なんかが印象的なんですが。
(どっちも女房を寝取られる役だ!)

このひとよほど特撮好きなのか、ミステリアン総統(「地球防衛軍」1957)とか
X星人の統制官(「怪獣大戦争」1965)など、顔のまったくでない役を嬉しそうに?やってますよね。
そういえば「蜘蛛巣城」だったかなぁ、敵襲を告げて門をたたく雑兵役のひとに黒澤監督がキレかけたときにも
彼が「こうやるんだよ」と替わりを買って出て、手が血だらけになるくらい 門を叩きまくってOKをもらったとか。(かなりいい加減な記憶にもとづけば・・)
知らないでみてれば、土屋さんの演じたことはわからない役なのにねぇ。

八千草薫、大好きなのですが、ここでは「宮本武蔵」のお通もいいけど、
やっぱり「白婦人の妖恋」(東宝1956)の魚の化身・小青(しょうせい)役が最高とだけいっておきます。

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