図書館・書店に対する「情報提供」とお願いについて

他の掲示板から、関連する書き込みを本人の了承を得て転載しています。

(最終更新日:2002.3.15)


ここに、この関連記事を掲載する理由について
(Mさんの日本自閉症協会・東京都支部へのメールから転載。)

メール拝見しました。
東京支部の皆様の今回の動きには、是非協力させて頂きたいと思っています。

ただ、勝手を言うようですが、公開の場でのリンクは遠慮させて頂きたいと思います。(非公開の場でならかまいません。)

理由は、この件に関しての、自閉症協会東京支部の組織としての対応と私たち個人の動きとは別々であるほうが良いのではと考えるからです。

私個人の立場は単純明快で、「いわれのない誹謗中傷から子どもたちを守りたい。」ただそれだけです。

その為に、資料を作り、それをどう使えば初期の目的が果たせるのだろうかと考えました。

一つは、それを使って、私たち個人こじんが図書館や本屋に足を運び、メールを出し、「この本にはこういう問題点がある」という情報を提供する事で、それが世に出まわる事を食い止めたいという事であり、

もう一つは、(私たちには不可能な)出版社との交渉をしておられる東京支部に、その資料をお渡しして、交渉の為に役立てていただきたいという事であろうなと考えました。

自閉症協会・東京都支部に送った全国図書館調査

「出荷停止」では、間に合わない

全国公共図書館調査、結果報告

発売前の書籍ではないので、「出荷停止」措置で安心できません。インターネットで検索できる公共図書館だけでも、こんなに置かれています。全国の書店に出荷された分については、まだ何の処置もされていません。

■北海道・・音更町立図書館
■青森・・・ヒットなし
■岩手・・・ヒットなし
■宮城・・・宮城県図書館 仙台市図書館 
■秋田・・・ヒットなし
■山形・・・ヒットなし
■福島・・・ヒットなし
■茨城・・・神栖町立図書館
■栃木・・・今市市立図書館
■群馬・・・太田市東毛学習文化センター
■埼玉・・・行田市立図書館 鶴ヶ島市立図書館 所沢市立図書館
■千葉・・・成田市立図書館
■東京・・・杉並区立図書館 江戸川区立図書館 調布市立図書館 東京都中央図書館
      足立区立図書館 荒川区立図書館 豊島区立図書館
■神奈川・・横浜市立図書館(中央図書館)
■山梨・・・甲府市立図書館 櫛形町立図書館
■長野・・・長野市立長野図書館(貸出中) 東部町立図書館(貸出中)
■新潟・・・ヒットなし
■富山・・・富山市立図書館   
■石川・・・ヒットなし
■福井・・・朝日町立図書館   
■静岡・・・蒲原町立図書舘(貸出中)
■愛知・・・豊川市中央図書館 音羽町図書館
■岐阜・・・笠原町中央公民館図書室
■三重・・・ヒットなし
■滋賀・・・滋賀県立図書館
■京都・・・ヒットなし
■大阪・・・門真市立図書館、寝屋川市立図書館、八尾市立図書館
      大阪府立図書館(中央)
      大阪市立図書館(中央、福島、港、浪速、西淀川、東淀川、城東、自動車文庫)
      (ここでは所蔵8件、うち1件が貸出中。発注中のところも多々あり)
      豊中市立東豊中図書館、
大阪府高槻市立図書館(2冊あり)
■兵庫・・・神戸市立兵庫図書館(貸出中) 宝塚市立西図書館
■奈良・・・川西町立図書館
■和歌山・・ヒットなし
■島根・・・ヒットなし
■鳥取・・・ヒットなし
■岡山・・・岡山市立図書館
■広島・・・ヒットなし
■山口・・・ヒットなし
■香川・・・ヒットなし
■徳島・・・ヒットなし
■高知・・・高知市民図書館
■愛媛・・・ヒットなし
■福岡・・・福岡市総合図書館 粕屋町立図書館 福間町立図書館
■佐賀・・・佐賀市立図書館
■長崎・・・長崎県立長崎図書館 
■大分・・・ヒットなし
■熊本・・・ヒットなし
■宮崎・・・ヒットなし
■鹿児島・・ヒットなし
■沖縄・・・ヒットなし

2月10日 現在/「ことばと発達の学習室」調べ)

(赤字は、ネット検索ができないなどの事情で、その後追加されたものです。)


以下、他の掲示板からの転載記事

怖いのは 投稿者:まつこ  投稿日: 2月11日(月)17時44分36秒

世の中ではここで行われているような真摯な動きを
「噂」として無意識に歪曲する作用が働くことが往々にしてある、
と言うことだと思います。

私たちの姿を見たことのない人、物理的心理的に距離のある人が
「広まると都合の悪い真実を覆い隠そうとしている」という
根拠のない無責任な憶測をさも本当らしく誰かに伝え、
それがまた噂として広まってしまう可能性もある。
これが、ネットの怖さでもありますから。

今回は見解の相違というものではなく、記述内容に「嘘」があるということ。
出版社のいう「不適切な箇所」は表現の問題ではなく「内容が間違っている」ということ。

「言論・表現・出版の自由」をふまえても
日本では未だほとんど認知されていない障害であるアスペルガー症候群に対して
非常に無責任かつ非人道的な情報の頒布だということなんです。

これは、どんなに強調してもしたりないくらいです。

もう一つの怖いこと。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月12日(火)09時52分17秒

「こういう子どもは、早くどうにかしないと事件を起こすような人になる」とまことしやかに説教する療育関係者がいることや、周囲の人から「危険人物扱い」されて、全く逆の対応を受けている子どもが現にたくさんいるということ。
これは、完全に逆行していて、本人にとっても周囲の人たちにとっても良くないことです。

だから、「悪い噂」を広めることを恐れずに、「真実」を広めていかないといけないと思います。

アスペルガー症候群の診断を受けた子どもたちへ 投稿者:まつこ  投稿日: 2月12日(火)10時42分25秒

「食いしん坊な脳うつになる脳」の中のアスペルガー症候群の説明は嘘です。
信じないで!

私が絶対に食い止めたいことは
この本を、診断を受けた子どもが読んで自分の将来を悲観してしまうこと。

「活字で書いてある事」に影響を受けやすい特徴を持っている子が多いと思うので
真実を広めることは急務だと思うんです。

申し訳ありません。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月12日(火)11時57分33秒

たいへん申し訳ありませんが、まつこさんが書いてくださった理由のために、私はくだんの本を買って読むことができません。(間接的に、解説つきの情報を収集しています。)

実際に、問題箇所のダイジェスト版を読んだ時には、「えっ、私ってこういう人なの?」と一瞬思ってしまいました。なにしろ、一度は書いてある「言葉」をそのまま頭の中に放り込んでしまうから。本当に意味がわかるのは、その「言葉」が頭の中で「解凍」されてしばらくして後です。

いろんな人が説明をしてくれたので、随分と落ち着きましたが、それでもやっぱり「罪を償わなければいけない」ような気分はぬぐえません。(目次や章立てになっていると、特にダメージは大きい。)

図書館・追加情報。投稿者:ペンギン  投稿日: 2月12日(火)13時52分36秒

先日まであったはずの図書館の蔵書を、今日検索したら例の本がなくなっていたということなので、再度検索してみました。

府立(1)・市立(1)・豊中(1)・八尾(1)ですが、門真・寝屋川・東豊中・高槻では(0)になっています。

書店関係の調査結果。 投稿者:M  投稿日: 2月12日(火)23時00分31秒

11時現在、こうなっています。
出版や言論、研究の自由に関する話に発展したり、
特定の団体から圧力があったといった誹謗中傷等予想されますが、

少なくとも、今現在の下記の書店は、独自の判断でこういった措置をとっておられるの
だと思います。

今後の資料の為に調べました。この情報はご自由にお使いください。


amazon    現在お取り扱いできません
esbooks  検索条件に一致する商品はありません
bk1     出版社都合により、取り扱い中止とさせていただきます
本屋さん   出版社都合により、取り扱い中止とさせていただきます
紀伊国屋book 該当データはありません
三省堂書店  出版社都合により、取り扱い中止とさせていただきます
       神田店在庫あり
ネットダイレクト旭屋書店
       ショッピングカートなし
文教堂jbook 販売中止
丸善     ヒットなし
e-hon    現在ご注文できません
本の問屋さん 検索条件に該当する本は見つかりません


本やタウン(検索し、好きな書店で注文受取システム)
・メガブックストア     購入可能な店あり
・サテライトブックストア  購入可能な店あり


図書館の自由に関する宣言について

Tさんへ。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月12日(火)19時19分38秒

書き込んでくださって、ありがとうございます。図書館の職員・学芸員としては、当然のご意見だと思います。まだ出版社や監修者からの回答が出ていない今の段階では、判断は現場の当事者に委ねられて当然だと思っています。
人権に関することであっても反対意見はあるし、あからさまな否定をする人もいる。そして、そういう本があることとそれを図書館に置くことに意義があるわけではありません。(特に、裁判や事件がらみとなると国民感情や個人の心情などがいろいろあって、それぞれの立場から本が出ていることなど、ざらにあります。雑誌や週刊誌まで広げると、それはもうすごいです。)

ただ、こちらはこちらとして、「言うべきことは言う」ということです。

申し訳ありません。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月12日(火)21時07分29秒

図書館に、選考のための参考資料を持って行く権利と、被害をこうむる人がいることを伝える権利もあると思うので…。
ご迷惑をお掛けしてしまっているかもしれませんが、ご了承下さい。

それから、親御さん・本人共に、日頃、世間の無理解という重圧を常に感じているので、「下手に騒いで広げないで欲しい」と思っている人と、この際だから「見識を深めてもらおう」と思っている人の両方がいるかと思います。
発達障害や精神障害の方面では、今まで隠してしまおうとする風潮があったり、更なる差別を受けることを恐れて泣き寝入りをすることも多かったということもあって、「声」を上げる人が少なかったこともあると思います。それで、ますます言いたい放題になってしまうことも、私は恐れています。そのあたりも、賛否両論ですね。

図書館についての対応策 投稿者:団長  投稿日: 2月12日(火)23時57分51秒

として、とても有用な1策をTさんに示唆して頂いたものと思いました。「著者が誤りを認め、自分の著書の訂正文の添付等を図書館に求める」という手段が一番の解決策という事なんですね。とても参考になりました。なかなか図書館の仕組みというものが分からないものですから、Tさんのようにこうして御教えいただけると本当に助かります。で、出版社に再度、御願いしようと思います。著者には、誤りはきちんと正していただきたいと思います。ペンギンさんの言われるように、やはり言うべきことは言わないといけない、というのが私の考えです。


図書館の自由に関する宣言について。 投稿者:M  投稿日: 2月13日(水)07時19分43秒

>図書館には、閲覧禁止をお願いすればいいのかしら・・・

[図書館の自由に関する宣言]が日本図書館協会から出されているそうです。

その中に
”図書館は資料提供の自由を有する”という文言があります。
”国民の知る自由を保障するため、すべての図書館資料は、原則として国民の自由な利用に供されるべきである”という一文もあります。
しかし、 
”提供の自由は、次の場合にかぎって制限されることがある。”との文が続きます。
(1) 人権またはプライバシーを侵害するもの
(2) わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの
(3) 寄贈または寄託資料のうち、寄贈者または寄託者が公開を否とする非公刊資料

今回の場合は、(1)と判断されうる物だとはおもいますが・・・、

その後に”これらの制限は、極力限定して適用し、時期を経て再検討されるべきものである。”ともあります。

昨日も書いたのだけど、私ならお願いと言うより、”情報提供”という立場かな。
全ての情報から総合的な判断を下すのは図書館であるべきものだろうしね。

動き方いろいろ。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月13日(水)07時47分59秒

図書館や書店にも、それぞれの方針があるだろうし、やり方次第で「お願い」が「抗議」になったり、「情報提供」が「圧力」になったりもするのでは?

そして、それで先方がどう判断するかというところまでは制約できないし。ただ、「こういう風に言ってみたら、こうしてくれた。」例があるということは、黙って泣き寝入りする以外の方法があるということだと思う。

それから、買ったり借りたりして読んじゃった人に説明することも必要だし。←私は、こっちの担当ということで…。

書店に対して。 投稿者:M  投稿日: 2月14日(木)07時23分49秒

基本的には、
特定の書籍を販売しないことを”検閲”だと解釈して、法律で禁じられているもの以外は提供する使命があるのだという書店の立場は、最も尊重されなければならないものなのだろうね。

でも、販売する書籍の内容をしっかり”吟味”して、明らかな間違い、人権やプライバシーを侵害するものは扱わないという立場の書店があっても良いのではないかとも思う。

確かに、そのどちらの立場の書店にも、情報の提供が”圧力”になってしまってはならないよね。
だからこそ、こういう情報提供は特定の団体ではなく、名もない個人がすることにこそ意味があるのだとも思う。

団体と個人の違い。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月14日(木)07時59分41秒

たとえば、どこかの団体が出版社と交渉するというのなら、それはそれなりの手続を踏まなければならない。
でも、個人が自分たちの「思い」で行動することに制限はないだろうし(って、もちろん、法律や常識の範囲内で)、今回の場合は出版社が「出荷停止」で「保留」しているという「事実」があるわけだから、書店や図書館に検討してもらうに足る「証拠」があると思う。

また、こういうことを書かれて困っている「思い」を出版社に切々と訴える、という「声」のあげかただってあるでしょうし。

それから、どっちにしても、「うかつにこういう軽はずみなことはできない」ぐらいの自覚を出版社に持ってもらうことって、大切なんじゃない?

こういう時って、 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月14日(木)08時02分28秒

出版社に対して「出荷停止のいきさつと、その後の経過を問い合わせる」書店もあるのかな?

もしかしたら…。 投稿者:ペンギン  投稿日: 2月14日(木)10時06分50秒

出版社が監修者との間で板挟みになって、困っちゃったりなんかしているのかもしれないし…。
もし、「出荷停止」でお茶をにごしている間に「売っちゃえ!」って思っていたら、出版社はそういう事情を各書店には知らせないで黙っている可能性だってあるわけでしょ?

翻訳物についての責任 投稿者:M  投稿日: 2月15日(金)20時15分45秒

翻訳やその出版に詳しいある方からの情報では、
「翻訳物については出版社がすべての権利をハンドルしていて、
 その出版物に(国内で)最終的に責任を負うのは出版社である」との事です。

[図書館」では
 ”国民の知る自由を保障するため、すべての図書館資料は、原則として国民の
  自由な利用に供されるべき”であり、

[書店」には
 ”法律で禁じられているもの以外は提供する使命がある”のであるのなら、

[出版社」に関しては
 出版の自由がある一方で、(少なくとも翻訳本については)”出版物そのものへの最終的な責任”を負うべき所って事になるのかな?


そんな回り道をして考えなくても、
 ●明らかな事実誤認がある。
 ●その誤認は人権の侵害にもあたる可能性が大きい。
そこだけ見ても、責任を負う理由として十分だよね。
こんな当たり前の事ができない出版社なんて、読者からは見向きもされなくなるのでは?

でも、
きちんと責任をとって、それをバネに、どこも作らないような立派な本を作る出版社に大変身するなら、振り向く人もいるかも? 

まさか、
出版の自由に対する圧力だなんて言い出さないよね、出版社さん。
まあ、
内気で控え目で小さな声の私たち読者が、天下の出版社に圧力をかけられる訳ないけど。

※文中の“翻訳やその出版に詳しいある方”とは、ニキ・リンコさんのことではありません。  

例の本について 投稿者:  投稿日: 2月21日(木)06時50分43秒

下記のような措置がとられたんですね。

>内容に関し一部の方々から不適切な箇所がある旨のご指摘をいただきました
>ことを重視し、弊社からの出荷を中止すると共に書店から回収する措置をと
>りました。図書館の貸出しご担当者各位におかれましては、上記事情にご留
>意の上、ご収蔵の上記書籍のお取扱いにつきましてご慎重を期されますよう
>お願い申し上げます。


この件に関しては翻訳や出版に詳しい方から、有用な情報を沢山頂いておりま
した。           < リンコしゃんではありません。念の為。

それによると、

>自分が著作権(この場合、複製頒布権)を持っていて、
>したがって当然責任も負っていることがらについて、
>自分の行動が、人の人権を蹂躪したり公序良俗に反している、
>つまり法的にも責任を問われる=金銭的損失が生じる可能性がありますよ、
>と指摘されれば、よほどずうずうしい人間(会社)でも、
>だんまりを決め込むのはむずかしいはずです。

との事でした。
多くの方のご尽力の結果、行きつくべくして行きついた結末とも言えるのかも
知れないなあと思いつつ、
名もない一読者の小さな声で、もう一言だけつぶやいておきます。

上述、出版者の最終お知らせ文に
”一部の方”という表現は残ってしまいましたね。
出版社の認識としてはあくまでも、”一部の方”なのでしょうね。でも、背後
には同じような考えの多くの方々がおられるであろうことは認識して頂きたい
なと思います。   
又、
”指摘”のあるなしではなく、出版社自らが不適切な箇所があったと判断し、
社会的責任を感じたその結果として今回の措置があったのだと、良い方に解釈
させて頂く事で私の気持ちにも一区切りをつけたいと思います。
      
       < Kさん、Aさん色々と教えて下さって有難うございました。
  


おことわり

これは、アスペルガー症候群に関する誤解を正し、正しい見識を広めるために協力したものです。

自分たちの感情を害するものを、何でもかんでも排除しようというのではありません。


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